• なみだの後

    2025-02-27
    きっともう、奇跡は起きないのだろう
    受け入れるように静かに泣いた そのなみだの後

    ゴミだらけの部屋は6畳
    ムダ冴えの脳に眠剤8錠
    シャットアウトの刹那 瞼を駆ける走馬灯
    死ねば楽か?闇抱えたまま
    自分の泣き声で目が覚める
    嗚咽するほどに泣いた そのなみだの後

    星落ちる夜の向こうで 空けたシャンパンの数数えて
    母に抱かれ子が眠る裏側で 耳をつん裂くのは怒鳴り声で
    波の音と喧騒 風の香りと人の欲の匂い
    わかってるんだ 言われなくても わかってる

    ドラマティカルな闇と揶揄されたこの令和の街は
    逸脱した青春の流刑地 愛着障害の墓場だ
    強迫観念に追われ 躁と鬱の境界で
    逃げ続ける 星の落ちない夜に 最高の夜に 極上の夜に

    堕ちてゆく

    「自分で自分を幸せにしてあげられなくてごめんね」
    そう言ってぐちゃぐちゃに泣いた そのなみだの後

    闇が闇を呼ぶ だって自分が闇だから
    光に変える方法知らない きっと人間に向いてない
    こんなのちっともドラマティカルじゃない
    命の選別するなら どうぞ自分を忖度してください

    神様は6畳アパートで自殺した
    遺言は「光に憧れたことが間違いだった」と
    どこに行けばいい?闇抱えたまま
    星も太陽も環状線も、ただただ巡るばかり

    ああ

    どこにもいけないと泣いた その涙の後

    「運命とは定められた必然か、
    それとも風に吹かれるよう偶然が重なるだけなのか
    分からないけど、おそらく両方なのだと思う。」大好きな映画の言葉
    お前はどう思う?

    欲しかった言葉 愛されたかった子供の自分
    痛みと存在意義 欠落と多幸
    穴ぼこの心から垂れ流す闇
    欠落ゆえに形成された自身
    その闇の中心で なおも燻り続ける命
    闇の中にこそ 生まれる言葉
    闇の中にこそ 生まれる言葉
    闇の中にこそ 生まれる言葉

    ならば
    もういっそそのまま お前のまま その闇のまま

    行け

    自分を痛めつける自分を
    自分を呪う自分を
    もう許してやれ
    そのまま 行け

    偶然が織り成す必然を
    飛び降りながら登れ
    身をまかせながら切り拓け
    不動のまま変われ
    賢明な愚者のように
    白い翼を持つ悪魔のように
    眩い闇のように
    その闇のまま 行け

    きっともう奇跡は起きないのだろう
    しかし歩んできた軌跡こそが奇跡
  • 嘘キス -再録-

    草食よろしく振る舞い“偶然じゃない”なんてカワイサに魅かれた 週末の夜トゲのある 心そっと優しく剥いて ねぇ お願い嘘キス いいの くちびるが媚薬 ここからこんな 恋が 許されて? 一人 cry out cry out嘘キス いっそ くちびる腫れ上がるほどにこんな 恋に 依存して!fake it...KISS!!肉食よ...
  • 知りたく無い

    燃えて燃ゆる 熱情揺れてキスの微熱残る くちびる 疼いてる乱れた部屋は迷宮 君の幻を見てる謎は謎のままが美しい多くは求めない方が良い咲かせてはいけない花がある背中合わせの因果踊り続ける 無限のラビリンス帰る場所 無くした子猫のようこれ以上 これ以上 君のこと 知りたく無い 知りたく無いくらくらと嗚呼燃えて燃ゆる 2人熱...
  • 堕天

    聖典が爪弾く 福音の調べ飛天が如く 晴天を裂け目が眩むほどの闇へ2シートの方舟で蛇が導く真の愛へその樹の元へ「禁忌こそ破り拓け」果実は秘薬神々をも濡らす遂に気付くアダムそこにエデンは無い崇高な堕天へお前がいればいい何が起きようと崩れゆく運命に愛の賛歌をさあ天へ 堕ちゆく 二人へ祝福を邪典が示す 狂音の奏堕天が如く 絶望...
  • 光の行方を追え

    電子が揺れた電磁波な光の E=hc/λ(波長)波長違う七色可視光 空に浮かぶ水滴の電子の±電磁場に入射 ±押し引き 波長の短い順減速し 短波な紫から長波な赤へ 光分散長波で弱い赤は ±押し引き少なく減速せず逆に短波な紫は強くて 押し引きが多く減速し速度差ゆえの屈折角度差で 光が分散、虹になる赤42°から紫40°まで 光...