• 北島三郎

    「202」
  • 東京の空

    東京の空

    鞄(かばん)ひとつと 不安を胸に津軽海峡 渡ったあの日親には心配 かけるまい戻らぬと 戻らぬと 誓ったあの日七転八起(しちてんはっき) いばら道夢にまで見た 東京の空雨の降る日も 苦労の坂を一期一会(いちごいちえ)の 出逢いと縁(えにし)かならずこの花 咲かすまで頑張ると 頑張ると 誓ったあの日一念発起(いちねんほっき...
  • おやじの言葉

    おやじの言葉

    昨晩(ゆうべ) おやじの 夢を見た変わりないかと 優しい声が自分を信じて 歩いて行けとおやじの言葉今でも心に 忘れない春は おやじの 旅立ちに泣いて別れた ふるさとの道兄妹仲良く 助けてやれとおやじの言葉今でも心に 忘れないいつも おやじの 面影を思い出すたび 見上げる夜空心配するなよ 守っているとおやじの言葉今でも心...
  • 季節は流れて

    季節は流れて

    意地を張らずに ごめんなと云えば良かった あの時は辛い想いは この胸に抱いて今夜の 夢で逢うすまぬ気持ちを アー 伝えたい一人ぽっちの寂しさは俺もお前も お互いさ春を待たずに 背を向けた呼んでみたって 届かないせめて達者で アー いてほしい愚痴や未練は 語らずに明日(あす)の倖せ 追いかけて強く生きると 見上げれば秋の...
  • 哀愁列車

    哀愁列車

    惚れて 惚れて惚れていながら 行くおれに旅をせかせる ベルの音つらいホームに 来は来たが未練心に つまずいて落す涙の 哀愁列車燃えて 燃えて燃えて過した 湯の宿にうしろ髪ひく 灯がひとつ今宵逢瀬を 待ちわびる君の幸せ 祈りつつ旅にのがれる 哀愁列車泣いて 泣いて泣いているのを 知らぬげに窓は二人を 遠くする堪えきれずに...
  • 逢いたかったぜ

    逢いたかったぜ

    逢いたかったぜ 三年ぶりに逢えてうれしや呑もうじゃないか昔なじみの 昔なじみのお前と俺さ男同士で 酒くみかわす町の場末の…‥ 縄のれん生まれ故郷の 思い出話今宵しみじみ語ろじゃないか昔なじみの 昔なじみのお前と俺さ今度あの娘に 出逢ったならば無事でいるよと…‥ 言ってくれ誰が流すか ギターの唄に遠い思い出偲ぼじゃないか...
  • 憧れのハワイ航路

    憧れのハワイ航路

    晴れた空 そよぐ風港出船の ドラの音(ね)愉(たの)し別れテープを 笑顔で切れば希望(のぞみ)はてない 遥(はる)かな潮路ああ 憧れのハワイ航路波の背を バラ色に染めて真赤な 夕陽が沈む1人デッキで ウクレレ弾けば歌もなつかし あのアロハオエああ 憧れのハワイ航路とこ夏の 黄金月(こがねづき)夜のキャビンの 小窓を照ら...
  • あの娘が泣いてる波止場

    あの娘が泣いてる波止場

    思い出したんだとさ逢いたく なったんだとさいくらすれても 女はおんな男心にゃ 分かるもんかと沖の煙を見ながらああ あの娘が泣いてる 波止場呼んでみたんだとさ淋しく なったんだとさどうせカーゴの マドロスさんは一夜どまりの 旅の鴎と遠い汽笛を しょんぼりああ あの娘は聞いてる 波止場なみだ捨てたんだとさ待つ気に なったん...
  • 雨のブルース

    雨のブルース

    雨よふれふれなやみを 流すまでどうせ涙に 濡れつつ夜毎なげく身はああ かえり来ぬ 心の青空すすり泣く 夜の雨よくらい運命にうらぶれ果てし身は雨の夜路を とぼとぼひとりさまよえどああ かえり来ぬ 心の青空ふりしきる 夜の雨よ...
  • 大江戸出世小唄

    大江戸出世小唄

    土手の柳は風まかせ好きなあの娘は口まかせええ しょんがいなああ しょんがいなきりょう良いとて自惚れなどうせ一度は散る花よええ 風が吹くああ 風が吹くどうせ散るならこのわしになびく気持ちはないかいなええ ままならぬああ ままならぬ無理になびけばそりゃ野暮よなびく時節が来るまではええ かまやせぬああ かまやせぬ雨が降ったら...
  • 大利根月夜

    大利根月夜

    あれを御覧と 指差すかたに利根の流れを ながれ月昔笑うて 眺めた月も今日は今日は 涙の顔で見る愚痴じゃなけれど 世が世であれば殿の招きの 月見酒男平手と もてはやされて今じゃ今じゃ 浮世を三度笠もとをただせば 侍そだち腕は自慢の 千葉仕込み何が不足で 大利根ぐらし故郷(くに)じゃ故郷じゃ 妹が待つものを...
  • 落葉しぐれ

    落葉しぐれ

    旅の落葉が しぐれに濡れて流れ果てない ギター弾きのぞみも夢も はかなく消えて唄もなみだの 渡り鳥酒にやつれて 未練にやせて男流れの ギター弾きあの日の君も かえらぬものを呼ぶな他国の 夜のかぜ暗い裏町 酒場の隅がせめてねぐらの ギター弾き灯かげもさみし 螢光燈のかげにしみじみ 独り泣く...
  • お月さん今晩は

    お月さん今晩は

    こんな淋しい 田舎の村で若い心を 燃やしてきたに可愛いあの娘は 俺を見捨てて都へ行っちゃったリンゴ畑の お月さん今晩は噂をきいたら 教えておくれよなァ憎い女と 恨んでみたが忘れられない 心のよわさいとしあの娘は どこにいるやら逢いたくなっちゃったリンゴ畑の お月さん今晩は噂をきいたら 教えておくれよなァ祭りばやしを 二...
  • おやじの海

    おやじの海

    海はヨー 海はヨーでっかい海はヨー俺を育てた おやじの海だ沖で苦労の シラガも増えて汐のにおいが はだ身にしみたそんなおやじが いとおしい今はヨー 今はヨー静かな海もヨー一度荒れたら 岩をも砕くシブキ立ちこめ 打ち寄す波に右にてぐすを 左でろこぎつらい漁師に たえて来た空のヨー 空のヨー入道雲がヨーどこか似ている おや...
  • おんなの宿

    おんなの宿

    想い出に降る 雨もある恋にぬれゆく 傘もあろ伊豆の夜雨を 湯舟できけば明日の別れが つらくなるたとえひと汽車 おくれてもすぐに別れは くるものをわざとおくらす 時計の針は女ごころの かなしさよもえて火となれ 灰になれ添えぬ恋なら さだめなら浮いてさわいだ 夜の明け方は箸を持つ手が 重くなる...
  • 影を慕いて

    影を慕いて

    まぼろしの 影を慕いて雨に日に月にやるせぬ わが想いつつめば燃ゆる 胸の火に身は焦れつつ しのびなくわびしさよ せめて痛みのなぐさめにギターをとりて 爪弾けばどこまで時雨 ゆく秋ぞ振音(トレモロ)寂し 身は悲し君故に 永き人生(ひとよ)を霜枯れて永遠に春見ぬ わが運命永ろうべきか 空蝉の儚なき影よ わが恋よ...
  • 唐獅子牡丹

    唐獅子牡丹

    義理と人情を 秤(はかり)にかけりゃ義理が重たい 男の世界幼なじみの 観音様にゃ俺の心は お見通し背中(せな)で吠えてる 唐獅子牡丹親の意見を 承知ですねて曲がりくねった 六区の風よつもり重ねた 不孝のかずをなんと詫(わ)びよか おふくろに背中(せな)で泣いてる 唐獅子牡丹おぼろ月でも 隅田の水に昔ながらの 濁らぬ光や...
  • 勘太郎月夜唄

    勘太郎月夜唄

    影か柳か 勘太郎さんか伊那は七谷 糸ひく煙り棄てて別れた 故郷の月にしのぶ今宵の ほととぎす形(なり)はやくざに やつれていても月よ見てくれ 心の錦生れ変って 天竜の水にうつす男の 晴れ姿菊は栄える 葵は枯れる桑を摘む頃 逢おうじゃないか霧に消えゆく 一本刀泣いて見送る 紅つつじ...
  • 北上夜曲

    北上夜曲

    匂い優しい 白百合の濡れているよな あの瞳想い出すのは 想い出すのは北上河原の 月の夜宵のともしび ともす頃心ほのかな 初恋を想い出すのは 想い出すのは北上河原の せせらぎよ僕は生きるぞ 生きるんだ君の面影 胸に秘め想い出すのは 想い出すのは北上河原の 初恋よ...
  • 北国の春

    北国の春

    白樺 青空 南風こぶし咲くあの丘北国のああ 北国の春季節が都会ではわからないだろうと届いたおふくろの小さな包みあの故郷(ふるさと)へ帰ろかな 帰ろかな雪どけ せせらぎ 丸木橋落葉松(からまつ)の芽がふく北国のああ 北国の春好きだとおたがいに 言いだせないまま別れてもう五年 あのこはどうしてるあの故郷へ帰ろかな 帰ろかな...
  • ご機嫌さんよ達者かね

    ご機嫌さんよ達者かね

    ご機嫌さんよ 達者かね俺らも父(とと)さも 変わりなく朝も早よから 畑仕事月のデッキで故里(ふるさと)しのび 読み返す母の母の便りの あゝなつかしさご機嫌さんよ 達者かね今年ゃ実りも 豊作で村は祭りの 笛太鼓書いた手紙にあの娘の写真も 添えてある母の母のやさしい あゝ故里(くに)便りご機嫌さんよ 達者かね僕も返事に 書...