• 筒美京平

    「1384」
  • 沈黙

    沈黙

    はじめから あなたは愛を戯れとわりきっていた香水のかおり残してぼくの手を すり抜けていたね街でタクシーつかまえる頃あなたの瞳は手紙に揺れるどんな気がする どんな気がするひとり淋しい置いてきぼりはサイレント映画のようにひそやかにあゝ恋人よ 静かに泣けよ水色の雨降る街は傷ついた人でいっぱい心へと吹き込む雨はこの傘じゃ隠せな...
  • 真夏の夜の夢

    真夏の夜の夢

    その時 あなたは バラになりその時 ぼくは 蝶になりこの世の嘆きや 苦しみを忘れて覚えた蜜の味夜霧が窓から しのびこみあなたの肌をつつんでも寒さにめざめることもなく心のハープをかき鳴らすああ かき鳴らす夢よ 夢よ 夢よ 夢よ 夢よ 夢よ真夏の夢よ深い 深い 深い 深い 深い眠りに誘えよあなたはバラ ぼくは蝶あなたはバラ...
  • 夕立ちのあとで

    夕立ちのあとで

    夕立ちのあとの街は きれいに洗われたようで緑の匂いが よみがえります忘れようと 務めて少しは忘れかけてた あなたの想い出が急にあざやかに もどって来ました夕立ちの多い夏に 愛して別れた人です風さえあの人 おんなじようです通りすぎる 小さな軒先風にゆられて 小さな風鈴が遠い夢を呼び かすかに鳴りました夕立ちのあとの街は ...
  • 絵はがき

    絵はがき

    何もわるいことは ないけれどわけもなく 私は帰りたいながい髪を 風になびかせた思い出の花咲く 故郷へ涙もろい母が 待っているあの家が 今ではなつかしい荒れた細い 指をにぎりしめ元気だと 安心させたいな私のお母さんは東京を知りませんれんげの丘と冷めたい谷川と一年に幾度かバスに乗って出かける小さな町がすべてなんです だから...
  • 黄色い船

    黄色い船

    黄色い船で 海へ出たい彼と二人波にゆられ ギターをひいてかもめ達と しあわせにくらしたい彼の好きな 夕日の海を黄色い船は どこへ行くか誰も知らない なぞね南の空 星は光る子供のよな私のため 彼は歌う子守唄を風が吹けば さみしいわ彼はひとり 夜を走る黄色い船は どこへ行くか誰も知らない なぞね街の灯り 遠くに見える彼のひ...
  • 希望の旅

    希望の旅

    大事なものはすべて カバンにつめたパパやママの写真も 忘れずに持った今は あなたと 二人なら何も こわくはないわ今日から共に すごす愛の旅路に希望に満ちた 夢を私はさがす窓打つ雨の中を 夜汽車は走る名もない街をめざす 友だちのように今は あなたと 二人なら何も おそれはしない河の流れのようにさすらう二人悲しい時も 共に...
  • 心の港

    心の港

    船が出る港を 汽笛を鳴らしてあなたが待っている 故郷めざしてお嫁に行くわ ニ十才になればあなたの胸が 私の家よ女の子の夢が もうすぐ実るわ思い出の渚を あなたと二人で足跡を残して 走りつづけたい淋しい夜も たえてきたのよあなたの姿 胸にえがいて女の子の夢が もうすぐ実るわ夕陽をあびながら 船は近づくの私の大切な あなた...
  • ふたたび愛を

    ふたたび愛を

    苦しみのあとに 太陽が見えた愛の悲しみよ また会う日までゆきずりの汽車に 心をあずけて今は旅に出るの 何処か遠くへ窓を横切る 思い出よいつか私に 愛をかえして名前も語らぬ さすらいのひとに私は感じた 希望の朝を素晴らしい愛は 涙の中から小さな生命の花を咲かすの窓を横切る 悲しみよやがて別れの 時が来るのね窓を横切る 思...
  • またいつの日か

    またいつの日か

    想い出を抱きしめあなたと お別れするのね二人とも 若すぎたけど 幸福だったわはじめての経験愛する人に すてられたたとえようのない 悲しみあなたには 云えないこれ以上 話し合う言葉もない二人せめて朝がくるまで そばを離れないであてのない旅へと今日から一人 出かけましょう夜汽車にゆられて遠くの 名もない街へと傷ついた心に新...
  • 恋愛時代

    恋愛時代

    愛した人には やさしいの用心深いけど やさしいのいつからあなたとここへ来て指をからめるように なったのかしら街をのがれて 海へ来て二人は恋人ね渚を車で走りぬけ人目につかない 朝を待つあなたの気持はわかるけど地球はいますぐに変わらない季節がかわるまで 待つものよ私の心が ひらくまで街をのがれて 海へ来て二人は恋人ね愛した...
  • TOKYO FANTASIA

    TOKYO FANTASIA

    どうしたの なぜなのヘンじゃない 恋なの?出逢いは かなり突然心が躍り出すわそうよ 彼が きっと運命の人だわTokyo Fantasia幸せは摩天楼 星の Fantasia見上げるほどに 届かないあなたと夢で 結ばれたのよホントなの そうなの夢じゃない 恋なの?偶然なんかじゃなくて夜空も騒ぎだすわそうよ今が きっと運命...
  • さよならのあとで

    さよならのあとで

    さよならのあとで私の髪に思いがけないあなたのくちづけお願いだから真心こめて愛してるともう一度感じさせてね離れたくない今夜の私さよならのあとでわがまま言って小さなクラブを訪ねてみたのお願いだから気持をこめて可愛い恋ともう一度ささやいてね帰りたくない夜ふけの私...
  • 愛しつづけるボレロ

    愛しつづけるボレロ

    ありふれた結末で あなたと別れ何日か過ぎた後 死にたくてただひとり 海べりのホテルの窓で夕闇を見つめつつ もの想う哀しみはひたひたと渚を洗いひび割れたこの胸に痛みを残す誰が悪いわけじゃないさよならがむずかしいだけそして一年 二年 三年が辛い想いを過去にして揺れる女の心の奥底は愛しつづけるボレロだけ恋に似た出来事は いく...
  • 恋、みーつけた

    恋、みーつけた

    清く正しく 生きたいんです坂をのぼって 海を見ながら確かあなたに そう言ったけど拒絶の意味と 誤解しないでそうよ 自分でもわからないけど何か不思議な 奇妙な感じ頬がほてって 胸が乱れて頭が風邪を ひいたみたいで恋、見つけた 恋、でておいでひょっとすると もしかするとこれがきっと たぶんそうね恋、見つけた 恋、かくれんぼ...
  • 普通のラブソング

    普通のラブソング

    ガラスの橋が 町の外れにあるよやさしさのない人は砕け落ちる人生という河の激しい流れ足もとをさらうから気をつけなよ泣きながら恋人が ほら遠くで呼んでる俺は普通の男 普通に生きそして普通の靴で時を渡り ah何故か普通の女愛してるよそんな人たちだけが今日も幸福って橋を渡るよガラスの橋は とてもひび割れやすく裸足では哀しみの棘...
  • 愛すべきボクたち

    愛すべきボクたち

    おにあいの恋人たちと 呼ばれたいけんかをしたり 甘えたり会うたび君が 好きになるそれは それは 愛すべきそれは それは 愛すべきこの世の小さな出来事だけどさざ波が心の中で ゆれているあまりに君は美しく離れていると 心配さそれは それは 愛すべきそれは それは 愛すべきこの世の小さな出来事だけど恋をしてキスしたら そのあ...
  • 手のひらの星屑

    手のひらの星屑

    I'll be waiting for you未来でも ずっとI'll be waiting for youあなただけ 待ってる…あふれたせつなさが 手のひらでそっと星屑みたいにね 光りだす夜更け睫毛から落ちそうな 涙の中に愛を信じている 2mmほどの天使がいたのあなただけをネ 待たなくちゃネ倖せに なれない恋しなくち...
  • 愛をつかもうよ

    愛をつかもうよ

    たとえ君に好きな人がいると知っても止められないこの想いを届けたくて 弱気にはなりたくない見上げる空の青さ 切ない胸に眩しすぎて信じてる素直な気持ちで 愛をつかもうよ伝えたい一つの想いを ぐっと抱きしめて愛をつかもうよ声にできない想いは 迷子のように震えている思い込むだけで人は 空だって飛べるはずだよ見上げる雲の行方 翼...
  • 虹を架けよう

    虹を架けよう

    ただひとつだけ願いが叶うならあなたに愛を伝えたい遙か遠く離れていてもまた白い雲青空(そら)を埋める時はあなたと共に居たいから愛の虹を架けよう陽光(ひざ)し往く天空(おおぞら)に未来(あす)を描く真白(しろ)さ微風(かぜ)に香る薄紅の花の舞う朝にはまだ見ぬ夢へと思いを馳せよう虹を抱く愛の為にも日々出会う出来事(こと) 巡...
  • たそがれマイ・ラブ

    たそがれマイ・ラブ

    今は夏 そばにあなたの匂いしあわせな夢におぼれていたけれど夕立が 白い稲妻つれて悲しみ色の日ぐれにして行ったしびれた指 すべり落ちた珈琲カップ 砕け散って私はただ あなたの目を言葉もなく 見つめるだけさだめといういたずらにひきさかれそうな この愛今は冬 そばにあなたはいない石畳 白く粉雪が舞い踊るひきさかれ 愛はかけら...