• 北原じゅん

    「99」
  • 愛の執念

    愛の執念

    おぼえていてよ ねえあなたわたしがもしも 死んだならあなたの人生 なくなるわわたしが愛しているかぎりわたしがおそばにいるかぎりあなたは誰をも愛せないおぼえていてよ ねえあなたわたしが死んでも 愛だけはあなたの胸で 生きているあなたのいのちが枯れるまで誰にもあなたを渡さないこころの妻はわたしだけおぼえていてよ ねえあなた...
  • 風に咲け

    風に咲け

    渡り鳥さえ 千里の空で生きていりゃこそ また逢える負けないよって 思うたびこころに故郷の 母の顔ヤーレヤーレ ヤンレサァヨーいのち我慢の 風に咲けつらい時ほど 信じる人がひとり何処かに いればいい切ないねって 泣ける夜(よ)は東京タワーを 見ていますヤーレヤーレ ヤンレサァヨーいつか私も 風に咲け路地の花さえ 命の限り...
  • 人生川

    人生川

    やればやれるわ やる気になれば生きてなんぼの 命じゃないの後へはひくな 人生川よ天が見ている あんたの涙泥をつかんで 投げたいようなそんな日もある 人間だものふたりで生きる 人生川よ花と散るのは 覚悟の上だ木の葉一枚 命の重さ浮くも沈むも 女の器量明日へ船出の 人生川よ夢が心の つっかい棒さ...
  • スタコイ東京

    スタコイ東京

    ハアー俺が東京さ来るときに故郷のおッ母あの言うことにゃ東京っていうとこはスタコイとこだであっちゃさ行ったら気をつけろ電車ッこさ乗るにもボヤボヤこいでてドアッこの間こさはさまるな、ドアッこがひとりでパシャンとくれば骨っこはポキリで体はペチャンコ、これだばお前はパアだべさ伜や伜や分ったな スタコイ スタコイハアー俺が東京さ...
  • あなたに咲く花

    あなたに咲く花

    風が吹いたら 飛ばされそうなそんな命も 命は命ばかな ばかなばかな女と 笑われようと…あなたに咲きたい 夢ひとすじに明日は涙で 散らされようといいのわたしは 慣れっこだから惚れて 惚れて惚れていりゃこそ あなたの胸に…きれいに咲きたい 命のかぎり薄い日差しの この裏町でやっと見つけた 倖せひとつばかな ばかなばかな女と...
  • あばれ船

    あばれ船

    来るなら来い 変わる時代の荒くれ波濤よ俺の出番がやって来た 負けてたまるかよ風が叫ぶ 海が吠える 海鳥が声嗄らす あばれ船おふくろ似だ かわいいあの娘の写真を胸に汗と涙のど根性 ここは勝負だぜ風が叫ぶ 海が吠える エンジンも焼けそうな あばれ船大事にしろ 親にもらった命じゃないか男度胸の船をやる 夢は咲かせるぜ風が叫ぶ...
  • 愛ひとすじ

    愛ひとすじ

    恋のあぜ道歩いてきたわ風も見ました 雪も見ましたこころの地獄を さまよいながらほのかに燃やす 真実の灯り一つに すがってる愛することしか できないわできないわたしあんな男に望みをかけてどこがいいかと そしられようと口じゃ云えない 愛だから命のかぎり どこまでもなんの取得も ないけれど愛することしか できないわできないわ...
  • スタコイ東京

    スタコイ東京

    ハア おらが東京サ 来る時に故郷(くに)の おっ母の 言う事にゃ東京ッて言うとか スタコイとこだであっちぁさ 行ったら 気をつけろ「電車ッコサ 乗るにも ぼやぼやこいでてドアコのあいだコサ はさまるなドアコがひとりで パシャランとくれば骨こは ポキリで 体は ペシャンコそれだば おめえは パアだべさ」せがれや せがれや...
  • 兄弟仁義

    兄弟仁義

    親の血をひく 兄弟よりもかたい契りの 義兄弟こんな小さな 盃だけど男いのちを かけて飲む義理だ恩だと 並べてみたら恋の出てくる すきがないあとはたのむと かけ出す露路にふるはあの娘の なみだ雨俺の目をみろ 何んにもゆうな男同志の 腹のうちひとりぐらいは こうゆう馬鹿が居なきゃ世間の 目はさめぬ...
  • おんな流転節

    おんな流転節

    あんた追いかけ ここまで来たが指はかじかむ 髪さえ凍る逢いたさに…波もぐずるか 竜飛崎…雪の岸壁 太棹聞いて北へ流れの 船に乗る風に怨みを 叫んでみても乳房(むね)の火群(ほむら)は 燃えたつばかり残り香を…抱けばせつない 霧多布…はぐれ鴎の 舞いとぶ宿でまくら濡らすも 女ゆえ花は咲いても 私にゃ遠い春という名の 終着...
  • 紫のひと

    紫のひと

    忍び逢う 夜のふたりはむらさきの 霧に抱かれて離れては離れては 生きてゆけないすがりつき 泣いたあのひとあのひとの 声がきこえるむらさきの 霧の降る夜忍び逢う 恋のはかなさむらさきの 霧に抱かれてあなただけあなただけ 生きる希望よ顔埋め 泣いたあのひとむらさきの 霧の彼方にひとの目を 避けるふたりにいつかくる 恋の終り...
  • 君だけを

    君だけを

    いつでも いつでも 君だけを夢に見ている ぼくなんだ星の光を うつしてる黒い瞳に 出合うたび胸がふるえる ぼくなんだいつでも いつでも 君だけが待っていそうな 街の角そんな気持に させるのは君の素敵な 黒い髪雨に濡れてた 長い髪いつでも いつでも 君だけと歩きたいのさ 夜の道ふたつ並んだ あの星もいつも仲良く ひかって...
  • 十七才のこの胸に

    十七才のこの胸に

    風に吹かれた 花びらをうかべて波は 遠ざかるひとりぼっちの 湖は口笛さえも 切れ切れに山むらさきに 夜がくる空をまっかに そめながらどこ行く夕日 ひとり旅そっとよぼうか 思い出を十七才の この胸にしまっておいた 思い出を夜がしずかに 訪れりゃ湖さみし 風さみしひとりぼっちの ぼくだからあてなくたどる 落葉松(からまつ)...
  • チャペルに続く白い道

    チャペルに続く白い道

    ネムの並木のこの道はチャペルに続く白い道野原を越えて鐘の音は雲の彼方に消えてゆくあしたも二人で歩こうねチャペルに続く白い道雨に嵐に負けないでいつでも強く生きようとチャペルの鐘は きょうもまたぼくと君とによびかける二人の夢はふくらむよチャペルに続く白い道暗く貧しいすぎた日も心の中はいつの日も明るくすんだ鐘の音に明日の幸せ...
  • サハリンの火は消えず

    サハリンの火は消えず

    サハリンの灯は いまなお消えず俺の心に 赤く燃えるなつかしき山 姿もかすみ海峡の嵐 白く凍る北国の夏は 恋に似てみじかい命くれなずむ浜辺 フレップは淋しく赤くサハリンの灯を恋して咲いてふるさとに捨てた 俺を泣かすこの霧のかげに涙ぐみ 思い出捨てたあの人のくれた フレップは初恋の味サハリンの灯は いまなお消えず俺はひとり...
  • 恋は紫

    恋は紫

    このままいたい 帰りたくない動かないで 時間(とき)の流れよあなたを好きに なってからなにもみえないわたし揺れてる煙草のけむり虹色にみえるわこの倖せが 醒(さ)めないうちにどこか遠くへ 遠くへつれてってじっとみつめる あなたの眸(め)にはいつのときも やさしさがあるそれがわたしを どこまでも夢中にさせてしまう知らずにき...
  • 博多純情

    博多純情

    意地の締め込み 度胸の法被(はっぴ)これがわしらの 勲章たい博多山笠 男の祭り華を競って 火花を散らすオッショイ オッショイ オッショイ オッショイおれもおまえも のぼせもん緋地(ひじ)に白抜き 清道(せいどう)二文字熱い歴史を 道しるべ祝いめでたい 一番山にまけてなるかと棒かき上げるオッショイ オッショイ オッショイ...
  • 僕だけの君

    僕だけの君

    (セリフ)君を……しあわせにできなかったら どうしようそれでもいいって黙って ついてきてくれるかいそれがききたいんだ……僕……遠い 遠い 愛の旅へ君をつれてゆきたいだれにも好かれる 君だから早く遠くへ つれていって僕だけの僕だけの 君にしたい遠い 遠い 愛の旅へ君を盗みだしたい愛するための 嘘ならば君も許して くれるだ...
  • 宴のあと

    宴のあと

    帰るのね こんな夜更けにあの女が 待っているのね愛された 宴のあとはアパートの 扉をあけて遠くなる 遠くなる あなたのこころ花を買い グラス飾って待ちわびた 夜の終りはさよならの キッスも忘れ街角に 車が消えて涙ぐむ 涙ぐむ 私が残る好きだから ひとのあなたの幸福を こわしたかったそれなのに 今夜も負けて燃える手に 乳...
  • 夢三夜

    夢三夜

    あなたの腕を 枕にして目醒め煙草 吹かしてる薔薇の夜明け 街角をひとりうつろに 見ているのあなたはやさしい 寝息たてて不思議な夢の中 迷うのいつかまたあう あてなどないから恋は夢一夜(ゆめひとよ)あなたとなら なぜかしらわかりあえる 気がするの深い海を 泳いでる青いお魚 みたいなのあなたの両手は たくましくてからだは潮...