• マシコタツロウ

    「124」
  • 鬼百合を見上げて

    鬼百合を見上げて

    縁側に絵の具広げ 鬼百合の絵を描いた上手ねとそっと覗き込んだ 優しい声あなたのいない世界に 少しずつ慣れていっただけどふと寂しくもなるよ 頬伝う涙1つあなたに見えてますか 今でもここにいます今年も朱い鬼百合が 風に揺れている何かを悟ったように ポツリと言ってくれた想いのままにいけばいいと ポツリと言った偉かったねと言っ...
  • 手のひらの優しさ

    手のひらの優しさ

    特別なことじゃない だけど柔らかい陽のような君との毎日が思い出になったから 抱きしめてくれた温度も嬉しくて懐かしいさみしくない なんて 強がりになるけどつながる明日へ 今度は僕が行こう君がくれた想いを 全てのものや風景に感じている それだけで 勇気が湧くよ僕がもしも疲れて うつむいてしまう時にはあの日のように教えてよ ...
  • ハナミズキ

    ハナミズキ

    空を押し上げて手を伸ばす君 五月のことどうか来てほしい水際まで来てほしいつぼみをあげよう庭のハナミズキ薄紅色の可愛い君のね果てない夢がちゃんと終わりますように君と好きな人が百年続きますように夏は暑過ぎて僕から気持ちは重すぎて一緒にわたるにはきっと船が沈んじゃうどうぞゆきなさいお先にゆきなさい僕の我慢がいつか実を結び果て...
  • あまのじゃく

    あまのじゃく

    少し遅れて来たから「僕も今、来たところ」と優しい嘘ついたあの日巻き戻せたなら…サヨナラの言葉には冷たい嘘を吐きかけたけど「好きじゃない」って事も「離れたい」って事も素直にね逆を伝えたなら…“あまのじゃく”な僕が嫌いだよ裏腹が終わらせた君との未来初めは許せた事も 変わりだすそれが時間子供みたいなわがままでごめんね 疲れた...
  • SUNNY-SIDE UP

    SUNNY-SIDE UP

    少し遅く目覚めた朝アラームに邪魔されず見てた夢 あれはなんだっけ掻き消してくコーヒーミル君は何してるのかなメール立ち上げ手を止めた Ohまだ夢の中 いるなら起こさないようとりあえずReady, SUNNY-SIDE UP今日君とどこへ行こうか揺れるワンピース 君にリクエストして弾んでく会話とCider海沿いカフェ探そう...
  • 君を愛するだけ

    君を愛するだけ

    街の灯を吹き消すふたり真夜中のバルコニーブランケットにくるまれてときを止める永遠のキスをしようそっと世界が眠る夜に終わらない夢で逢おうそんな願いを込め…目を閉じるよやわらかな笑顔を見せて涙するその理由(わけ)僕の知らない君の瞳には誰が映るもう二度と逢えずともあした世界が終わろうとも叶わない恋と知り君を愛するだけ愛するだ...
  • Rapa Nui

    Rapa Nui

    To'oku inona ko ai 時に1人になろうHe oho au ki to'oku hare 弱さに向かい合おう酋長の教え 夜は流れて東から西へ 僕を呼ぶ声モヤイらは勇ましく 渡り鳥を待ってるさらなる自由歌い 秒読みが始まる塵の彼方へ 君から離れ新しい旅を始めるんださあ、もっと遠くへ 悲しみすら追いつけない場...
  • Off White

    Off White

    ホワイトorオフホワイト 塗るならどちらホワイトorオフホワイト こころのカラーホワイトorオフホワイト 改心するんだホワイトorオフホワイト ホワイトorオフホワイト純白に生きたいな でも汚れ目立たせたくないがいずれにシロで 君に謝るよ真昼間からビアを飲んで待っている君のコールバックビーフorチキン 焼くならどちらビ...
  • オレンジの逆光

    オレンジの逆光

    いつかの夏 置き去られた 誰かのベースボールキャップ「密漁禁止」のサインボードに ぷらり揺れている君との日々も あんなふうに うっかり色褪せればいい勝手に背負い込んだ後悔も下ろせずに...さっさとせっせと君を忘れようとあっちへこっちへ自分を連れ出したって目も耳も鼻も口も 君へとリンクしたがる散々と清々と捨てた思い出があ...
  • 紙ネクタイ

    紙ネクタイ

    父の日のプレゼント 小学校で作った紙ネクタイ派手派手にしてやろうと 全部の色を混ぜてみた夏休み明けの水槽 もしくは花壇の土の様な色黙って首に巻いて誇らしげに 彼は言った「ちょっと渋いけどいい感じ」全肯定 全肯定 全肯定の奇跡そうやって愛された私だもの誰かを許したいバイトとバイクとその他 校則でダメなことばっかやって卒業...
  • 区画整理できないマイハー

    区画整理できないマイハー

    久しぶり昼下がりの 雑多な街並み眺めて歩いているとあの頃憧れていた カフェやマンション 高価な靴屋も変わらずに安心したよあの時 あの娘 可愛く手を振った改札はないどこにあったのかさえも分からないゴトゴトと電車が走るよ かかとの下で確かこの辺り 開かずの踏切でケンカしたっけ区画整理できない心の中耳を澄ましたら まだ遮断機...
  • 手紙

    手紙

    ポストの隅 見つけた 消印のない白い封筒郵便番号なんていらないのに…綺麗な字もすべて君らしい何度も書き直した表情が 目に浮かぶみたいで最初の頁読み終える前に 静かに折り畳んだ裏返した最後の行に透けて見える別れの言葉さよなら さよならその四文字に言い返すことも 言い訳もないさよなら さよなら宛どころの無いこの想い子供の頃...
  • 名もないペンキ塗りの詩

    名もないペンキ塗りの詩

    宵越しの金は持たない主義だぜ歯の無い俺はペインター タコは飲み物ペインターズボンに飛び散る無数のペンキが俺の勲章ペインター カラフル俺はペインター出ていった嫁を恨んだって おまんま食えねぇんだよ二度塗り 三度塗り 上塗りして 人生もリフォームしてきたBetter Better Betterな方... な方へ 足るを知れ...
  • ハッピーエンド

    ハッピーエンド

    どう? 気持ちいいんだろ 今が良きゃそれでいいんだろどうぞ どうぞ お前の命だもうハッピーエンドに続く布石は底をついた無いな 無いな 次の手が無いな 両手いっぱい理想 妄想 小さい器でね欲張りめ 欲張りめ 欲張りめ さもしさ故のさみしさ欲張りめ 欲張りめ 欲張りめ 結局全部を私利と相談だずるずると ずるずるとどう? 運...
  • プレゼント

    プレゼント

    高いシャンパンなんて無いし甘いホールケーキも無いがスペシャルな今日を放っておく訳にはいかない生まれた時から止まらずにその命で歩いてきたんだ君がいるだけで最高に尊い何歳になったってバースデイ花も無い 団子も無いだけどハッピーハッピーバースデイせめてものプレゼント僕からのプレゼントハッピーバースデイ...
  • 未熟

    未熟

    「一緒に帰ろっか」明るくて 優しい笑顔にそっと心を惹かれていた雨上がり線路沿いの道 水たまりかわして彼女 送り届けた僕は 少し誇らしかったまだまだ未熟者だよ 制服着ていないだけでいいぞ いいぞ あの頃の僕はじめての恋 はじめてのせつなさ欄間を塞いでいる ロックスターのポスター眺めてずっと心を悩ませた楽器屋の店長に頼んで...
  • 6分

    6分

    なんで自分が、って思ったんでしょうガラガラと未来の壁が剥がれて神様って実は意地悪みたいひょっとしたらいないのかもねだから僕が君の神様になるよ嫌な時はおし退けて、いいよ僕の6分を君にあげる 一緒寄り添うよもう一生ひとりじゃない僕の6分を君にあげる 朝貌に露がきらりそばにいるから呼んでよまっすぐ進むって息苦しいでしょう行き...
  • JB Freeway

    JB Freeway

    助手席に荷物置いて ソーダ水のふた開けてひとくちゴクリと飲んでドアとシートに挟んだあの頃の僕もそう 早起きが大好きでどんな遠くまででも行ける気がしてたんだ信号待ちの間に天気予報をチェックしてたまに雨もいいけどね 今日はそんな気分じゃない鼻先朝日に向け 雨の降らない方角へとゆっくりクラッチつないだら 心ごと上げていこう何...
  • ヘイナルボン

    ヘイナルボン

    灯油18リッター買って 軽トラに積んだ陸からの風が巻き上げる 黒い土埃道にはみ出たマキの木 生垣の向こう白い そと犬が吠えている 平日の午前何の変哲もない ヘイナルボンな毎日で何が悪いんでしょう流れるように 成るように命はそうして僕に来た誰のせいじゃない 為じゃない答えを捨てれば楽になる探すことをやめれば楽になる海沿い...
  • わたしのような誰か

    わたしのような誰か

    手鏡のよう 太陽を弾く雨が残した 水溜まりてのひらを翳しあなたを見てた好きと言うに はまだ他人ほかに道はないのになにを怖れるのこんなに近くにいてもあなたは気づかない心は言葉だけではわからないねぇ 私もさみしければひとりで泣きもするあどけなく笑い 視線が逸れる声の温度が ふと冷める躊躇えばそこで 答えも逃げて嘘に包んだ ...