• 筒美京平

    「1384」
  • 素晴らしき16才

    素晴らしき16才

    離れたいのに 離れられない生まれて育ったこの街朝が訪れ 夜が去っても私の周(まわ)りは そのまま紙の上に 地図を書いてひとり旅をするの幻が消えた その日から恋をしてみんな 大人になるのねつかみたいのに つかみきれない素通りしてゆく幸せ花が咲いても 花が散っても私の力は 足りない窓の上に 服を架けて人の眼から逃げる淋しさ...
  • 黄昏のテラス

    黄昏のテラス

    黄昏のテラス むらさきの風が頬をなぜて 泣くなよと通り過ぎる私はすえない煙草を指に遠くなったひとの ことを想うのブラックが好きな あのひとを真似てにがい珈琲気どりながら のんだけれど想い出誘うだけ 涙があふれ蒼(あお)ざめてる 私ひとり黄昏のテラス 想い出の歌が不意に流れ なつかしさこみあげるのつば広帽子を まぶかにか...
  • ひとりの私

    ひとりの私

    今頃あなたは 何をしてる私が泣いてる 訳も知らず足にかけた 小さな膝かけあなたの においもしない窓辺の合歓(ねむ)の木 風に揺れて私のかわりに 泣いてくれる眠いわ 眠れないわさよならの 夢を見そう今頃あなたは 何をしてる私が呼んでる 事も知らず赤い紅で 鏡に描いたあなたの 似顔が目立つ夜空をひとすじ 星が流れあなたの心...
  • ひまわりの花

    ひまわりの花

    ひまわりの花は お陽様を向いていつでも何かを お祈りをしてるルルルあの人のお仕事 羊飼いなのよ日暮になったら 帰ってしまうのルルルだからお陽様 沈まないでねどうぞお陽様 照らしていてなによりも大切な一日を 一日をもっと長くして 私の命は夏だけのものよ愛する気持を 伝えておきたいひまわりの花は お陽様を待って夜露にぬれて...
  • ヘイ・ミスター

    ヘイ・ミスター

    ヘイ・ヘイ・ミスター私をどうぞあなたの恋人の ひとりに加えてプリーズ プリーズ プリーズヘイ・ヘイ・ミスターいい子にするからあなたが くちづけした指に私の唇 おしあてて愛する心を確かめる私はかわいそうカモン カモン カモンヘイ・ヘイ・ミスター私に出来るあなたのほしいもの 何でもあげるわプリーズ プリーズ プリーズヘイ・...
  • 見果てぬ夢

    見果てぬ夢

    南に向かって 星くずが流れるまばゆい光を 空にまいて未だ見ぬ恋人捜しに行くの捜しに行くの夢の中 小舟をうかべてゆらゆらと泪がひとすじ 唇をつたわる心の扉の 鍵を開ける未だ見ぬ恋人あなたはどこにあなたはどこに夢の中 花びら散らすのほろほろと...
  • もしかしたら

    もしかしたら

    もしかしたら 私はあなたに恋してるべつに訳もないのに 指がふるえる一度は誰も こんな気持になるものかしら いけない事ねもしかしたら あなたは私に 気づかないこらえていた 泪がいちどきに あふれそうなのもしかしたら 私はあなたに 恋してるべつに意味もないのに 胸が痛むの一度は誰も こんな気持になるものかしら いけない事ね...
  • シャーベット色の時間

    シャーベット色の時間

    シャーベット色の時間(とき)このまま このまま このまませめて魔法がとけるまでこのまま このまま このまま今も どこか きっと ずっと夜更け過ぎの君の電話何も変わらないな優しい声照れ隠しにからかうひと振り向いてほしくて背伸びばかりしてた幼く でも 強かったあの頃の私に一瞬でシャーベット色の時間(とき)このまま このまま...
  • き・ず・な

    き・ず・な

    目覚めて また思う私は生きている今日も 力かぎり生きていこうと われに言う人の命は 川の流れかとめどなく 受け継がれ 私まで命 つなぐもの それは絆 絆 絆―絆に支えられ 私はここにいる人を愛すことが 生きることだとそう思う一つになった あなたと私偶然の出来事と 思えない心 結ぶもの それは絆 絆 絆―生まれてくる前に...
  • 木綿のハンカチーフ

    木綿のハンカチーフ

    恋人よ 僕は旅立つ東へと向う列車ではなやいだ街で 君への贈りもの探す 探すつもりだいいえ あなた 私は欲しいものはないのよただ都会の絵の具に染まらないで帰って染まらないで帰って恋人よ 半年が過ぎ逢えないが泣かないでくれ都会で流行りの 指輪を送るよ君に 君に似合うはずだいいえ 星のダイヤも海に眠る真珠もきっと あなたのキ...
  • ドラマティック・レイン

    ドラマティック・レイン

    今夜のおまえはふいに長い髪 ほどいて光るアスファルト二人 佇むああ 都会の夜はドラマティック車のライトがまるで危険な恋 誘うよもしも このまま堕ちて行くならああ 男と女ドラマティックレインもっと強く 降り注いでくれ濡れて二人はレインもっと強く 求めてくれ冷えた 躰で雨の音さえ隠せぬ罪コートの襟を立てて歩けばああ二人は無...
  • 17才

    17才

    誰もいない海二人の愛を 確かめたくてあなたの腕を すりぬけてみたの走る水辺の まぶしさ息も出来ないくらい早く 強く つかまえに来て好きなんだもの私は今 生きている青い空の下二人の愛を 抱きしめたくて光の中へ 溶けこんでみたのふたり 鴎になるのよ風は大きいけれど動かないで おねがいだから好きなんだもの私は今 生きているあ...
  • カミツレ

    カミツレ

    楽観的にね 生きてみよう肩の力抜いて痛みをかわして電車の中ではしゃいでふっと遠くを見るとき瞳に射した哀しい斜線見てしまったの独りで悩んでないでカモミール・ティーでも飲みながら話そう振られたこと噂で聞いてて知ってたよカミツレの香りは似てるよね リンゴにイライラして眠れない夜も安心するよ彼のことを悪く言うとムッとして横向く...
  • 綺麗ア・ラ・モード

    綺麗ア・ラ・モード

    空気を手に乗せ量ってみるの私の未来の見えない重さあなたの目の矢に射抜かれて心臓が石になる薬指の長い手が好き優しく髪に触れる綺麗のア・ラ・モードねAh 次元の違う空透き通った水の音あなたへと流れていく綺麗の+αもう過去からはみ出してるいま まぶたを伏せながら幸福を吸い込む心の奥には秘密の箱が…ほんとの私をしまってあった硝...
  • 約束

    約束

    外は冬しぐれ 白い町 これが2杯目のウイスキー・ソーダすりきれたレコードが時の流れを歌うひとり都会へと流れ去り 風の手紙さえ来ないけど待っててと言われたの なのに この店は人影もない針を止めた 腕の時計を 私の手に残してこれで愛は 永遠だよと めぐり逢う日付けまで 決めたのにあの人は あの人は来ないの何か帰れない事情で...
  • さよなら

    さよなら

    さよなら あなた あなたさよなら あなた あなた偶然に 見つけたダイアリー 開いたページに私への 言葉が 溢れた「愛しい人 これを君が 見つけた時に もう僕はいない」「愛しい人 笑顔のままで そばにいたかった ああ ごめんね」さよなら あなた あなたさよなら あなた あなた最初から 気づいてたんだね 永遠の別れ会いたく...
  • 翼をはずして

    翼をはずして

    愛されている人には 分からない小さな嘘をついたの私は寂しくないから大丈夫と ほほえみながらあなたには いつも夢を追いかけていて欲しいの人が自由なのは 一人ではないから向かい風 目を閉じて 翔けぬけたそんな日もあったけど今はこの翼を はずして待っているいつだって 疲れ果てたあなたを抱きしめて あげたくて恋した時に 世界は...
  • あなたに逢いたい

    あなたに逢いたい

    あなたに逢いたい たまらなく逢いたい愛され過ぎた ひとだから逢ってあなたを たしかめたい夜霧にかくれて かわしたくちづけ忘れたくない 忘れたくないヨコハマの 二人だけの甘い甘いできごと約束したから たまらなく逢いたい大人の恋が わたしはほしい逢って心を うちあけたいめぐり逢いなのに 恋がめばえた大切なのね 大切なのねヨ...
  • 愛の挽歌

    愛の挽歌

    古いピアノがある 店の片隅であの人に声かけられて 振りむいた責めないで私を 理由も聞かないで影のあるまなざしに ひかれた私安い真珠の指環を愛のあかしに贈られ今さらあとへはひけない夢が夢が夢があるさびたナイフのようなあの人の過去を抱きしめて 幸せの虹を見たたとえ暗やみの中で恋にすてられても私けして泣いたりはしないつめをつ...
  • ロマンス

    ロマンス

    あなたお願いよ 席を立たないで息がかかるほど そばにいてほしいあなたが 好きなんですひとりでいるのが こわくなるこのまま逢えなく なりそうでくちづけさえ 知らないけどこれが愛なのねもしもとべるなら とんでついて行くたとえ嵐でも たとえ遠くでもあなたが 好きなんですまるで今の私 迷い子のようねあなたが 好きなんです生まれ...