• 塚本晃

    「1」
  • 風をあつめて

    風をあつめて

    街のはずれの背のびした路次を 散歩してたら汚点だらけの 靄ごしに起きぬけの路面電車が海を渡るのが 見えたんですそれで ぼくも風をあつめて 風をあつめて蒼空を翔けたいんです蒼空をとても素敵な昧爽どきを 通り抜けてたら伽藍とした 防波堤ごしに緋色の帆を掲げた都市が碇泊しているのが 見えたんですそれで ぼくも風をあつめて 風...