• 古墳シスターズ

    「13」
  • 季節を待って

    季節を待って

    いくつになって理屈になった日陰にうずくまり風を待つ色が変わるまでは荷物を背負って猫背になった冷や水 昼下がり こじ開ける報われなければ嘘だよな君を後ろに乗せてあとは風任せだよ雨を降らした雲は今はもう遠くへ風に立ち 見果てぬ海追 いかけて振り返る 景色も今は置き去りに季節を待って その季節を待って許したい いたずらに傷を...
  • サマーゴースト

    サマーゴースト

    幽霊みたいな夏でした大きな声で叫びたくて何をしてでもなんとしても一度だけでも触れてみたい傘が無いから走っていく傘が無いから走っていく傘が無いから走っていく傘が無いから走っていく幽霊みたいな夏でしたやりたいことも特になくてただひたすらに扇風機と向き合ったまま返事を待つ傘が無いから走っていく傘が無いから走っていく傘が無いか...
  • それゆけ!はにわ号

    それゆけ!はにわ号

    サイドミラーで見送った昨日の町はもう思い出さ目指すははるか遠く海の向こう君が照らす夜の向こう最高速度90キロめちゃくちゃな硬さの給油口昔は出てたんだぜ冷暖房手動で開く窓後ろでクラクションが鳴ったっておばあちゃんの原付に抜かれたって君は全然おかまいなし安定の左車線いつか君が飲み込んでしまった僕のお気に入りのカセットテープ...
  • 台風の目

    台風の目

    遠くで光って大きな雨粒落っこちて街は真っ白大きな声で叫んでも誰にも聞こえないああ!!ああ!!ああ!!あああああ!!ああ!少し不安で少しワクワクしてるここは台風の目束の間の夢逆さまの空歩く長靴世界中の時計少しさぼって今すぐ君に会いに行くからきっと大丈夫さああ!!ああ!!ああ!!あああああ!!ああ!少し不安で少しワクワクし...
  • 東京大学理科三類

    東京大学理科三類

    隣のお宅の息子さん東大理IIIに行ったとさ我が家の息子は不登校就職できませんでした馬鹿野郎明日は明日の風が吹くのだとお母さんが言ってましただけどお母さん僕なんかに本当に明日なんてあるのかな東京大学理IIIに行きたいな将来安定モテるし最高さなんで古墳シスターズていうんだろうそろそろ夢なら覚めてくれ...
  • どうかしてる!

    どうかしてる!

    息をする 100秒振りに乱れた前髪も直さないまんま誰にも気づかれないようにトンネル抜けて明日へと向かう妄想 無色透明な現実に想像 より鮮明に色を着けるからさやっぱどうかしてるねどうかしてるね自慢なんだよやっぱどうかしてるねどうかしてるね君の番だぜ小細工じゃ届かない真面目では守れない小綺麗な言葉では本当の意味じゃない隣の...
  • バイバイ

    バイバイ

    こんなの簡単だぜほらバイバイ僕でもできるぜほらバイバイいつまででも元気でね君と僕はバイバイあわててもう一度目を閉じて続きを期待するけどいつも気まぐれな君のことさまたどこかに消えてしまったええと、そうだこんな感じだったっけな君が口ずさんでいたのはたしか、こんな歌だったないつもの曲がり角でバイバイ見えなくなるまでバイバイ天...
  • プチトマト

    プチトマト

    僕の育てるプチトマト横には君のプチトマト今年の夏には大きな赤い実をつけますそれなのにきみときたら遠くの町に引っ越した花壇のすみっこには風に揺れる忘れ物夕焼け空の下お行儀よく並んだままりんりんらんらんいつまでもふたりうたってるそんなところを僕は知らないそんな名前を僕は知らないよ「電車に乗っちゃえば一日だよ」なんて笑われて...
  • ホラーマン

    ホラーマン

    信じるものなどありゃしないね失敗だらけ恥ずかしいねそれでも君を守りたいよいつだって僕は恋してるいつだって夢に見ているいつだっていつだっていつだって繋がるいつだって星は綺麗だねいつだって君を待ってるいつだっていつだっていつだって結ばれてる信じるものなどありゃしないね失敗だらけ恥ずかしいねそれでも君を守りたいよいつだって僕...
  • スタンドバイミー

    スタンドバイミー

    ほらまたそうやってこするもんだから反対側にもついたよなにがおかしいんだかまあでもどうせもうすぐ顔なんか見えなくなるしね前かごの水筒と君のライトとぼくのベルがあればまだカレーの匂いはしないなじゃんけんポンで隠れた土管の中でいつまででも待った君の足音もういいかい、もういいよぼくならここさ君もよく知ってるいつものあの場所さほ...
  • 窓辺の歌

    窓辺の歌

    どこか遠い場所までふわりと飛んだみたい帰り道は知らない僕は君のすべてを忘れてしまうことが怖くて不安になるああひとりでギターで歌を歌うんだぜ寂しくて切なくて夕暮れが掠めとった輪郭をそっと埋めるよ愛してる ほんとうさ 言えないとなガラスも溶けるくらい遥かな未来の話愛しているとか それだけの歌だとしてもああひとりでギターで歌...
  • 瀬戸物語

    瀬戸物語

    明るい夜空はそりゃきれいで君が九本目の手にも気付かずにそうやっていつまででも眺めているのも仕方ないのさ君が撃ち落としたのはそう隣のタコのぬいぐるみふてくされる君と気まずそうなタコとぼくどんなセリフならいいのかなどんなメロディーならいいのかな打ち上げ花火振り返るヒロイン手にはタコちょっと難しいけど明るい夜空はそりゃきれい...
  • ハブ・ア・グッドナイト

    ハブ・ア・グッドナイト

    ゆうべ考えた名台詞はすぐ側をとおりすぎたトラックにかき消されたし予定じゃ改札の前でなかなかつないだ手を離せないのは君の役目だったのにいつもそうさひとりぼっちで眺める窓辺じゃ上手く手を離せるのになあなんでだろうひとりきりで歌ってるいつもの窓辺じゃうまく手を振れるのになあどこまでも暗い窓の向こう今夜もひとりで僕がうたうこの...