• 松井五郎

    「1493」
  • あゝ涙が叫んでる

    あゝ涙が叫んでる

    どしゃぶりの雨が 心 濡らしてる腕をほどくなら 憎まれたっていいどんな相手が いいのさ無茶は承知で 抱いているのに誰のものだって なにを捨てたってかまわないさあゝ涙が叫んでる離さないよ 離さないよ 君だけを夢は甘いほど たぶん怪我もするそれが怖くても 避けては通れないどんな罰でも 受けるさそれで明日が 変わるのなら...
  • 純情ナイフ

    純情ナイフ

    ダメだって 言われれば 余計好きになる恋なんて 一度しか 咲かない花だものうっかりさわるから 傷もつくあんまり騒ぐから 馬鹿もするそうさ馬鹿もするギラギラ ぎりぎり 抱きしめてギラギラ きりきり 止まらないあゝ心は 純情ナイフ嘘だって 突き通す 本気も悪くないまちがって 堕ちるなら 冷たい罠もいいうっとりさせるほど 罪...
  • 冬枯れのヴィオラ

    冬枯れのヴィオラ

    木枯らしに襟を立て 街角でひとり鈍色(にびいろ)の空の果て 心を誘う国境を越えるのは 明日になるだろう思い出は黄昏に 燃やしてゆくさ孤独は卑怯の 言い訳なんだよ許してくれとは 言わないさ恨(うら)んでもかまわない泣けば泣いただけ 冬枯れのヴィオラ胸を破(やぶ)いて 響くさみしさ 耳を塞(ふさ)いで星が降る石畳 声のない...
  • 一輪挿し

    一輪挿し

    さみしい夜のそばに置く根もない花の深い彩(いろ)交わした肌に散らすのは夢を知らない空心(そらごころ)好いても 好いても好いてはくれない人でしょうどうせ一輪挿し咲いて一夜きり思わせぶりなしぐさほどかわいそうだと知りながら小さな蝶を誘うよにほつれた髪を梳(と)かす指泣いても 泣いてもいつかは消えてく人だものどうせ一輪挿し咲...
  • 紅の糸 ~くれないのいと~

    紅の糸 ~くれないのいと~

    また夕闇の空を伝う流れ星逢えないと知りながら待つ人がいる思いを 紡ぐ糸は風を凌ぐ衣(きぬ)になる戻れぬ日々ならば涙に羽織れと忘れてしまえるならどんなに楽だろう憎んでしまえるなら心も捨てられるまだ乾かない傷はじきに返り花あふれる人の群れで芳香(におい)をつける願いを 繋(つな)ぐ糸は継ぎ目ばかり増えてゆく幾度も断ち切って...
  • 誰よりも愛した人

    誰よりも愛した人

    昨日見た夢のようねあなたがまたそばにいる離れてた時をつなぐことばをいま探そうかいつか枯らした花にももしも季節が巡るなら誰よりも愛した人いまだって大事な人どんなときも忘れていなかった誰よりも愛した人いつまでも大事な人もう一度もう一度名前を呼んで若過ぎて見落としてた小さな実があったんだあの頃はムキになって向かい風を歩いたわ...
  • 日常

    日常

    たぶん生きることは目を閉じて歩くことどんな険しい道も進むしかないのでしょう次の一歩を踏み出す勇気それは気高い命の形君の声がする方へ私は行こうと思う君に聴こえるまで私も声をあげながらいつも見てる空はなにひとつ変わらないどこへ人が行くかまなざしを注いでるもしも誰かが傷ついたならすぐに差し出す手はあるのかと君の声がする方へ私...
  • あなたを忘れない

    あなたを忘れない

    どうして生まれてきたかも知らずにひろがる夜空にあふれる星(ひかり)それは流れる時のどこかで明日を見つめるあなたに似てるつらくてこぼれる涙もあるけど悲しみだけじゃない涙だって かならずあるあなたを忘れない愛はいつでも抱きしめてる誰かがきっといるから きっと耳をすませば響くときめきひとりじゃないこと教えてくれる優しくなりた...
  • 空想少年

    空想少年

    どんなに遠くても行ける星があると心はまだ 信じるかい?大空を飛ぶこと 教えてくれるひと君のそばに かならずいる愛がずっと あるようにボクら 生まれてきたんだね夢をがんばって夢を「ほんとう」に変えてゆける力があるから君ががんばって ボクとがんばって向かう未来 扉を開こう夢をがんばって夢を「ほんとう」にきっとできる 世界が...
  • 涙が君にくれるのは

    涙が君にくれるのは

    見上げれば なんにも変わらない次の空 広がるだろうどれほどの 悲しみもいつかは重ねられる一枚のページ誰もが いまあたたかく 見ててくれるけど涙が君にくれるのは ほんとは愛ばかりじゃないでもそのとき 心から聴こえる声に 耳をすまそう笑顔が君にくれたのは ひとりで生きてゆく強さ君の手から 生まれるはじまりは 未来を変えてゆ...
  • more

    more

    もう少し そばにいて夢が覚めて しまうならまだぬくもりは あたたかく 君を伝えてるどれだけ ふたりの やすらぎ 僕は 守れるかな「愛してる」 それだけじゃだめな愛がある まだ君を幸せに できるはずそのさみしさや 眠れない心 埋めるもの君のために知りたい 知りたいよもっとまちがって いることに 気がつかない こともあ...
  • 愛されていたい

    愛されていたい

    嫌われるかもしれない泣きながらそう思ったさみしくて抑えきれなくて冷たくしたわ誰を責めればいいのなにを悔やめばいいのいつも傷つきながら心はゆれてるのにあなたに愛されていたいずっと愛されていたいそうじゃなきゃそうじゃなきゃ思い出がかわいそうよ約束で縛るような幸せは儚すぎる抱きしめてくれた腕の中伝えた気持ち冬はいつか終わるの...
  • もう好きになってはいけない

    もう好きになってはいけない

    ふいにあなたに 逢いたくて胸が 震えていたそれが誰かを 裏切ること知らないふりは できない返信の履歴だけ 消してゆく冷たい夜大切な気持ちを 抑えてた抱きしめようと すればするほどふたりには残酷な 幸せがある引き裂かれても 狂いそうでもあなたを好きになっては いけない他人(ひと)はどこかで 嗤(わら)うでしょうただの 幻...
  • 一緒に暮らそうか

    一緒に暮らそうか

    南向きの窓に 白い雲風を招くリトグラフ二度目のアラームが 響く朝君の鼻歌(うた)が聴こえるいままで知らない色が混ざる部屋で次の頁をめくり一緒に暮らそうかふたりで迎える最初の夏が来る忘れていた夢を見るように少し狭くなったクロゼット君の服が増えてく幸せがなにかが 少しだけわかりかけた気がする仕事の帰りに食事でもしようか人ゴ...
  • 君の声をください

    君の声をください

    暮れ行く空の蒼さにふたりの影が溶けてく心の深い場所にあることば 隠して君を思うことから本当はすこし逃げてたかすかにふれた指がさみしさを知るまで何も言わないで答えになる笑顔がまだつくれない逢いたくなる弱さわかりあえますか君の声をくださいもう一度 君の声をください決して はなさないように悲しませないように時間をとめて 抱き...
  • faceless

    faceless

    夜空(そら)の星を凌ぐ数の mail鼓動を愛撫する振動(おと)逢いたくなる孤独(さみしさ)だけ繋ぐ不眠症の labyrinth愛してると告げる文字の羅列ふたりの距離が近づくきっと Kiss は止められない磁石心の温度は上がるなのになぜ 君の顔が思いだせないんだろう僕は誰 ほんとは誰君は見えてるのはじめて出逢った日に着て...
  • マリオネット・ダンス

    マリオネット・ダンス

    黄昏が引くカーテンに街灯のシャンデリアマリオネットみたいに心はただ 風に操られてる欠けた月の裏側に迷い込めたならふいに君の肩をしっかりと抱いてみようかふたりはひとりでまるで踊るようにさみしさ手繰りよせて夢ばかり探す好きだというほどになにもできないまま傷付くまでdanceをくりかえす君を僕は見てる首筋に吹く西風が長い髪と...
  • Life

    Life

    椰子の木と 海の柄(え)の古いシャツ懐かしい 消印が滲んだ絵はがき砂時計を逆に置き換えるとき思い出が ほほえみをまた連れてくる庭に咲く花の名も知らないし犬たちの散歩まで任せきりだったひとりではなんにもできない僕のダメなこと 抱きしめてくれていたんだありがとう僕は (君に逢って めぐり逢って)幸せになれた (心が応えてる...
  • Immigration Man

    Immigration Man

    嗄(しわが)れてる背中風に無理に押され人の群れに 飲み込まれてなにが見える錨のない船と呼んだ人生なら積んだはずの 夢はどこで失くしたのか運命だと決めた逃げ道などいらない躊躇(ためら)うほど怯えて心は痩せてゆくのさ女神がいま伏せたカード並べられた時の先に 見たことのない明日がある俺たち名前のない Immigration俺...
  • 終わりのないfilm

    終わりのないfilm

    ガラスを伝う雨音静かな君の横顔この部屋で見る夜空は終わりのないfilmのようだね合鍵をほどきながら少しためらう指先エチュードのない恋には孤独さえも愛おしく揺れてるさよならにいま心は置いていけばいい理由は誰も傷つけやしないから扉の向こう側へと遠ざかる甘い香り唇だけで微笑む君の瞳 とても綺麗だったさよならもすぐ夜明けの風に...