• 筒美京平

    「1382」
  • 真夏の出来事

    真夏の出来事

    彼の車にのって真夏の夜を 走りつづけた彼の車にのってさいはての町 私は着いた悲しい出来事が 起らないように祈りの気持ちをこめて 見つめあう二人を朝の冷たい海は 鏡のようにうつしていた朝の冷たい海は 恋の終わりを知っていた彼の両手をとってやさしい言葉 さがしつづけた彼の両手をとって冷たいほほに くちづけうけた悲しい出来事...
  • わたしの彼は左きき

    わたしの彼は左きき

    小さく投げキッス する時もする時もこちらにおいでと 呼ぶ時も呼ぶ時もいつでもいつでも彼は 左ききあふれる泪を ぬぐうのもぬぐうのもやさしく小指を つなぐのもつなぐのもいつでもいつでも彼は 左ききあなたに合わせて みたいけど私は右ききすれ違い 意地悪意地悪なの別れに片手を 振る時も振る時も横眼で時計を 見る時も見る時も私...
  • また逢う日まで

    また逢う日まで逢える時まで別れのそのわけは話したくないなぜかさみしいだけなぜかむなしいだけたがいに傷つきすべてをなくすからふたりでドアをしめてふたりで名前消してその時心は何かを話すだろうまた逢う日まで逢える時まであなたは何処にいて何をしてるのそれは知りたくないそれはききたくないたがいに気づかい昨日にもどるからふたりでド...
  • 雨だれ

    雨だれ

    ひとり雨だれは淋しすぎてあなた呼びだしたりしてみたのふたりに傘がひとつ冬の街をはしゃぐ風のように寒くはないかと気づかうあなたのさりげない仕草に気持ちがときめく淋しがりやどうし肩よせあってつたえあうのよ弾む恋の芽ばえ何故かあなたに甘えたくなってそっと腕を組んだ街角よふたりの影はひとついつか愛に優しく包まれて見つめる瞳にふ...
  • 雨がやんだら

    雨がやんだら

    雨がやんだら お別れなのね二人の思い出 水に流して二度と開けない 南の窓にブルーのカーテン 引きましょう濡れたコートで 濡れた体であなたは あなたは誰に 誰に 逢いに行くのかしら雨が止んだら 私はひとりドアにもたれて 涙にむせぶ雨が止んだら 出て行くあなた冷たい靴音 耳に残してあなたがつくった インクのしみを花瓶をづら...
  • 恋人たち

    恋人たち

    どんなに忙しい仕事の合間にもコーヒー一杯分のほろ苦い時間はあるものそんな時 あなた手紙にたくした季節をブレンドして飲み干してそんな後 あなた香りと一緒に私を想い出してくれるかしらI miss you とても淋しいわ身近にあなたの声が聞けなくてI miss you 夜が長すぎて寝返り打つたび目ざめてしまうのI miss ...
  • 女性

    女性

    雪どけのせせらぎが大好きそのやさしさ ときめき 暖かさ何もかも生まれてるみたいよ目覚めてゆく春の日が見えるあの日あなたにめぐり逢えてから女らしくなった私そうよ好きな人との命育てたい春になると愛がわかるのよ雪どけの青空が大好きその明るさ ひろがり はてしなさあこがれに充ちているみたいよ二人でならどこへでも行けるいつもあな...
  • センチメンタル・ブルー

    センチメンタル・ブルー

    アー 窓硝子の向うはベイ・シティー ブルーの夕闇アー もう海から吹くあの風も 顔なじみになりそうさ……アー 今どうしているあなたは 霧がふる都会(まち)列車のあと追ってきたあの日が 懐しくて……アー アーかもめが啼くレストランに とびこんでひとりにがい別れ またグラスにうかべれば なみだがBaby I'm Gettin...
  • 東京ららばい

    東京ららばい

    午前三時の東京湾(とうきょうベイ)は港の店のライトで揺れる誘うあなたは奥のカウンターまるで人生飲み干すように苦い瞳(め)をしてブランデーあけた名前は? そう 仇名ならあるわ生まれは? もう とうに忘れたのねんねんころり寝転んで眠りましょうか東京ララバイ地下があるビルがある 星に手が届くけど東京ララバイふれ合う愛がない ...
  • 飛んでイスタンブール

    飛んでイスタンブール

    いつか忘れていった こんなジタンの空箱(からばこ)ひねり捨てるだけで あきらめきれるひとそうよ みんなと同じ ただのものめずらしさであの日しゃれたグラス 目の前にすべらせてくれただけ…おいでイスタンブールうらまないのがルールだから愛したこともひと踊り風の藻屑飛んでイスタンブール光る砂漠でロール夜だけの パラダイス胸にか...
  • 魅せられて

    魅せられて

    南に向いてる窓をあけ一人で見ている 海の色美しすぎると 怖くなる若さによく似た真昼の蜃気楼Wind is blowing from the Aegean女は海好きな男の腕の中でも違う男の夢をみるUh- Ah- Uh- Ah-私の中でお眠りなさいWind is blowing from the Aegean女は恋昨夜の余...
  • 雨がやんだら

    雨がやんだら

    雨がやんだら お別れなのね二人の思い出 水に流して二度と開けない 南の窓にブルーのカーテン 引きましょう濡れたコートで 濡れた躰であなたは あなたは誰に 誰に 逢いに行くのかしら雨がやんだら あたしはひとりドアにもたれて 涙にむせぶ雨がやんだら 出て行くあなた冷たい靴音 耳に残してあなたがつくった インクのしみを花瓶を...
  • あなたの淋しさは、愛

    あなたの淋しさは、愛

    あの桜が散る校庭にいまもまだあなたがいるようで息を切らしペダル漕ぐの涙が止まらない日はもう もうあんなに純粋に二度と人に恋もしないでしょう誰も理解できなかったあなたの淋しさが好き遠くにいても ずっと私を 分かってくれる そんな気がするおんなじ孤独 分けあう人のように Ahねえ あなたのただひたむきなWow wow 生き...
  • スワンの涙

    スワンの涙

    君の素敵な ブラック・コート二人で歩く 坂道にこぼれるような 鐘の音誰も知らない 二人の午後は港が見える 教会の小さな庭で お話しましょういつか君が 見たいと云った遠い北国の 湖に悲しい姿 スワンの涙「あの空は あの雲は 知っているんだね」離れたくない 二人の午後はブラック・コーヒー 飲みながら街のテラスで お話しまし...
  • あなたならどうする

    あなたならどうする

    嫌われてしまったの 愛する人に捨てられて しまったの紙クズみたいに私のどこが いけないのそれともあの人が 変わったの残されてしまったの 雨降る町に悲しみの眼の中を あの人が逃げるあなたならどうするあなたならどうする泣くの歩くの 死んじゃうのあなたなら あなたなら私のどこが いけないのそれとも誰かを 愛したの忘れられてし...
  • 恋する季節

    恋する季節

    君と君とふたり 瞳を伏せながら強く強く 熱いこころを感じる恋する季節には まだ早すぎるけど今のうちに 確かめたいさ 何かを雨の日の 日曜は 我慢できなくてつぼみならやわらかく 抱きしめよう恋する季節には まだ早すぎるけど決めているさ 愛する人は君だけ青い青い霧に ふたりは濡れながら肩と肩をそっと 触れ合い見つめる恋する...
  • さらば恋人

    さらば恋人

    さよならと 書いた手紙テーブルの上に 置いたよあなたの眠る顔みて黙って外へ飛びだしたいつも幸せすぎたのに気づかない 二人だった冷たい風にふかれて夜明けの町を 一人行く悪いのは 僕のほうさ君じゃないゆれてる 汽車の窓から小さく家が 見えたとき思わず胸にさけんだ必ず帰って来るよといつも幸せすぎたのに気づかない 二人だったふ...
  • 17才

    17才

    誰もいない海ふたりの愛を 確かめたくてあなたの腕を すりぬけてみたの走る水辺のまぶしさ息もできないくらい早く強く つかまえに来て好きなんだもの 私はいま生きているあつい生命(いのち)にまかせてそっとキスしていい空も海も 見つめるなかで好きなんだもの 私はいま生きている私はいま 生きている...
  • 秋風によろしく

    出逢えば別れが くると大人のセリフになんで君はためらうの 僕を信じておいで海の向こうから 昇る朝日のまぶしさ恋に似合いのステップ 僕が教えてあげるいつか夢に見てた 愛する人は君君だけは特別だよはるかな秋の風よ 倖せよろしくはるかな秋の風よ 涙をよろしくおいで僕と Go Go Go迷えば遠のく そうさ好きなら裸で赤いサン...
  • ドクター・ラブ

    流す涙のかずだけ 幸せがくるのなら流す涙のかずだけ 悲しみがいえるなら泣けばいい泣けばいい 僕のうでの中で胸にバラの棘(とげ)をうけて君は千里の道駆けて来たよ許すも許さないももう過ぎたことなんてドクター・ラブ 昔の様にドクター・ラブ 二人で暮らそうドクター・ラブ すべての愛を賭け傷をいやしてあげたい若い時代の誤(あやま...