• 岡千秋

    「1197」
  • やっぱり惚れちゃった

    やっぱり惚れちゃった

    誰かにやめろと 言われても女心は 熱いまま遊び上手の 噂なら耳を 耳をふさいで 聞かぬふり惚れちゃった 惚れちゃった 惚れちゃったやっぱりあなたに 惚れちゃった私の気持ちを 知りながらわざとあなたは 知らぬふり恋に奥手の この私嬉し 嬉し恥ずかし 口紅(べに)を引く惚れちゃった 惚れちゃった 惚れちゃったやっぱりあなた...
  • あの日のまま

    あの日のまま

    あなたと別れた あの日から時間が止まった ままの部屋壁に残った 傷跡を指でなぞれば 切なくてあなたの温もり 探してしまう愛は今でも 私の胸の中夜更けに開いた 日記帳涙で滲んだ さようなら枕カバーの 残り香に恋の月日が よみがえるあなたの名前を 小さく呼べば愛が哀しく 今夜も騒ぎだすあなたの歯ブラシ 捨てたけど捨てられな...
  • 浪花恋しぐれ

    浪花恋しぐれ

    芸のためなら 女房も泣かすそれがどうした 文句があるか雨の横丁 法善寺浪花しぐれか 寄席囃子今日も呼んでる 今日も呼んでるど阿呆春団治「そりゃわいはアホや 酒もあおるし 女も泣かすせやかて それもこれも みんな芸のためや今にみてみい! わいは日本一になったるんや日本一やで わかってるやろ お浜なんやそのしんき臭い顔は酒...
  • おけさ恋歌

    おけさ恋歌

    命までもと 誓った恋を捨てに来ました 四十九里(しじゅうくり)越えて小木(おぎ)は夕凪 両津(りょうつ)は荒磯(しぶき)男ごころの 裏表…遠く聞こえる おけさの節にみれんあとひく 佐渡の海涙ひとつぶ 手酌の酒に落ちて面影 ゆらして消える夢の昔と あきらめようか思うそばから 恋しがる…窓をあければ いさり火ひとつ燃えてせ...
  • 女郎花

    女郎花

    一夜かぎりの 旅路の人と知って抱かれた 私なのなぜか気になる 港の船がつらい別れを せきたてる出船 入船 渡鹿野(わたかの)島に今日も花咲く 女郎花こんど逢う日の 約束さえもせがみきれずに 切れた恋想い出させる 波止場の日暮れ赤い灯台 灯がともりゃネオン枕の 渡鹿野島に今宵花咲く 女郎花人の噂は 嵐の海に捨てて今日から...
  • 丹後なみだ駅

    丹後なみだ駅

    ねぇ 連れてって ねぇ 行かないで私だけ 置いたまま どこへ行く…雪が舞い散る 雪が舞い散る 冬の空すがりつく 指の先まで 凍(こご)えて白い丹後半島 なみだ駅ねぇ なぜですか ねぇ おしえてよ何もかも 捨てて行く その理由(わけ)を…涙ちぎれて 涙ちぎれて 雪になるその胸に 誰かいい人 いるのでしょうか心寒々(さむざ...
  • 波止場しぐれ

    波止場しぐれ

    波止場しぐれが 降る夜は雨のむこうに 故郷が見えるここは瀬戸内 土庄港一夜泊りの かさね着がいつかなじんだ ネオン町肩に重たい 苦労なら捨てていいのよ 拾ってあげるここは瀬戸内 土庄港のんでおゆきよ もう一杯浮世小路の ネオン酒あれは高松 最終便グラス持つ手に 汽笛がからむここは瀬戸内 土庄港恋も着きます 夢もゆく春の...
  • 大阪おかん

    大阪おかん

    飴(あめ)ちゃんあげるで 遠慮はいらん豹柄(ひょうがら)着たって 恐(こわ)ないで 恐(こわ)ないであてらこの街 メッチャ好きや負けとうないんや 東京にいややわそないに ほめんとき浪花ファッション 光(ひかり)もんたこ焼 串かつ 出汁(だし)旨(うま)うどん大阪言うたら 食いだおれ 食いだおれ食べなあかんで 振られても...
  • ひとり酔いたくて

    ひとり酔いたくて

    「はぐれ鴎が 涙浮かべて 北へ飛ぶ」夢で も一度 抱かれたい恋に終わりが あったって愛に終わりは ないのです酔いたくて 酔いたくて ひとり酔いたくてあなたのすべて 消せるまで 酔いたくて飲んで忘れる つもりでも苦いお酒に 浮かぶのは甘いむかしの ことばかり酔いたくて 酔いたくて ひとり酔いたくて温もりいつか 冷めるまで...
  • 涙猫

    涙猫

    「ねえさん、屋台の酒だよ。そんなに飲んじゃいけないよ。」「猫と抱き合ってさ、思い切り泣いて来たのよ。私ってさぁ、そんなに悪い女?」なんで涙が出てるかだって?猫に言っても始まらないがこっちへおいで 聞かせてあげるあの人は出て行ったあたいの方を 振り向きもせず猫のお前に サヨナラ言ってそんな眼をして見るんじゃないよ人間やっ...
  • 逢いたい夜

    逢いたい夜

    理由(わけ)も言わず 雨の中にあなたひとり 残して来た 遠いあの日思えばせつないいつも私 あなたに甘えいつも私 わがままばかり悔やんでも あなたに二度と二度と二度と 戻れない雨のしずく 窓に揺れて あなたに逢いたい他(ほか)の人と 恋をしても胸の奥に あなたがいた いつの時もこぼれるため息ばかね私 大事な人とばかね私 ...
  • 男の名刺

    男の名刺

    男の名刺の 裏側に涙と汗が 沁みている長い付き合い お互いに愚痴をこぼした 夜もある真面目が取り柄の おまえと俺さ酒酌み交わす 裏通り小さな名刺の 一枚に男の夢が 詰(つ)まってる仕事ひとすじ 働いて家族守って 生きて来た似た者同志の おまえと俺さ笑って泣いた 年月よ男の名刺は いつだって肩書きよりも 心意気時の流れが...
  • こぼれ恋

    こぼれ恋

    恋は女の 命です夜のネオンに咲く花は 白く咲いても白く咲いても染まるのよ なみだ色男はいつでも 帰って行くのそれがさだめの こぼれ恋たとえ騙され泣いたって 女心の女心の純情は 捨てないわ一度は本気で 愛してくれた信じたいのよ こぼれ恋今度こそはと夢を見た バカな女とバカな女と笑うのね 夜の風あなたの噂に 心が揺れてグラ...
  • ひとり珠洲岬

    ひとり珠洲岬

    北へ北へと 旅する理由(わけ)を聞かれて思わず 涙ぐむ見知らぬ人の 何気ない言葉に心が またきしむ駄目ね 駄目ですねどんなにどんなに 離れても忘れられない 恋なのに…たどり着いたら ひとり奥能登 珠洲岬わざと自分を いじめるように寒さに凍えて たたずめば夕日が沈む 日本海面影一緒に 連れてって何が いけないのどんなにど...
  • 女の夢航路

    女の夢航路

    一度心に 決めたなら夢の花道 どこまでも波が渦巻く 世間の海で明日(あす)へ漕ぎ出す 木(こ)の葉舟望みひとすじ 女の夢航路悔いを残すな 頑張れとこの手握って くれた人悔し涙を 化粧で隠し越える潮目(しおめ)の 波しぶき負けはしません 女の夢航路浮かぶ山並み 故郷(ふるさと)の空は夕焼け 茜色(あかねいろ)体ずぶ濡れ ...
  • 薩摩半島

    薩摩半島

    煙たなびく 薩摩の空は未練後引く 女のこころ独り旅路の 桜島消えない情念(おもい)が 噴き上がる愛に迷わず ただひとすじに熱く熱く 熱く焦がれて 薩摩半島好きで添えない 浮世の運命(さだめ)隠れ湯の里 女のあかり白い夜霧の 薩摩富士あしたの行方も 分からずに…夜が更けても まだ熱帯びて永遠(とわ)を永遠を 永遠を夢見た...
  • 愛ひとすじに

    愛ひとすじに

    ひとりじゃ歩けぬ ぬかるみも肩を寄せ合う あなたが居てくれるいつも陽の射す 道よりも濡れてうれしい 雨もある愛を紡いで 生きるのねひとすじに私のこころは 一重咲きそっとあなたに 揺れてる白い花どこで暮らそうと ふたりならきっと幸せ 実ります愛を抱きしめ 生きるのねひとすじにうまれて来た理由(わけ) 知りました何があろう...
  • 冬の月

    冬の月

    たとえ罪なら 罪でいいふたり夜更けの 忍び立ちひとつに寄り添う 影法師あなた悔やんで ないですか足跡 照らすな 冬の月たとえ夢なら 夢でいい熱い吐息に 燃えた夜女の愚かさ 身勝手さ離れられない あなたとは雲間にひとすじ 冬の月たとえ嘘なら 嘘でいい旅の終わりが 別れでもこの手に感じる ぬくもりを信じたいのよ 今だけは明...
  • 淡雪情話

    淡雪情話

    いいの 私は しあわせでしたお目にかかれた だけでいいはらり はらはら 舞い落ちる白い淡雪 浴びながら忍び傘して 立ち尽くす運命(さだめ)かなしい ひとの妻越えてしまえば なおさら辛いどうぞ行(ゆ)かせて このままではらり はらはら ひそやかに燃える淡雪 紅の色いっそ忘れて しまえたらにじむ涙の やるせなさめぐり逢いた...
  • 女の桜島

    女の桜島

    切子のグラスに 紅つけてあなたに差し出す 火のお酒呑み干して 忘れる恋ですか女ごころは 桜島火傷(やけど)しますよ 本気でなけりゃねぇ あなた暖簾の向こうに あのひとを待つのが癖に なりました運命(さだめ)だと この恋信じたいどこか影ある 男(ひと)だから放っておけない 尽くしてみたいねぇ あなた最終「さくら」で 発(...