• 野坂昭如

    「26」
  • 生キ残レ少年少女

    生キ残レ少年少女

    ひどい世の中じゃー こわい世の中じゃー信じられるのはオコメだけ信じられるのはオコメだけひどい世の中じゃー こわい世の中じゃー少年少女生キ残レ オコメを信じて生キ残レ哀しい想い出ハングリーネバネバ・ノーモア・ハングリー愛農 愛農 愛農農農 農協ー 農協ー女はアイキョー 坊主はオキョーオコメのことなら ノーキョーAGRI!...
  • 男坂・女坂

    男坂・女坂

    星も見えない この世の闇にあなただけです 観音さまは泣いて拝んで また泣いて登り続ける おとこ坂ああ 人生 男坂可哀想ねエ 痛々しいワ今夜は やさしく やさしくしてあげるゥ花も咲かない この泥沼であなただけです 弁天さまは浮いて沈んで また浮いてかよい続ける おんな坂ああ 人生 女坂可哀想ねエ 痛々しいワ今夜は やさし...
  • おんじょろ節

    おんじょろ節

    さみしい桜の ひるさがりほーそい小指を からませて行くの それとも 行かないの男と女の けものみちおんじょろ おんじょろ おんじょろおとこも おんなも おんじょろとんびがクルリと 輪をかいたやさしい 柳の あめあがりなーがいまつ毛に つゆためてくれるの それとも くれないのあなたの心の 部屋の鍵おんじょろ おんじょろ ...
  • かもめの3/4

    かもめの3/4

    読みかけの ドラマ閉じてバランバラン バランバラン波止場ひとり歩くバランバラン バランバラン酔いどれの舟は出てゆく俺の心だかもめ かもめサヨナラかもねかもめ かもめまた逢うかもね食べかけの リンゴ投げてバランバラン バランバラン暗い海をみつめバランバラン バランバラン酔いどれの舟は出てゆく俺の心だ死にかけの 祖国さらば...
  • 九段の桜

    九段の桜

    一段のぼって 国のため二段のぼって 君のため三段のぼって 村のため四段のぼって 家のため五段のぼって 旗の波六段のぼって あの息子七段のぼって 母は来た八段のぼって なに見えたなに見えた九段の桜は 散りました靖国神社 カラッポ靖国神社 カラッポポポポッポ 鳩ぽっぽポポポッポ 鳩ぽっぽ...
  • 黒の舟唄

    黒の舟唄

    男と女のあいだには深くて暗い 河がある誰も渡れぬ 河なれどエンヤコラ今夜も 舟を出すRow and RowRow and Row振り返るな Row-Rowお前が十七 おれ十九忘れもしない この河にふたりの星の ひとっかけら流して泣いた 夜もあるRow and RowRow and Row振り返るな Row-Rowあれか...
  • コカコーラ小唄

    コカコーラ小唄

    想い出します 敗けた日あの日スカっとさわやか 夏の空青いあこがれ アメリカさんの心にしみこむ 恋の味ああ コカコーラ コカコーラせめてひとくち コカコーラ渡る世間は 三角四核妬くなやきもち 破れ傘どんと出し抜け 小癪なペプシコークと呼ばせた 夜もあるああ コカコーラ コカコーラままよ飲み干せ コカコーラ時は流れる 想い...
  • サメに喰われた娘

    サメに喰われた娘

    夏が来るたび想いだす夏が来るたび想いだすサメに喰われたあの娘ああ、かわいそうだよあの娘白いしぶきの砂浜に赤いサンダル残してサメに喰われたあの娘ああ、かわいそうだよあの娘青い海に 夕日が沈むほんとにサメが食べたのかほんとにサメが食べたのか誰も知らない…誰も知らない…夏が来るたび想い出す島に来るたび想い出すサメに喰われたあ...
  • 終末のタンゴ

    終末のタンゴ

    ドンナ人間ニモカナラズ終リハ来ルドンナ世ノ中ニモカナラズ終リハ来ル美シイ人モ 勇マシイ人モヌケメナイ人モ イツカハクタバルソノ日ノタメニ キタエテオコウキミノ覚悟ノスベテヲ自殺・他殺・虐殺ドンナ愛情ニモカナラズ終リハ来ルドンナ恍惚ニモカナラズ終リハ来ル大キナ人モ 短イ人モシツコイ人モ イツカハ果テルソノ日ノタメニ キタ...
  • ソ・ソ・ソクラテス

    ソ・ソ・ソクラテス

    ソ・ソ・ソクラテスかプラトンかニ・ニ・ニーチェかサルトルかみんな悩んで大きくなった大きいわァ大物よォおれもおまえも大物だァそうよ大物よォシェ・シェ・シェイクスピアか西鶴かギョ・ギョ・ギョエテかシルレルかみんな悩んで大きくなった大きいわァ大物よォおれもおまえも大物だァそうよ大物よォ...
  • 大禁酒ブルース

    大禁酒ブルース

    オサケやめましたオサケやめましたイロイロ考えてオサケやめました酒は ニンゲン ダメにするオサケ やめましたオサケやめませうオサケやめませうヨッパライはメイワクだオサケやめませう酒は 地獄の 天国だオサケ やめませうオサケ やめましたオサケ やめましたオンナもいらないよオサケやめました酒は ウソツキ ロクでなしオサケ や...
  • 大懺悔

    大懺悔

    雨フルナ 雨フルナ親ガ死ンデモ雨フルナ 雨フルナ菊ガ枯レテモドウセ戻レヌモノナラバ想イ出ナンカ棄テチマエフルサトナンカ棄テチマエ酒ノメ 酒ノメ カラカラカラ 辛酒雨フルナ 雨フルナ山ガ焼ケテモ雨フルナ 雨フルナ川ガ涸レテモ兎モ小鮒モ絶エハテタ枯レ田ニャ鳥勘三郎フルサトナンテ燃エチマエ風フケ 風フケ カラカラカラ 落葉松...
  • 大脱走

    大脱走

    ズルイ奴だとお笑いでしょうが人間逃げ足の早い奴ほど長もちするのじゃござんせんか?車を捨てて マンション捨てて逃げ出せ 逃げ出せ ゴタゴタいうこたないさ仕事を捨てて 女房捨てて逃げだせ逃げだせ 命が大事だよォ人間人間もともと ハダカカネもメイヨもメンツもギリもみんな捨ててステテコシャンシャン命が大事だよォー沖縄捨てて ア...
  • 大挽歌

    大挽歌

    ねむれ ねむれ 少女雪のなかにねむれ ねむれ 少女春はまだおまえの残した ハイミナールおまえの残した 手紙おまえの言葉の やさしさがぼくを 苦しめるねむれ ねむれ 少女雪のなかにねむれ ねむれ 少女春はまだおまえの愛した デモクラシーおまえの愛した すみれおまえの匂いの やさしさがぼくを 苦しめるねむれ ねむれ 少女雪...
  • 凍原哀歌

    凍原哀歌

    夏ハ死ンダヨー 夏ハ死ンダヨー寒い国だぜ この国は草木も花も 育ちゃせぬお天道さまは 高すぎて氷も雪も 溶けやせぬツンドラ ツンドラ 哀しみは骨の髄まで凍みとおるツンドラ ツンドラ 踏みやぶれもっと寒い冬よ 来い夏ハ死ンダヨー 夏ハ死ンダヨー俺のこころの ツンドラのおまえは短い 夏だった雲の切れ間の 青空に咲いてた花は...
  • 突撃一番どんまいエイズ

    突撃一番どんまいエイズ

    オトコとオトコの間にはエイズと呼ばれる川があるエイズ哀しや憎らしや愛もチヂムし身もチヂムオンナとオトコの間にもエイズと呼ばれる川があるエイズ哀しや憎らしや愛はエイズに負けるのかNO!NO!NO!NO!NO!どんまいどんまい エイズどんまいどんまい エイズ正義の味方 コンドーさん突撃一番 どんまいエイズWAR!WAR!W...
  • 野坂唄之新古今集~秋「紅葉」

    野坂唄之新古今集~秋「紅葉」

    逢いたくて 逢いたくてこころももみじ みももみじ逢いたくて 逢いたくてこころももみじ みももみじもみぢ…もみぢ…あきかぜたったの ひとふきでちるちる みちる もみじがわまっかな まっかな 紅葉川死にたくて 死にたくてこころももみじ みももみじ死にたくて死にたくてこころももみじ みももみじもみぢ…もみぢ…あきかぜたったの...
  • 野坂唄之新古今集~夏「蛍」

    野坂唄之新古今集~夏「蛍」

    ぼうぼう のっぱらにおしゃかさま なんにんぼうぼう のっぱらに電信 ばしら なんぼんぼうぼう のっぱらに日が落ちる水をさがして 草のなか天のほたる 地のほたるてん てん ち ち ちてん てん ち ち ち手のなかに 消えたあついあつい 夏の日つめたいつめたい ほたるぼうぼう のっぱらにやけた瓦 なんまいぼうぼう のっぱら...
  • 野坂唄之新古今集~春「花」

    野坂唄之新古今集~春「花」

    はらはらと はらはらと桜ちります はらはらとひりひりと ひりひりと傷はしみます ひりひりとほろほろ 春のおもいではぽろぽろ涙 こぼれますふらふらと ふらふらと町へゆきます ふらふらとへろへろと へろへろと酒はしみます へろへろとほろほろ 春のおもいではぽろぽろ涙 こぼれます...
  • 野坂唄之新古今集~冬「雪」

    野坂唄之新古今集~冬「雪」

    雪は千年 ふりつもるほろびた やねに ふりつもるいのち ねむらせ まっしろけのけおもい そらだよ まっしろけのけ雪は千年 ふりつもるほろびた こいに ふりつもるつもる おもいも まっしろけのけかがみの なかまで まっしろけのけ雪は千年 ふりつもるほろびた くににふりつもるまつの木 すぎの木 まっしろけのけないた からす...