• グレープ

    「21」
  • ほおずき

    ほおずき

    いくつかの水たまりを残して梅雨が駆け抜けてしまえばしめった風の背中越しにきみの好きな夏が来ますあの日きみにせがまれてでかけた小さなお祭り綿菓子の味 アセチレンの光きみは赤いほおずきを買ったため息でまわしたひとつのかざぐるまとまらず にとまらずにまわれと二人祈っていたのにきみの下駄の鼻緒が切れたひとごみにまかれて切れた僕...