• 松本英祐

    「7」
  • 望郷熊本城

    望郷熊本城

    ふるさと出てから 三十余年あの日誓った 夢ひとつ 夢ひとつ嘘と真実(まこと)が 渦を巻く夜の東京(とうきょ)に 泣かされて何度帰ろと 思ったことか熊本城が 目に浮かぶ惚れてはいたけど 口には出さず今は我慢と あきらめた あきらめた遠いあの日の 馬追いの祭り囃子の なつかしさ闇にさまよう 寂しい心熊本城に すがる夜涙でう...
  • みちのく魂

    みちのく魂

    開きゃ手のひら 握れば拳弱音無用の 風が吹く港三陸 群れ飛ぶ鴎喧嘩しぶきに 逆巻く怒涛(どとう)沖できたえた 命が炎(も)えるみちのく魂 誰が知る目から出るうちゃ 涙じゃないよ男涙は 肝(はら)で泣く白い牙むき でっかい波が船の舳先(へさき)を また噛みにくるここが勝負だ 男の舞台みちのく魂 伊達じゃない人の情けが す...
  • 愛はひとすじ

    愛はひとすじ

    つらい時こそ 笑顔を見せて生きてゆこうよ いつの日もそんなあなたの 言葉は今も心の底に 抱いてます肌のぬくもり たしかめながら愛はひとすじ 愛はひとすじ ふたりの灯をともす遠い道のり 人生旅路山の向こうも 山ばかり苦労するたび いとしさつのる愛の絆を 強くして夢のたなびく 峠を越える愛はひとすじ 愛はひとすじ ふたりで...
  • おんなの心 見えますか?

    おんなの心 見えますか?

    かかるはずない 誘いの携帯電話(でんわ)肌身離さず 持ってますおんなの心 見えますか?愛する歓び 教えてくれたあなた あなた あなたが欲しい もう一度惚れてしまえば 化粧も変わるまして命と きめた恋おんなの心 見えますか?やさしく抱きしめ 酔わせてくれたあの日 あの日 あの日の甘い 夢見酒うわさ聞くたび 逢いたさつのり...
  • もだえ酒

    もだえ酒

    ひとりの人に 捧げても捧げきれない 愛でした奈落の底に 落ちて飲む奈落の底に 落ちて飲む女泣く酒 もだえ酒袖すり合わぬ 人よりも一夜だけでも うす情け泣かせてくれた あの人が泣かせてくれた あの人が忘れられない もだえ酒別れのグラス ふれあえばとても悲しい 音がする他人になるのね 明日から他人になるのね 明日から何故に...
  • 佐賀のひと

    佐賀のひと

    たそがれせまる 嬉野の宿窓に切ない 灯りがともる倖せだったわ 一夜の夢は愛しながらも 湯けむりにあ… はかなく消えた 佐賀のひと唐津くんちの あの笛の音がなぜかわびしく 心をゆする淋しい日暮れの 別れの駅で指をからめた ぬくもりがあ… 今でも残る 佐賀のひと夜の深さに 想い出だけば遠いあの日の 面影うかぶいとしさつらさ...
  • あじさいの宿

    あじさいの宿

    枕かわした あの夜と同じ模様の 雨が降る一夜だけでは もえきれないとすねて甘えて 困らせた伊豆の温泉の あじさいの宿季節めぐれば 又浮かぶ窓の夜風に 湯上りの鬢のほつれが むせび泣く松葉くずしの 揃いの浴衣今もそのまま あるかしら伊豆の温泉の あじさいの宿川面にゆれる 面影よ恋の終りの 湯けむりが青い尾を引く 誘蛾灯あ...