NOVELS
「22」息もできないほど
息もできないほど深い闇の底にいたって何か掴めそうなんだこの夜の向こうなら環状線を走って行ったバイクのブレーキ音が今日は悲鳴のようだったこの世界に後悔なんてひとつもなかったら幸せは容易いかな?君はどう思う?もう過ぎた過去を不安がって見えてるものを遮って切った君の髪さえ気付けずにいたんだ自分の中の規則をぶっ壊したい でもそ...鏡の国の二人
誰かになろうとして誰にもなれなかった僕らはずっとそれを痛んでいて歩き出してしまった理由も誰かのせいにしている胸の奥に何かがあってそいつがいつも邪魔をするんだ吐き出したくて口を開いた溢れてくるのは偽りの僕の詩だった 傷を忘れるための詩だった心の弱さを守るための詩だっただけどその名もない詩に助けられてもいたそしてそれが懐か...The Cave
とある時どっかの国の誰かさんが言う孤独から僕らはずっと逃げられないんだよ白波の様に襲うそれは人波の中にこそあるんだとそれを聞いてどっかの国の誰かさんが言う「名前も知らない人=恐怖」なんですこの法則から逃げているんでしょう孤独へと僕らはずっと逃げているんでしょう?雨粒数えて切なくなるのは涙に似ているからこころにバケツはひ...THE SINGING
終わってしまった映画を見ている君はいつもそう呟いていた止まってしまって動かない恋は鍵を失った子供の様だね形だけを求めていたら曖昧な感情を重ねた僕は夢から覚められないそこから見えるかい変わっていく僕らの心に刻んだ紋章見えない鮮血が笑ったことを覚えているんだ笑った君を覚えているんだ雨が止んで傷が治るそれでいいよ充分だどうし...ネメシス
断ち切るよ 君の痛みの元をリダクションしたくて繰り返した台詞を 僕は光をかざして救った気になっていた愛情のエクスプレッション いや何か歪んでるんだ 何か嘘っぽいんだI know 僕は僕を好きでいるために君を利用していたんだ地平線の向こうに何もなくても行こう 手を離すなって今なら言えるかな君の中にある世界を全て僕の物にし...星の標本
あの青い星を越えて 君に会うために来たんだ少年はキツネの子供にそう言った夜の隙間で一人の夜を見てたから今まで生きてこれたんだ魔法に触れた様な今日をすぐには信じられないよ泣き出しそうなその横顔に 優しい彼は笑顔でこう言った友達になる事は簡単さ約束をするんだ一人の夜もこれからは何を見ても君を思い出す綺麗な星を見た時はきっと...ラストレジスタンス
砂漠の真ん中で今消えかかってる僕らの足跡など誰も知らないここから眺める景色は乾いた世界二人で慰め合う日も悪くはない頬を濡らすのは雨じゃなくても虹の層のような夢を見るのさ太陽と地平線 滲んでいくオレンジはどこか暗い底の方を温かくして胸の奥で広がって優しさをくれるんだ僕たちが目指してるものが綺麗じゃなくても心が乾ききって今...レムリア
ハロー あの話をしよう どこから話そうかあれはもうずっと続いていた嵐がベランダに出た一人の女の子を見て嘘のように止んだ日のこと彼女は急いで靴を履きそこから二マイル程離れた森を目指した存在もしない一人のためだけに昨日の夢の中で見た それだけなのにまるで約束していたかのように名前も知らない友達に会うためにある朝 男の子は静...惑星パーティ
忘れていくことだって 僕ら慣れてしまうけど日々大切に生きるってことに変わりはないんだこだわって傷つけといて特に意味はないんだ今更だけど謝るよ 君はいつも正しかった僕が君を好きなことや 好きだったもの達や名前を付けた猫のことや 愛された思い出も忘れたくないんだよ僕はいつかはどうせ死んじゃうんだとしても何を残せるんだろう ...umbrella
簡単に降り出した雨が彼女をペシミスティックに変えた鍵穴はひとつじゃないから論理の飛躍が必要なんだ抗生物質を頭に打ち込もう金属音が消えるなら何度だって変わりゆく誰かを変われない誰かが笑う滑稽なメガロマニア傘を探せ燦燦と泣き出したスピーカー シンクの海に波紋を作った抜け殻の攻撃を防いでも温度が彼女を知っているんだアドレナリ...Wiz
物語は今終りかけているけれどこの記憶や傷が消えたりしないように祈りながら繋げたビーズの束、迷った時のために蒔いて無くしたBut I still like you. This is never lost会えない時には会えた気になるようにおはようとかおやすみとか唱えるような気持ちが僕らを導く灯台のようになりますように思う事...グーイグーワ
例えば夜空のあの色が急に 黄色くなったら 月はどう思う見えないくらいならせっかく照らしても意味が無いやと消えてしまうかないやきっと見えていたっていなくたって月はこの星を照らすだろう見えないことには意味が無いなんて歌君に聞かせたくないんだよ例えば君がいつか居なくなってしまう日なんて想像するだけで怖くなるけどいつかは消えて...コーカス・レース
その鳥が隠れてしか鳴けないのは聞こえないふりされるのが怖いから共感されない孤独を恐れたとき飛ぶことさえやめたの でも優しくなれたのかな 歩いたその間に誰もがきっと別の場所を目指す中であのウサギが聞こえないふりしているのは自分の見え方を知るのが怖いから見えない傷の在り処が痛むときはその両目を赤くして泣いていたでしょう優し...心細胞学
光学顕微鏡でも覗けはしない世界瞼を閉じ さぁ探しに行こうアスファルトの上 傘の真下 叩いた雨音が奥の方で響いた想像してた以上に深い闇の中をライトも持たずに一人ぼっちで微かな音を頼りにして進むしかないのは誰にも見れない場所だからつまずいたって怖くないよだってそれはずっと前に僕が隠したもの足りないものを与え合う そういうも...双生児
それは君の友達ですいつも君の傍にいます身近過ぎて喧嘩もしますけど一緒に泣いてくれもします貰ったものはいつの間にか使い切ってしまいました「それじゃあ はい これ新しいやつ」そうなるなら悩みはしないけどもしも愛が水のように消費されていくものだとしたらその小さな体に2人じゃあ 奪い合うしかないもんな君は君を嫌いだと言ったでも...星と君とマーブル模様のこと
初めて立って歩き出したときをそこに無いものが欲しかったことを忘れずにずっと覚えていられたとしたら傷つくことなど恐れずいれただろうか心は頭の中にあるのにどうして胸が痛むんだ始まりと共に終わりはあるのに 僕らは大きくなった思い出をいつも探して本当に嘘のようなことが起こるのは君の命をこの星は忘れたりしないから月の欠片だと思っ...Mouth of providence
どうにでもなるというなら それを証明してみろ人類崩れそうになる度に何かを 踏みにじってここまで来たんでしょう?中途半端に齧った林檎は 業と知識を加えて プライスレスたった数ミリくらいの善巧を 遥か永遠のような詭弁にしてSo please show me the truth right now Tell me whyIn...遊星オペラサーカス
シーソー ブルーの滑り台 水銀灯見えやしないよ星なんて 湿った土の音UFO 未来人 実在しない言葉遠い世界の話しで笑い合った夕暮れ暗闇は色を呑み込んだ酸素 無重力 側頭葉3D空とブランコ近づいた夜の片隅正体不明の感情と月が似ていた あれは単純な理由じゃなかったね僕らは解っていたから 楽譜に君を隠した手を伸ばしても掴めな...