瀧川ありさ
「39」花束
君にもらった花とても美しい花を枯れてしまわぬように長い間水をあげ続けた写真だって何枚もそれなのに気付けばしおれた花時が進むこと いつも怯えていたんだ終わりのチャイムに 少し安心していたどこへでも行けるはずさ儚い思い出 空に重ね変わらない強さよりも変わっていく勇気を持ちたい君にあげたいもの喜んでほしいと願ってすべて詰め込...日々モノクローム
駅に向かうまでの長い坂道ゆっくり下る静かな街君がいなくなって長くなるけど街もわたしも変わらないよ変われないよ嬉しくて泣いたのは君のせいで悲しくて泣いたのも君のせいだ夕陽を撮るふりで君を撮ると照れ笑い走り出したね線路の前で警報機が鳴るこの急行が過ぎたら向こうに君がいたらいいのにどうして夕陽を見ても何も感じないよあの日も見...プラネタリウム
天井は無限の宇宙に繋がって月明かりだけの部屋の中見つめてるだけでどこか行けそうこの星の中たった一人みたい君からの電話がそんな時に来る上着肩にかけベランダに出るよあの日屋上で一緒に見ていた満天の空は今日も瞬いて時を超えて確かに光るとても小さな星が見えてまるで君のことひとつひとつと知っていくみたいで真夜中の部屋でとりとめの...BOY'S CHRONICLE
何故だか太陽は惑星を巻き込み何故だか僕たちはまた誰かに巻き込まれてる時間は溢れてるなのにずっと焦ってるいつでも僕たちは誰かの運命軌道上A BOY MEETS THE GIRL始まりはそう月と太陽が触れるような出会いだけどA BOY MEETS THE GIRL虹のように僕ら初めての恋もさよならも儚い流星の涙も太陽の翳り...色褪せない瞳
先を見据える背中に 一つも迷いは見えなくてわたしの心の中に 小さな炎が生まれてる君のようになりたいと 同じ歩幅で歩いたけど気づけば息は上がって 初めてわかったまだ知らない自分の可能性 箱にしまったままだった暗がりでは何も見えない 錆び付いた 胸の鍵 抉じ開けて君には君にだけの 特別な色がある誰に塗りつぶされそうでも強く...anything
everything 絡まった日々の糸をするりするり、ほどいてanything どんな些細なことでも話してみてよここですべてを包み込むよ短い夏が終わりを告げた窓から入る秋風はカーテン揺らし君のこころみたくゆらゆらり掴めないずっと壊れないように恐る恐る触れていた本当はちゃんと確かめたい君を悲しませる正体をeverythi...Goodbye,I love you
走り出せない理由があるなら一歩踏み込めば自分が怖がっていたよりもずっと簡単に感じるそれでも元いた場所から離れて寂しい時もある自分のために生きる毎日だけだと虚しい時もある誰一人傷付かず傷付けずに手に入るものなんてあるのかなbye bye 僕らはいつまで経ったってあの日のように笑えるけれどbye bye 僕らはいつのまにか...I know
旅立つ夜明け前 わざわざ服を縫って夢や希望も何も 今日を生き抜くそれだけ自分を守るために強く信じた未来もくだらないと笑う もう一人の自分がいるよ去り際の君の声 風が掻き消し手を振る僕の耳へ 届かないまま春の木々に消えてった 残った君の笑顔ここまでの足跡 君の分もちゃんとあったけどここからは誰の為に歩こう僕はまず僕を幸せ...Again
瞳を輝かせ 笑顔で語る夢それがやがて君を 何よりも苦しめて眩しすぎる君に 敵は増え孤独になりいつかきっとという 想いだけ胸にしてやがてのぼる太陽その熱に負けぬように挫けてもすぐに立ち上がるまだ見ぬ自分のために涙も見せずただまっすぐ立ち向かう君を僕は見てる小さい身体に背負い込んだ未来は君を守る君が時代をつくるその夢のため...ハナウタ
君の誕生日の朝に雪が降り積もり はしゃいだ2ヶ月後に目黒川歩き今年も桜が舞い散る水面を見る風にハナウタ乗せ 歩いた2人に街も笑う風に舞う花びら ひとひら掴んで渡してきたどの季節も全部君のためにあるってことなら仕方ないね君が涙した夜は泣いた理由さえも わかんないのも知ってるよ家のすぐそばの丘の上登り見上げた星空には流れ星...銀河鉄道の降り方
止まったら騒ぐ 夜汽車に乗ってる我れ先に皆 降りようとしてる眠ってる隙の 置き手紙には地上のあの子 忘れられないとこんな日には空が飛べないこんな日には空は飛べない愛さないで 列車に乗る前の思い出を消えやしないでよ 地上で待っていてわたしはまだ降りる勇気が無いどこにも着かない 景色も変わらない降りる理由は 何だっていいの...さよならのゆくえ
向こうで君の笑い声がきこえるずっと隣に居たはずの声教室の窓に息を吐いて書いた名前を慌てて袖で消した廊下から君の声がしたからこころごまかすように早足で帰ったいつからかわたしは君と話せなくなった向こうで君の笑い声がきこえるずっと隣にいたはずの声何も言わなくたってすぐ気付いてくれた人何より大切と気付いてももう目も合わない教室...1991
1991 あの日僕らに永遠の風が吹き始めたもっと感じていたいの 君が君であることをもっと揺られていたいの 僕が僕であるために何もないこの心触れてくれよそうすればもう何も 怖くなくなるのに1991 あの日僕らは泣いて泣いては確かめた揺れる大気を2091 その頃にもなれば永遠の風は僕のものになるのかなもっと大きな声で 君の...赤いスニーカー
17時交差点を曲がる西日に背を向けながらあの子が言っていた言葉を思い出しペダルが重いよ気付けば影は伸びていく一本道遠くその先まどろむ赤い半月が問いかける君の耳に「このままでいいのか?」ほんの少しのきっかけ僕らは離れてく赤いスニーカー履いた君は今すぐ何かに気付いたように走り抜ける西日に向かって叫ぶこの気持ちを日に焼けた河...Summer of Love
足元に転がって来たボールを君は拾ってすぐに遠くの彼らに投げたそうして微笑むいつもさみしそうな君の目に気を取られたら開けた炭酸が吹き出した夏だ悲しみが誰かの餌にならないように僕らはただただ笑って太陽に対抗したsummer of love待ちわびた夏さ oh oh もう焦らさないでchange of love青春の曲がり角...夏の花
海の匂いがする 路面電車に乗り隣に座る君は 髪をほどいてた海に行こうなんて 放課後下駄箱で急に言い出した訳を ずっと考えてた今年の夏、僕らはどんな風に変わってしまうかな駅を降りて 改札を抜け 君が走り出す打ち上げ花火があがる 僕ら一つ大人になるあどけないその笑顔は そのまま見させてよ一瞬で消える花火 一瞬で変わるその横...Season
ほらまた君の前で涙を見せてしまった何があってもずっと離れないでくれた誰かを守り抜くと誰かに罪を作る生きるほど愛を知ってこころは強くなる目の奥に映る過去の傷はわたしが飲み干すから君の存在だけで世界は万華鏡みたいにくるくる回って光が射す変わる季節と変わらない笑い声君は思い出にならないよここにいるから真夜中ベンチで言った ま...ふたりよがり
あなたを、助けようと右手を差し出せばあなたは、俯いたまま地面を濡らしてたあなたを、失おうと右手を降ろしたらあなたは、左手でわたしを引き留めたあなたが手に入れたいものはわたしじゃあげられないお互い気付いているだけど手放せないのは、なぜ?ありふれた言葉もあなたでしか意味のないことありふれた約束もふたりでしか交わせないこと溢...ロストラブレター
染まる壁が金網の影を映す 夕暮れに白い階段二段飛ばして今日も 君は来た渡す事頼まれた手紙また今日も渡せずに終わる言葉は雲のように融けないの大声でさ 伝えたいけどその顔見ると、言えなくなる“ほっとかないで、ずっと側に居て”声に出せば壊れそうな季節だった回る風が僕らの様子を探る 夕立ちに口にすればするほど嘘になるよ 本心は...