ノノ(橋本晃太朗)
「3」輪廻の軛
蓮池に映るは無常なる世の儚さ夢を踊る蜉蝣死の間際に弧を描いて毀(こぼ)れ堕ちた光る世界を目に焼き付け 消えゆくすべて些事(さじ)なることその痛みを譜(うた)う業(カルマ)深い闇に 無数の羽音空に響く 渇いた嘆き永久(とわ)に眠れ翅(はね)を失くして現(うつつ)の世に堕(だ)して刹那の時を地を這うように生きて罪の重さで奈...堕ちゆく蓮の花びら輪廻を見つめて
仄暗(ほのぐら)い深淵(しんえん)が横たわる地の底に蠢(うごめ)くは烏合(うごう)の衆(しゅう)蓮池の花は静かに佇む生命(いのち)の刹那(せつな)を見つめて繰り返す不毛(ふもう)の年月(としつき)に このまま終止符(しゅうしふ)を繰り返し積み重なった戯言(ざれごと)には 消滅を一滴(ひとしずく) そのまま 堕ちゆく絶望...涅槃寂静
絶望さえも呑み込む寂静五月蠅い譜はいらない地獄へ堕ちてゆけ安息を掻き乱す悪行愚かな罪人に 相応しき報いを果てなく続く罰と 苦悶の闇手を伸ばして掴んだ細い糸を嘲嗤うかのように断ち切った涅槃の海を漂う心希望の譜はいらない奈落で罪を知れ耳障りな聲を鳴らし続けるならせめて無聊の慰めに轟く阿鼻叫喚 悲嘆の波寄り縋って掴んだ醜い手...