• 松山航

    「7」
  • それゆけ!はにわ号

    それゆけ!はにわ号

    サイドミラーで見送った昨日の町はもう思い出さ目指すははるか遠く海の向こう君が照らす夜の向こう最高速度90キロめちゃくちゃな硬さの給油口昔は出てたんだぜ冷暖房手動で開く窓後ろでクラクションが鳴ったっておばあちゃんの原付に抜かれたって君は全然おかまいなし安定の左車線いつか君が飲み込んでしまった僕のお気に入りのカセットテープ...
  • 東京大学理科三類

    東京大学理科三類

    隣のお宅の息子さん東大理IIIに行ったとさ我が家の息子は不登校就職できませんでした馬鹿野郎明日は明日の風が吹くのだとお母さんが言ってましただけどお母さん僕なんかに本当に明日なんてあるのかな東京大学理IIIに行きたいな将来安定モテるし最高さなんで古墳シスターズていうんだろうそろそろ夢なら覚めてくれ...
  • バイバイ

    バイバイ

    こんなの簡単だぜほらバイバイ僕でもできるぜほらバイバイいつまででも元気でね君と僕はバイバイあわててもう一度目を閉じて続きを期待するけどいつも気まぐれな君のことさまたどこかに消えてしまったええと、そうだこんな感じだったっけな君が口ずさんでいたのはたしか、こんな歌だったないつもの曲がり角でバイバイ見えなくなるまでバイバイ天...
  • プチトマト

    プチトマト

    僕の育てるプチトマト横には君のプチトマト今年の夏には大きな赤い実をつけますそれなのにきみときたら遠くの町に引っ越した花壇のすみっこには風に揺れる忘れ物夕焼け空の下お行儀よく並んだままりんりんらんらんいつまでもふたりうたってるそんなところを僕は知らないそんな名前を僕は知らないよ「電車に乗っちゃえば一日だよ」なんて笑われて...
  • スタンドバイミー

    スタンドバイミー

    ほらまたそうやってこするもんだから反対側にもついたよなにがおかしいんだかまあでもどうせもうすぐ顔なんか見えなくなるしね前かごの水筒と君のライトとぼくのベルがあればまだカレーの匂いはしないなじゃんけんポンで隠れた土管の中でいつまででも待った君の足音もういいかい、もういいよぼくならここさ君もよく知ってるいつものあの場所さほ...
  • 瀬戸物語

    瀬戸物語

    明るい夜空はそりゃきれいで君が九本目の手にも気付かずにそうやっていつまででも眺めているのも仕方ないのさ君が撃ち落としたのはそう隣のタコのぬいぐるみふてくされる君と気まずそうなタコとぼくどんなセリフならいいのかなどんなメロディーならいいのかな打ち上げ花火振り返るヒロイン手にはタコちょっと難しいけど明るい夜空はそりゃきれい...
  • ハブ・ア・グッドナイト

    ハブ・ア・グッドナイト

    ゆうべ考えた名台詞はすぐ側をとおりすぎたトラックにかき消されたし予定じゃ改札の前でなかなかつないだ手を離せないのは君の役目だったのにいつもそうさひとりぼっちで眺める窓辺じゃ上手く手を離せるのになあなんでだろうひとりきりで歌ってるいつもの窓辺じゃうまく手を振れるのになあどこまでも暗い窓の向こう今夜もひとりで僕がうたうこの...