• 松井五郎

    「1493」
  • 雨上がりのネコ

    雨上がりのネコ

    冷たい雨だったもの私を抱いて帰ればよかったのに遠くへ逃げちゃいたい滴も拭かず歩いた長い夜見えないものばかり追いかけて少し 疲れたな 疲れたなベランダの濡れたシャツ心も渇かない強がりも限界ね寂しくなっちゃったあゝ泣こうかな知らない道だってある迂闊に選ぶ答えが違っただけあなたを好きだったこと安心してね 誰にも言ってない甘え...
  • 過失

    過失

    背表紙を 見ただけで読まなくても わかる捲るほど 辻褄が合わない恋でしたありふれた倖せに近づいてもなぜか突然のつむじ風ページを折りました口にすればきっと あなたを困らせるこの苦しみは よくある過失夢を見ればきっと 夜明けは寒すぎるまださみしさに 慣れてはいない渡るには遅すぎる点滅だと気づき追いかけるその前に心を止めまし...
  • 月下の代償

    月下の代償

    約束はしません 癖になるからくちづけもしません 深くなるならほんの僅かな愛しさだけ心に置いていきますなにも訊きません 嘘をつくからさよなら言いません 夢で逢うなら少しさみしい幸せでもあなたは承知しますかこれでいいとはしないくせにどうするのかと問うてくるそれもこれも恋だなんてきっとみんな月のせいにする涙はありません 傷に...
  • このまま

    このまま

    うまく言えない気持ちがあふれる誰にも見せない涙もこぼれるそう ひとりでいると自分のすべてがどこかに消えてしまいそうでこのまま このままこの手を 離さないでこのまま この手をずっと声にならない言葉が聴こえる答えを知らない時間が流れるもう ひとりじゃないと心が知るほど 心はいつも迷いそうでこのまま このままこの手を 離さな...
  • コントレール

    コントレール

    その先に あるもの二人はもう違ってた苦しみに 気がついたら微笑んではいられないさみしさが くれたのは幸せの 手がかりばかりでしたどうする こともできない心もあるありがとう いつか涙も乾けば見えてくる青空もあるねめぐり逢えたんだそれは間違いじゃない大切に するほど二人はなぜ 傷ついたどちらかが 諦めれば手が届く夢もあった...
  • 砂に咲く薔薇

    砂に咲く薔薇

    風に舞う白い砂荷車が花を摘む誰ひとり知る人がいないこの街さみしさ繕うまま呪文のように泣いたゆびきり解く指はなにをあきらめたの思い出に気を取られひと駅を乗り過ごす人は思い違いで行き先 変わるけど過ぎてくものならかまいはしないでそこは草原の果て太陽が朽ちてゆくありもしないことだけまるでほんとのよう幸せを数えれば片手でも事足...
  • 大切なこと

    大切なこと

    誰かを好きになったら青空を見なさいあふれだす その涙それは正しい逢いたい人がいるならいますぐ行きなさい心には それ以上できることはないなにもなくても少しずつ歩こうかいつもどこかに幸せは隠れてる君が気づけばそれは答えになる悲しいことがあったら星空を見ましょう思い出は 誰ひとり決して 見捨てないさみしい人に逢ったら抱きしめ...
  • 問いかけ

    問いかけ

    生まれた時を 覚えてないのに泣くことだけは 変わらないどこから先が 心かわからず寄り道ばかり くりかえすどこか冷たい 夜風に灯る星に呼ばれて 空が込み上げたひとりだったり ふたりだったり知らない人たちと私はどこに いるんだろう庇えた傷も ほんとはあったといまだに悔やむ 痕がある幸せばかり 欲しがるてのひら誰かの気持ち ...
  • 針と糸

    針と糸

    柔らかい布に 糸を通す形も決めぬまま 幸せはそんなものほころびもすれば 針も使ういつからその先を 怖れてる刺されば痛い 涙も痛い止まらない血も 知っている型紙のない服をさみしさが着せたがるつまらない嘘までつく私を放し飼いにしてよそ行きに選ぶ 色はいつもあなたと歩くのに 相応しい花の色まちがいで戻る 道の距離が次第に長く...
  • マランタンデュ

    マランタンデュ

    さっき言った あのこときっとちょっと 嘘だったほんとなんて ないのになんでこんな 気持ちいつか 覚めるくせに愛と呼ぶの悲しくなるくらいならひとりでいい心が深くなるほどみんな誤解そっと切った あの電話ずっとそうね 辛かったどんなふうに 言えたらこんな迷路 終わる信じたい 言葉はなぜ聞こえないのさみしくなるくらいならふたり...
  • 蜜

    言わない言葉と 言えない気持ちがふたつの体を 繋いでるありもしないのに いつも楽園ばかり二人は 内緒で 夢を見る優しさはどこかに咲かない花があるからそっと ふれる 溶ける 蜜が 甘いほど羽ばたく蝶は 風を忘れてくきっと いつか いつか 蜜のその甘さ幻だと 知らずに流れる時間に 埋もれる孤独がふたつの心を 隔ててる愛され...
  • Realiser-2022-

    Realiser-2022-

    空が形を変えて光と戯れる静かなてのひらで時間が止まる目が覚めていても夢は見るのね心の扉はその先にあるそれがなにかは訊かず見つめていましょうか答えがないことも答えにできるただ信じるほど夢になるのねわたしの扉はすぐそばにある目が覚めていても夢は見るのねあなたの扉もすぐそばにあるすぐそばにある...
  • わたし泣かない

    わたし泣かない

    なにかに傷ついてくじけそうな夜あなたの見る夢を話して欲しい誰もそんなに強くないけれど心 閉ざしたらおしまいねもう泣かない あなたがくれる微笑みを 信じてみるもう負けない 涙をふいてひとつひとつ 扉 開くから咲いたばかりの花慰められたり大空 飛ぶ鳥に励まされたり誰もさみしくないことなどないふれてみるだけでわかるのにもう泣...
  • わたしのような誰か

    わたしのような誰か

    手鏡のよう 太陽を弾く雨が残した 水溜まりてのひらを翳しあなたを見てた好きと言うに はまだ他人ほかに道はないのになにを怖れるのこんなに近くにいてもあなたは気づかない心は言葉だけではわからないねぇ 私もさみしければひとりで泣きもするあどけなく笑い 視線が逸れる声の温度が ふと冷める躊躇えばそこで 答えも逃げて嘘に包んだ ...
  • ジェラシー ~運命にKissをしよう~

    太陽が胸の音いきなり裸にするよ熱いくちびるは後戻りはしない近づけばさみしさも避けられなくなるのかどんな君の過去敵に回すんだろうあゝ愛されたくてあゝ息が止まるよ震える心はルーレットなんだジェラシーそれは薔薇ジェラシー咲きながらジェラシーいまはじまりなら運命にKissをしよう誰だって間違って治らない傷もあるでもね 怖がれば...
  • 大阪グッバイ

    大阪グッバイ

    大阪グッバイ 泣いたらあかんもうすぐ この街 離れるつもり雨にくすんだ街 想い出も濡れるあんた 好きやけど サイナラしよう街はいつでも 他人同士のドラマみたい夢を覚まして 涙を拭いて 大阪グッバイ大阪グッバイ 川面が揺れるどこまで 流れて 心は変わるすぐに夜明けの空 この雨も上がる心 ちぎれても 別れを決めた愛はいつで...
  • あなたしか愛せないだけ

    あなたしか愛せないだけ

    雨音がいま 夜をつつむあなたの声 ここにはない逢えなくなった ささいな理由ききわけのいい ふりした見せたくて着た服をさみしさの向こうに 放りだすそんな気持ちなど知らないひとに逢いたがる このためいきもういいでしょひとりにしないであなたしか愛せない一日がただ 過ぎるだけとあなたはそう 思うけれど無理して作る 微笑みには永...
  • 哀しみのディスタンス

    哀しみのディスタンス

    電話の向こうで急に泣きだした君がいる部屋は遠い近くにいるほど失くしかけた距離取り戻したくて声を抱きしめたよそれが 幸せと 気づくため孤独が あるなら哀しみのディスタンス抱きしめれば僕らはきっと強くなれる涙はもうあきらめないさよならは答えじゃないいまでもひとりで目覚めた冷たいベッドで君の幻にふれた犠牲にしたもの時は忘れな...
  • 行かないで

    行かないで

    なにもみえない なにもずっと泣いてただけど悲しいんじゃないあたたかいあなたにふれたのがうれしくて行かないで 行かないでいつまでもずっとはなさないでA行かないで 行かないでこのままでいつか心は いつか遠いどこかでみんな想い出になると知らなくていいのに知らなくていいのに行かないで 行かないでどんなときでもはなさないで行かな...
  • 愛ならプロペラ

    愛ならプロペラ

    わかるよ 見上げてる空 涙ポロポロ出ちゃうね答えを 探してる街 心ユラユラしちゃうし頑張り過ぎてるのかな ため息のパズル世界には どれだけ 夢があるんだろうでもさ 大・大・大好きな君でいいいつも 絶対満点じゃなくていいそうさ 大・大・大丈夫一緒だよ君は君でいい向かい風も 怖くないさ愛ならプロペラ教えて したいことなら ...