• 上杉洋史

    「208」
  • 最後の嘘

    最後の嘘

    僕が寝たふりしてる25時つま先立ててベッドを出てゆくキレイな笑顔のまま そっと息をするように嘘つけるひとLies 信じたくない Lies 偽りだとはやさしい横顔 ずっと好きでいさせてミステリー 君の嘘をトラジェディ 僕はいつもテリトリー 超えられないラ・ラ・ライ・ライ だから そのまま このまま君がまたひとつ嘘をついた...
  • 舟唄

    舟唄

    お酒はぬるめの 燗(かん)がいい肴(さかな)はあぶった イカでいい女は無口な ひとがいい灯りはぼんやり 灯(とも)りゃいいしみじみ飲めば しみじみと想い出だけが 行き過ぎる涙がポロリと こぼれたら歌いだすのさ 舟唄を沖の鴎に深酒させてョいとしあの娘とョ 朝寝する ダンチョネ店には飾りがないがいい窓から港が 見えりゃいい...
  • 太鼓

    太鼓

    冬ざれの 肌さす風が痛い痛い 能登だよ 輪島だよ聞こえくる 地なり 海なりいやいや あれが 御陣乗(ごじんじょ)太鼓ドンスクスクドン 季節はずれがなおさらにドンストトトドン 心の底を突き揺するドンスクスクドン 攻めくる冬を打ち払えドンストトトドン つらい想いも打ち払え乱れ心は 夜叉の面に隠して末枯(うらが)れの 黄昏海...
  • あなたを想うたび涙が止まらない

    あなたを想うたび涙が止まらない

    好きだと言えたら こんなに苦しまないホームを出てく列車の 窓手を振って好きで好きでたまらないと心が叫び続けてる愛しちゃいけないと分かっているけれどあなたを想うたび涙が止まらない my love誰もがあなたに似て見えるよ 街角叶わぬ恋が見せる 酷(むご)いまぼろしが やるせなくて 苦しすぎてどんなに好きか分かるかい初めて...
  • 傘

    あなたの傘になろういつかのあの日 差し出してくれた 優しさ返すよあなたの傘になろうやまない涙 そっと拭ったら あなたに虹がかかったよ降りつづく 街角は涙にじませた パレット震える肩が 濡れないようにぎゅっとそばに 引き寄せた雨の色は いつも寂しいね青空がある場所に帰ろうかあなたの傘になろうつらい思いを 遠ざけるように ...
  • じらさないで今夜

    じらさないで今夜

    夜明けの空に混ぜたワインの滴一息に飲み干せば涙なんか消せるもう二人は そう熱く見つめあって 抱きあって いいはずじらさないでさみしさの秘密あっけない恋じゃないさじらさないでためいきの薔薇咲かせて もっと熱くミラーに映る背中答えに迷う幸せは手探りじゃ間に合わないのにもう心は そう甘く惹(ひ)かれあって 触れあって いるさ...
  • 初紅葉

    初紅葉

    右手に光る 銀の鋏長い黒髪にあて色褪せぬ未練の恋断ち切りましょう染めるだけ染めて青かったこころ燃えたままで 凍えるだけ散らせて初紅葉燃えたままで 凍えるだけ散らせて初紅葉結露が指を 濡らすたびに赤らびる私の頬をもみじだと微笑んだ目尻が恋しいこの手伸ばしても木枯らしが吹き付けて同じ場所で 震えるだけ散らせて初紅葉同じ場所...
  • 言いわけ

    言いわけ

    合鍵あける 音を待ちわびて眠れないまま本を 読んでいた誰かと居たの? 何をしていたの?聞くに聞けない想いが 降りつもる愛してるなんて 言いわけだから言わないで言わないで 別れるならば男はみんな少年飽きれば次を 追いかける大人になっても 子供のあなた洗った髪を 乾かしてくれたそんな優しい夜を 思い出す心変わりを 隠したり...
  • ラストワルツ-最期に贈る言葉-

    ラストワルツ-最期に贈る言葉-

    さあ もう 泣かないで笑顔を見せて生まれてきた ときのように一人で 逝くよ思い出すのは初めて逢った あの日ぼくは二十歳 君は十九歳もう 昔のことだね君に そっと くちづけしたら長い髪に さした薔薇が風に 吹かれてふるえてた……君に そっと くちづけしたら長い髪に さした薔薇が風に 吹かれてふるえてた……さあ もう 泣か...
  • いつもの朝がくる

    いつもの朝がくる

    いつもの朝がくるおはようの声 聞くだけであなたが 笑って いるだけでいつもの朝がくる冷たい雨が 降る路地に思い出 途切れた 街角に悲しいときも うれしいときも沈む夕陽は 朝陽のためにいつもの朝がくるいつもの朝がくる風の匂いが するだけで両手で 水を 掬うたびいつもの朝がくる誰かがついた ため息に涙が こぼれた その頬に...
  • 氷炎

    氷炎

    許すことより 許さないのが優しさ なのだと知ったあなたが嘘を 繰り返すのは私が 許すからね傷つけたいのなら 傷つけていい愛が欲しいのに 愛に背を向けるどうして あなたは…冷ややかな眼差しと 熱い素肌あなたの心は 裏腹ね愛していると 言わないあなた星さえ 見えない夜に甘い言葉は くれないけれど心を 抱いてくれる裏切られる...
  • 逢いたかったぜ

    逢いたかったぜ

    逢いたかったぜ 三年ぶりに逢えて嬉しや 呑もうじゃないか昔なじみの 昔なじみの お前と俺さ男同志で 酒くみ交す街の場末の おゝ縄のれん生れ故郷の 想い出ばなし今宵しみじみ 語ろじゃないか昔なじみの 昔なじみの お前と俺さこんどあの娘(こ)に 出逢ったならば無事(まめ)で居るよと おゝ言ってくれ誰が流すか ギターの唄に遠...
  • あなたを愛で奪いたい

    あなたを愛で奪いたい

    あなたを愛で奪いたい変わらぬ愛の真心捧げよう風にシャツが音を立てる 夏の夕涼み好きな人はいないの?って 目を伏せたね吐息のように 触れあった指がさり気なく出逢いを結ぶ前触れもなく 不意にあなたを愛で奪いたい夢見るように あなたを愛したいあなたを愛で奪いたい夢見たままの あなたをもう一度女の 恋は いつも 切ない 初恋な...
  • 男の劇場

    男の劇場

    正しい者が 勝たいでなるかそれがこの世の 真理(まこと)じゃないか忍の一字に 望みをかけてじっと出を待つ 来島瀬戸の渦も知ってる 男のロマンできないがまん するのががまん怨みつらみの 百万言は腹に収めて にっこり笑うがまん男の がまんの前に壁は崩れる 氷もとける自分の身なりに かまっちゃおれぬ後はたのむぞ 可愛い女房(...
  • 女のためいき

    女のためいき

    死んでもお前を離しはしないそんな男の約束を嘘と知らずに信じてた夜が夜が夜が泣いてるああ 女のためいきどうでもなるよになったらいいと思いなやんだ時もあるなににすがって生きるのか暗い暗い暗い灯影のああ 女のためいき男と女の悲しいさだめなんで涙がつきまとうほれているから憎いのよ未練未練未練一つがああ 女のためいき...
  • 女の港

    女の港

    口紅(くちべに)が 濃(こ)すぎたかしら着物にすれば よかったかしら二ヶ月(ふたつき)前に 函館ではぐれた人を 長崎へ追えば一夜(ひとよ)が 死ぬほど長い私は港の 通(かよ)い妻信じても ひとりになるとぷつんと切れる ふたりの絆(きずな)たしかめあった 横浜の桟橋(さんばし)はなれ 塩釜(しおがま)へ向かうあなたが も...
  • 世界中の誰よりきっと

    世界中の誰よりきっと

    まぶしい季節が 黄金(きん)色に街を染めて君の横顔 そっと包んでたまためぐり逢えたのも きっと偶然じゃないよ心のどこかで 待ってた世界中の誰よりきっと 熱い夢見てたから目覚めてはじめて気づく つのる想いに世界中の誰よりきっと 果てしないその笑顔ずっと抱きしめていたい 季節を越えていつでも言葉の終わりを いつまでも探して...
  • 僕が僕であるために

    僕が僕であるために

    心すれちがう悲しい生き様にため息もらしていただけど この目に映る この街で僕はずっと生きてゆかなければ人を傷つける事に目を伏せるけど優しさを口にすれば人は皆傷ついてゆく僕が僕であるために勝ち続けなきゃならない正しいものは何なのか それがこの胸に解るまで僕は街にのまれて 少し心許しながらこの冷たい街の風に歌い続けてる別れ...
  • みだれ髪

    みだれ髪

    髪のみだれに 手をやれば赤い蹴出(けだ)しが 風に舞う憎や 恋しや 塩屋の岬投げて届かぬ 想いの糸が胸にからんで 涙をしぼるすてたお方の しあわせを祈る女の 性(さが)かなし辛(つ)らや 重たや わが恋ながら沖の瀬をゆく 底曳網(そこびきあみ)の舟にのせたい この片情(かたなさ)け春は二重(ふたえ)に 巻いた帯三重(み...
  • 港の五番町

    港の五番町

    港 港の町で 浮名流した果てにここへたどりつく たどりつく小窓にゆれている いさり火見つめ遊ぶだけ 遊んだら消えて行く 男をおもい出すどこにでもあるような 港の五番町浮気鴎を真似て しゃれて恋した果てにひとり涙ぐむ 涙ぐむ小雨の棧橋に ちぎれたテープさよならの そのあとは何もない 他人に戻りましょうどこにでもあるような...