• 大本恭敬

    「12」
  • 伊豆の雨

    伊豆の雨

    一すじの 一すじの恋の名残りの みだれ髪朝の鏡の 切ない涙あんたなんかにゃ 判らない女泣かせの 伊豆の雨伊豆の雨さりげなく さりげなくつぎの逢う瀬を 聞く心深くなっては いけない人と決めているのに 苦しくて夢を重ねる 伊豆の雨伊豆の雨逢うたびの 逢うたびのあとの淋しさ やるせなさそっと背広を 着せかけながら出来ることな...
  • 好きと云ってよ

    好きと云ってよ

    あなたのこころが わからないだからせつない 酒になる好きと云ってよ 好きと云ってよ 好きなのよいつもだまって のんでるだけのにくい横顔ねひとりにしないで いじわるねだからかなしい 夜になる好きと云ってよ 好きと云ってよ 好きなのよ女泣かせと わかっていても誰のうつり香よ昔のことなど 云わないでだからつめたい 朝になる好...
  • 好きと云ってよ

    好きと云ってよ

    あなたのこころが わからないだからせつない 酒になる好きと云ってよ 好きと云ってよ好きなのよいつもだまって のんでるだけのにくい横顔ねひとりにしないで いじわるねだからかなしい 夜になる好きと云ってよ 好きと云ってよ好きなのよ女泣かせと わかっていても誰のうつり香よ昔のことなど 云わないでだからつめたい 朝になる好きと...
  • あなたが遠くなる

    あなたが遠くなる

    汽笛が聞こえます 胸が痛みます涙も出ないほどかなしい夜更けですここは旅先き小さな港町思いあふれて手紙を書いてますあの日の別れなら 私のせいです女のあやまちは一度がすべてですだから今さら帰れはしないけどいじめぬかれて今日が覚めました貴方のいたわりを 私に下さいただそれだけで立ちなおれるでしょうもしも貴方がゆるしてくれるな...
  • 消印はニース

    消印はニース

    彼女の電話からパリの匂いがしたメトロの風に舞い踊る黄昏彼女の電話からパリの匂いがしたHOTELの重い扉の閉まる音それからしばらくして あなたから届いた彼女とあなたの一緒に映った写真二人の手紙から愛の匂いがした私は一人 頬杖をつくわあなたとの愛がまだ終ってもないのにあきらめるくせがすぐに頭をもたげるの二人の写真から雨の匂...
  • 煙が風に

    煙が風に

    プラットホーム 恋人達腕をまわして 歩いてゆく私はひとり ベンチにもたれ煙草に火を点けてみる煙が風に漂よえば今朝のセリフがもう一度波のように押し寄せて涙を誘うの別れが来ると思わないで別れてあげると言った私さりげなくあの人が“いいさ”とうなづくなんて別れが来ると思わないで別れてあげると言った私さりげなくあの人が“いいさ”...
  • 忍のテーマ

    忍のテーマ

    忍が通る 獣道風がカムイの 影を斬る孤(ひと)り 孤り カムイ孤り 孤り カムイ風の中を 抜けて行く忍が通る 遠い道闇がカムイの 影を斬る孤り 孤り カムイ孤り 孤り カムイ闇の中を 抜けて行く...
  • わが人生のハーフウェイ

    わが人生のハーフウェイ

    気がついたら中年 人生の半ば髪に白髪もチラホラ お腹も出てきたよ妻は勿論一人 子供は二人人並みに幸せな 暮らしをしてるつもりだよたまにはおもてで 恋などするけど決して気まずい 事件にならない臆病だからじゃ ないんだよ妻や子供を 愛しているからなんだよハーフウェイ ハーフウェイわが人生のハーフウェイ毎朝 鏡で見る俺の顔ち...
  • 吉野伝説

    これが今生の 別れならいっそ死なせて その胸で行く手さえぎる 恋吹雪肌が涙が 凍りますあぁ…散りにけり かの夢はあぁ…消えにけり かの人は忍び泣くよに はらはらと はらはらと吉野奥山 雪が舞う吉野山 峯の白雪踏みわけて入りにし人の あとぞ恋しきたとえ地の果て あの世までついてゆきたい どこまでもすがる衣を 引き裂いて恋...
  • カラオケ必勝専歌

    カラオケ必勝専歌

    歌は水もの 生きものでその日その日の 喉次第今日も優勝 いただきと驕るこころが 命取り唄の好みで 選ぶよりキーが合ってる 曲選び無理な注文 上げ下げはしょせん借り着(もの) 似合わないカラオケ カラカラ喉自慢カラオケ カラカラ 必勝しま専歌ムードばかりが 優先でとかく小さく まとめ勝ち歌詞がはっきり 分かるよに喉はオー...
  • サガレンの夕焼け

    サガレンの夕焼け

    赤い 赤い 赤い サガレンの夕焼けよみんな燃えている 涙も海も俺の兄貴が 俺の兄貴が命をかけて暴れ 暴れまわった……オホーツク海だ赤い 赤い 赤い サガレンのはまなすよどんな花よりも 好きだと云った死んだ兄貴の 死んだ兄貴のきれいな瞳想い 想い出させる……シベリア颪し赤い 赤い 赤い サガレンの潮風よ海はでっかい 男の...
  • 酒々物語

    秋に出逢って 真冬に燃えて春を待たずに 枯れた恋あんなにはげしく 抱かれても哀しいものね 別れたらすがるお酒が すがるお酒が あなたの代り熱いくちづけ 交わすたびに愛を信じて いた私もう少しだまして くれてたらもう少し永く 暮らせてた未練ばかりを 未練ばかりを つぎたすお酒夢の中でも 置き去りにされて泣いた涙で 目が覚...