• 高城靖雄

    「4」
  • ああ…あの日の三陸

    ああ…あの日の三陸

    夕陽が山に 落ちる頃オヤジの船を 見送ったそのうちお前と 二人して沖へと出るのが 楽しみとあの日と同じ 手を振った拳を振り上げ 手を振った三陸海岸 オヤジとの別れとなった 春の海静かに波打つ 風が吹く海など見たくも ないけれど今頃…あなたが唄ってた牛追い唄など 口ずさむヤ~エ~ ヤ~エ~山背の風に 舳先向けしばらくぶり...
  • 男龍

    男龍

    あばれ太鼓に 龍が翔ぶ熱い男の 龍が翔ぶ白い綿布(さらし)を つき破り惚れた女子(おなご)の 乳房(むね)ん中どんどん せっせ どんせっせ山がぐらりと ゆれるほどどんどん せっせ どんせっせ男 いのちの 昇り龍男の汗みだれ三味の音 龍が哭く赤い火を吹き 龍が哭く二尺三寸 胸板に抱いた女子(おなご)の 活造りどんどん せ...
  • 幸福予約

    幸福予約

    切れてなかった 絆の糸は思いがけない めぐり逢いやはりお前も 別れた後で捨てなかったか 鍵だけは愛の暮しを もういちど今度こそ 今度こそ二人の名前で 幸福予約冷たかったろ 世間の風はひとり歩きの 女には縫ってやるとも 時間をかけて残るこころの 傷あとは愛の続きを 始めからもう二度と もう二度と取り消し出来ない 幸福予約...
  • 倖せまわり道

    倖せまわり道

    あなたの背中を はぐれぬように陽の差す 坂道 ふたり道苦労目隠し 昔のことは可愛いい女に なれそうだからしあわせの神様は どこかで見てるまわり道して きたけれど綺麗な花より やさしい花であなたの 心に そっと咲くやっとつかんだ 小さなあした人生晴れても 雨降る日でもしあわせの神様は どこかで見てるまわり道して きたけれ...