• 鳴海日出夫

    「1」
  • さざん花の歌

    さざん花の歌

    さざん花はひそかにも 咲いている霜白く 庭の垣根に おりた朝母のおもかげ しのばせてさざん花はあの時も 咲いていた幼ない日 落葉をたいた けむにむせ泪誘われ 泣いたときさざん花は音もなく 散っているたそがれに 落葉を焚けば 流れゆく煙り哀しい 白い花...