松井五郎
「1493」紅の糸 ~くれないのいと~
また夕闇の空を伝う流れ星逢えないと知りながら待つ人がいる思いを 紡ぐ糸は風を凌ぐ衣(きぬ)になる戻れぬ日々ならば涙に羽織れと忘れてしまえるならどんなに楽だろう憎んでしまえるなら心も捨てられるまだ乾かない傷はじきに返り花あふれる人の群れで芳香(におい)をつける願いを 繋(つな)ぐ糸は継ぎ目ばかり増えてゆく幾度も断ち切って...誰よりも愛した人
昨日見た夢のようねあなたがまたそばにいる離れてた時をつなぐことばをいま探そうかいつか枯らした花にももしも季節が巡るなら誰よりも愛した人いまだって大事な人どんなときも忘れていなかった誰よりも愛した人いつまでも大事な人もう一度もう一度名前を呼んで若過ぎて見落としてた小さな実があったんだあの頃はムキになって向かい風を歩いたわ...空想少年
どんなに遠くても行ける星があると心はまだ 信じるかい?大空を飛ぶこと 教えてくれるひと君のそばに かならずいる愛がずっと あるようにボクら 生まれてきたんだね夢をがんばって夢を「ほんとう」に変えてゆける力があるから君ががんばって ボクとがんばって向かう未来 扉を開こう夢をがんばって夢を「ほんとう」にきっとできる 世界が...もう好きになってはいけない
ふいにあなたに 逢いたくて胸が 震えていたそれが誰かを 裏切ること知らないふりは できない返信の履歴だけ 消してゆく冷たい夜大切な気持ちを 抑えてた抱きしめようと すればするほどふたりには残酷な 幸せがある引き裂かれても 狂いそうでもあなたを好きになっては いけない他人(ひと)はどこかで 嗤(わら)うでしょうただの 幻...マリオネット・ダンス
黄昏が引くカーテンに街灯のシャンデリアマリオネットみたいに心はただ 風に操られてる欠けた月の裏側に迷い込めたならふいに君の肩をしっかりと抱いてみようかふたりはひとりでまるで踊るようにさみしさ手繰りよせて夢ばかり探す好きだというほどになにもできないまま傷付くまでdanceをくりかえす君を僕は見てる首筋に吹く西風が長い髪と...Immigration Man
嗄(しわが)れてる背中風に無理に押され人の群れに 飲み込まれてなにが見える錨のない船と呼んだ人生なら積んだはずの 夢はどこで失くしたのか運命だと決めた逃げ道などいらない躊躇(ためら)うほど怯えて心は痩せてゆくのさ女神がいま伏せたカード並べられた時の先に 見たことのない明日がある俺たち名前のない Immigration俺...終わりのないfilm
ガラスを伝う雨音静かな君の横顔この部屋で見る夜空は終わりのないfilmのようだね合鍵をほどきながら少しためらう指先エチュードのない恋には孤独さえも愛おしく揺れてるさよならにいま心は置いていけばいい理由は誰も傷つけやしないから扉の向こう側へと遠ざかる甘い香り唇だけで微笑む君の瞳 とても綺麗だったさよならもすぐ夜明けの風に...