コトリンゴ
「104」あなたがそこで降りるなら
ようこそ 晴れてよかった 今日はお供しますよく知るまちの知らない顔を 探しに行こうあなたがここで降りるなら狭い路地 古い手すり何気ない会話時の進み方ああ この旅で目覚めてくからだもこころも ああようこそ 雨のまちも素敵 まあのんびり行こう久しぶりだね この駅は何も変わらないあなたがここで降りるなら光る石 隠した道この角...愛しき春を
芽吹く便り さそうあるく道 あふれゆくさえずり 小さな 笑みおとずれる春を 生きる窓あけ 風が舞いひかり 胸に 灯る木漏れ日の 道 見守る心に 咲く 言葉芽吹きの ときはちかくやさしき ひかり とどけばうたう 鳥 おどる 木々めぐりくる春を 生きるいつくしみ ときかけひらくやわらかにすける 花かおる風 ほほなで さそう...みぎてのうた
眞冬と云ふのになまあたゝかい風が吹いてゐて時をり海の匂ひも運んで来て道では何かの破片がきらきら笑ふ貴方の背を撫づる太陽のてのひら貴方を抱く海苔の宵闇すゞめのおしやべりを聞きそびれたんぽゝの綿毛も浴びそびれ雲間のつくる日だまりに入(い)りそびれ隣りに眠る人の夢の中すら知りそびれ毎日の道すらすべては踏みそびれすごい速さで記...