• 高田美和

    「1」
  • 十七才は一度だけ

    十七才は一度だけ

    谷のりんどう 山の百合枝にないてる 鳥の声指にちらつく 葉もれ陽にゆれるほのかな 胸のうち十七才は一度だけ十七才は一度だけ草のささやき そよぐ風水によじれる 白い雲あわくもえたつ 恋の芽をひとり抱きしめ 歩く道十七才は一度だけ十七才は一度だけ月のやさしさ 森の影遠くうるんだ 窓あかり耳になじんだ 水車までなぜか嬉しい ...