• のうじょうりえ

    「42」
  • 映画の途中に抜け出して

    お風呂上がり服も着ずに座る時間もなく母からもらった梨をピーラーで剥いてナイフで食べたわたしはボディーソープの香りを纏ったまま君の元へ走ってく女の子らしさを取り繕い映画の途中に抜け出してそっと そっと君が横を向いたときに分かりやすくなるまつ毛の長さと通った鼻筋触りたくなるほっぺたぎざぎざの歯並びの悪さ片耳にしたイヤリング...
  • さよならグリーン

    いつも通りの朝が来るのは幸せなことなんだよ部屋に陽が差し込んで花に水をやるきらきらしたベランダに眩しさすら覚えてこんな日々が続けばと思ってしまったこれを祈りだと君は言うけどなんだかそう思えないさよならグリーンいつまでも青々しくいられない耐えらんないわたしを嫌いになっていくこと腐る前に逆さまにして綺麗に飾っておきたかった...
  • 忘れないで

    夜の公園サッカーボール一つぽつんと どうしたのか置いていかれたのか、と考えたら自分のことも心配になった上には上がいて周りと比べる事もやめられないくよくよして思うようにできないこのままじゃダメだ 分かってはいるけれど風に吹かれたサッカーボール 転がっていってしまった動きだすことは少しの力があれば出来るのかもしれないゆっく...
  • 当たり前な歌

    当たり前な歌

    明日になったら核ミサイルが飛んでくるなら今日は君の顔を見て眠ろうただシンプルに幸せと手を離さずにいられるようにそうするにはここはぎゅうぎゅう詰めで入る隙もなくなりそうなんだあなたが心から幸せになれるように胸を張って幸せなんだと聞かせてみせてよそうすればこの心もきっと少しは満たされるのでしょう明日になったらあの星が降って...
  • 高円寺にいたら売れないとか

    高円寺にいたら売れないとか

    高円寺にいたら売れないとかいうけれど路上ライブでカバーはやらないそんなに器用になれないから自分の歌で食えなくなったら大人しくバイトするとはいえ迷子になったりして今では人が好きかも分からないけど自分が救われた音楽で今度はあなたを支えられるようにとはずっと思ってる傘を忘れたあなたの雨宿りになるようにギターを弾いている待ち合...
  • 3343

    3343

    片方の目だけじゃ隠れてしまうのに両方の目があれば分かることもあるんだねどうでもいいと言いながら引きずって気付かないフリもできない考え過ぎだと馬鹿にする笑顔の横に君の涙は同席して君のさみしさと僕のさみしさ合わせしあわせになれるかな計算式を知らない僕らは寄ってたかって解こうとしたけれど答え合わせできずじまい片方の靴だけじゃ...
  • 人間らしい暮らし

    人間らしい暮らし

    誰かが言っていた人間らしい暮らしとは正しく生きる事だと人には人の正しさがそれぞれあるから暮らしは誰のものにもできないあの子が聞いたらまた嫌われちゃうなでもね、わたしだってあの子の言うことは好きじゃないの丁寧な暮らしなんてこれっぽっちもしたくないが人間らしく暮らしたい人間らしい暮らしがしたいそれでいいんじゃないそれがいい...
  • 春の日に

    春の日に

    いつのまにか大切だった事も大好きだった事も忘れてしまうのかもしれない先の事なんて分からない桜の木だから春に桜が咲くのだろうとそれも今は多分としか言えないわたしはまだ早い春の雨らしくない見た目になった夏も秋も冬も誰かがその「多分」を待っていた確実な事はきっとない絶対も永遠も約束できないここまでと決めて絶望して終わらせてし...
  • モンスター

    モンスター

    部屋に住むモンスター同居して4年程何度引っ越しても絶対についてくる忙しいとすぐに散らかすしいい加減いい子にして欲しいけど4歳の君は分かってくれないみたいモンスター 部屋に住む僕は君が苦手だそんな風にされたら逃げてしまいそうだよ部屋に住むモンスターものすごく美人だったらなそしたら毎日早く帰る君を想像しながら生活してみる残...
  • 赤と青のかき氷

    真夏の夜の夢君と過ごしたあの日からなんだか上手く眠れなくて惚れ薬より君を嫌いになる薬が欲しい海風ですぐ消える花火砂浜に打ち上がった魚流れ着いたどっかの小枝全部、全部、思い出だった赤と青のかき氷君はきっと、今しかいない赤と青のかき氷言いたいけれど溶けていった真夏の夜の夢あの人と結ばれないと君は生きていけないの?ハッピーエ...
  • アスファルトの蝉

    あの言葉を 刺さる棘を痛い 痛い 心に突き刺さる思わず俯く夏のアスファルト茹だる暑さと冷たく 冷たく 横たわる蝉を見て足を止める生きてゆくことは思っていたよりも辛いこと蝉のようにあのアスファルトで眠り楽になれたなら悲しいのは君のせい悔しいのは君のせい誰かのせいにしたいんだそれが1番楽だからあの言葉は刺さったままでうるさ...
  • なんとなく

    なんとかなるだろう なかったらないでなくなってみないと分からないけれど煙草に火をつけて対して吸えないくせに思い込みで良かったスイッチが必要でなんとかなるだろう なかったらないでそんなものに限って大切かもね外に出掛けたいなまずは支度しなくちゃやりたいことをやるのにも準備が必要でラジオみたいにテレビをつけてユニットバスにお...
  • 日曜日の憂鬱

    明日は仕事に行かなくちゃ日曜日が来た来たと思ったら終わるんだろう時間の流れは早い1日の予定を立てようかいやなんとなく過ごそうかひとまず携帯を見てみようやっぱりいないどこにもいない数字の中にあなたはいないじゃあ忘れて1日の予定を立てようかいやなんとなく過ごそうかいつでもあなたが入り込めるようにさん付けも敬語もまだ抜けない...
  • 魔法使い

    書きたい時にボールペンは見付からない欲しい時に探し物は見付からない会いたい時あの人はここにいない全部わたしの独り言残ったコーヒーさっきより飲み辛い君は優しい人だから魔法であり呪文である言葉あなたは魔法使い本当は尋ねてみたかった飴はもう全部食べてしまったの残ったコーヒー 誰のせい飲み辛くなったのは消したい時に消しゴムは見...
  • 花瓶

    変な形をしていたねわたしは花を飾ろうと他にはないものを探してこれしかないとのろけた思えばあの時から少しばかりの無理をしていつからか君はこの花瓶を見てくれなくなってたな君を失ったそれだけで自信をなくすわたしさ君を失ったそれだけのビビで壊れるわたしさ触れたら落ちて掴もうとしたのに待ってはくれない間に合わなくて もうおしまい...
  • 期待

    傘を刺しておくれよ外に出たら雨が降ってる部屋に入れておくれよあなたが住む部屋の中中にいたら少しだけ楽になれるから甘やかしてくれても良いでしょう傘を刺しておくれよ2つはいらない1つがいい部屋に入れておくれよ散らかったままがいい中から外を覗いたら安心できるのここにいれば大丈夫って思わせて暑くなることもない寒くなることもない...
  • この感じ

    少しお腹が痛いもどかしい感じ虫に刺された後のむず痒い感じ仕事に出かける前の気分が悪い感じ飴を丸ごと飲み込んでしまったあの感じ君が帰ってきたときに素直なわたしがいますようにどれが正しいとかかっこよく見えるようにとかそんなことよりもっと大事なこと伝えたつもりだった気持ちはつもりじゃ伝わらなかった渡せなかった手紙のようなこの...
  • どうか死ぬときは

    どうか死ぬときは人生で一番最高でありますように寝転んでタバコを蒸したらまるでお線香になったみたいいつか本当に燃えるときわたしは間違えていませんかこんな気持ちをどんな顔で話そうか歌おうか幸せでも不幸でもどちらでも正直良いのですどうか死ぬときは人生で一番最高でありますように寝ぼけて書いた 詞の跡はダイイングメッセージみたい...
  • こけら落とし

    見えないものを見ようとして言えない事が増えていく想像した世界を見てみたくて騒々しい世界にやってきた道なき道を歩いても人なき道は荒れ放題誰も着いて来てくれないなら何も無い道に元通り慣れない事をしようとして成りきれない僕は苦悩するいらない自分のかけら落としなりたい自分のこけら落とし愛しかない現実だと僕は言う愛は幻想だと君は...
  • わたしは優しくないからね

    わたしは優しくないからね一度でも浮気したならばわたしは優しくないからね今日付けで浮気し返すわわたしは優しくないからね女と終電逃したらわたしは優しくないからね根に持ちネトストしまくるよわたしは優しくないからねごめんだけでは許せないわたしは優しくないからね言葉だけなら許さないわたしは優しくないからね視界に入れたくなくてLI...