• 高石正三

    「2」
  • 歌

    沈む夕陽は 朝陽になって明日の幸せ 連れてくる渡るこの世は つらいけどこころ励ます 歌がある希望(のぞみ)捨てずに 男坂歌とみちづれ 越えて行く郷里(くに)を出てから 幾年(いくとせ)過ぎたおさな馴染みが 目に浮かぶ遠い初恋 偲ぶ夜はむかし懐かし 歌がある今が青春 男酒歌を肴に 飲み明かす提げた手鍋で 煮込んだ夢を糧に...
  • 花紅葉

    花紅葉

    吐息で曇った 硝子の隅に妻とちいさく 書いて消す窓の向こうは 山ばかり明日を照らす 夕陽も見えないわあなたの愛に すがりつき燃えてこぼれる 花紅葉運命が隠した ふたりの春を泣いて捜した 夜もある寒い季節は つらいけど陽溜りあるわ あなたの胸の中別れの朝が 来る前に命染めます 花紅葉湯上がり湯の宿 湯冷めをしても肌を寄せ...