• なかにし礼

    「636」
  • 愛情物語

    愛情物語

    愛は迷わず 恋する人の手の中へ 飛んでゆくこともう何がおきてもいいの私きめたの楡(にれ)の木陰で 会えばいつでも両うでに抱いた私をあの人は めまいするほどまわしつづけるあざやかに 揺れる若ささようなら少女草原の輝きに 別れ告げる時栗色の馬に 私はしなやかなむちを あてるの駆けてゆく 青春のステージへ人を愛する 胸のいた...
  • クライマックス

    クライマックス

    あー クライマックス あー クライマックス少女は今 蝶々になる年上のあなたに 手をひかれ私はこんなにも遠くへ 来てしまったさよならがこんなに 美しいものとは昨日まで私は 知らなかったグッバイ マイラブ 抱かれてしみじみ泣かせてグッバイ マイラブ 涙が耳から 心へしみて 胸が痛くなるのあー クライマックス あー クライマ...
  • 恋するローレライ

    恋するローレライ

    ハイネの詩を 読んでたあなたふと見あげて 本を閉じたわ私を見て ニッコリ笑い指をさして あなたは言ったお前は 美しい 乙女のローレライこのぼくは 舟をこいでラインを渡る 舟人恐いけど 愛してる若者は 愛して 後悔しない長い髪を くしけずる時古い歌を くちずさむ時私がいる 鏡の中をのぞきながら ささやくあなたお前は 男を...
  • 田園交響楽

    田園交響楽

    あなたは何故に この私にあなたのその手で ふれてくれないのああ 恋することは過(あやま)ちおかすこと若さの罪だからなおさら美しい音楽よりも 花よりも景色よりも 美しい鏡を見れば 私がうつる汚れをしらぬ 聖女じゃないわ私は生きてる人形じゃないわ私は生きてる人と人を つなぐものはなによりくちづけ愛してるなら この私を激しく...
  • 揺れて純愛

    揺れて純愛

    街角に マロンのかおり甘くただよう秋をつつむ 冬の足音がしだいに 近くなるニコライの鐘が なります愛の歌声鐘の音が 空にきえるまで私を抱いていてあなたに 愛されたいこの世の 誰よりもたいせつにされたい あーあ涙が こぼれるのは季節のせいじゃない恋したら さみしい あーあくちづけされたい気持わかってほしいのきのうまで 友...
  • 哀しき小鳥のワルツ

    哀しき小鳥のワルツ

    川の流れに揺れて 浮かぶ一つの小枝に座って冷たく震える 一羽の傷ついた小鳥よそのやたら悲しく 鳴いてさえずる小鳥よ見捨てられない恋人 助けるすべなく飛ぶだけくるおしく求め合って 我を忘れ叫ぶこえも谷を渡る風に吹かれ 消え行くこだまも返らぬアーやがて力尽きて 枝を離れ波にのまれ水に消えた愛の小鳥 川面に浮かぶ小枝よ川の流...
  • ハルピン1945年

    ハルピン1945年

    あの日からハルピンは消えたあの日から満州も消えた幾年時はうつれど忘れ得ぬ 幻のふるさとよ私の死に場所はあの街だろう私が眠るのもあの地だろう青空に抱かれて キラキラと輝く白い街ハルピン 幼い夢のあと街にながれる ロシアの匂い広場の花壇に咲く花びらよ辻馬車が行くよ 蹄を鳴らしてキタイスカヤ街 モストワヤ街プラチナスの葉 黄...
  • 石狩挽歌

    石狩挽歌

    海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると赤い筒袖(つっぽ)の ヤン衆がさわぐ雪に埋もれた 番屋(ばんや)の隅でわたしゃ夜通し 飯(めし)を炊くあれから ニシンはどこへ行ったやら破れた網は 問(と)い刺(さ)し網か今じゃ浜辺で オンボロロオンボロボロロー沖を通るは 笠戸丸(かさとまる)わたしゃ涙で にしん曇りの空を見る燃え...
  • まわり道

    まわり道

    桜の花のような小雪がふりかかるお前のおくれ髪(げ)をこの手で なでつけるまわり道を したけれどめぐり逢えたら いいさ いいさ遅れてやって来た二人の春に 乾杯を あ…川辺で子供たちが無邪気に遊んでるお前はそれを見てかすかに 涙ぐむまわり道を したけれど夢が叶えば いいさ いいさ苦労の分だけはお前もなれよ 幸せに あ…まわ...
  • 今日でお別れ

    今日でお別れ

    今日でお別れね もう逢えない涙を見せずに いたいけれど信じられないの そのひとことあの甘い言葉をささやいた あなたが突然さようなら 言えるなんて最後のタバコに 火をつけましょう曲ったネクタイ なおさせてねあなたの背広や 身のまわりにやさしく気を配る胸はずむ仕事はこれから どなたが するのかしら今日でお別れね もう逢えな...
  • サヨナラ横浜

    サヨナラ横浜

    別れの夜を 残り火の恋の炎で 飾ろうかサヨナラ横浜 霧の街もえる想いをこめて強く抱きしめあおう他人同志になる前に最後の曲が 終っても踊っていたい いつまでもサヨナラ横浜 今日限りそっと涙をふいてぼくに甘えてごらん他人同志になる前にサヨナラ横浜 恋の街つらい話はよそう甘いくちづけしよう他人同志になる前に...
  • 知りすぎたのね

    知りすぎたのね

    知りすぎたのね あまりに私を知りすぎたのね 私のすべて恋は終りね 秘密がないから話す言葉も うつろにひびく嫌われたくなくて 嫌われたくなくてみんなあなたに あげたバカな私捨てられたのね 私はあなたにいいのよいいの 作り涙なんか花から花へ 蝶々が舞うようにほかの誰かを 恋するあなた嫌われたくなくて 嫌われたくなくてみんな...
  • 時間よお前は…

    時間よお前は…

    泣くな 泣くなよ 俺の相棒よ今は 死ぬほど つらくても時間(とき)がすべてを 洗いながして消してくれるはずだよさよなら 今 この ひと時さよなら 今日という 一日タバコを かかとで もみ消しふりむけば 夢のかけらよ憶えているかい 俺の恋人よ二人 別れに 泣いた日をいっそ このまま 死んでしまおうと心決めた あの日をさよ...
  • 北からの手紙

    北からの手紙

    愛しながらも 言いだせず好かれながらも 気がつかず別れて 一年 たったのか水色の封筒のお前の名前は ひとり身か逢いに行きたい 飛んで行きたいよ北のふるさと 坂のある町他人の幸せ こわすまい俺が耐えたら いいんだとあきらめかけてた 男恋便箋を ひろげれば愛していますと 書いてあるお前迎えに 飛んで行きたいよ北のふるさと ...
  • 愛のさざなみ

    愛のさざなみ

    この世に神様が 本当にいるならあなたに抱かれて 私は死にたいあゝ 湖に 小舟がただひとつやさしく やさしく くちづけしてねくりかえす くりかえす さざ波のようにあなたが私を きらいになったら静かに静かに いなくなってほしいあゝ 湖に 小舟がただひとつ別れを 思うと 涙があふれるくりかえす くりかえす さざ波のようにどん...
  • 悲しい悪魔

    悲しい悪魔

    背中から 抱きしめる手のひらを この胸でうけとめてくちびるを ほしがるあなたの 吐息を感じたい青い海を見に 行きませんかストローくわえたままで この私何くわぬ顔で 言うのはせめても 女の誘惑海辺なら 天使でも悪魔でも なんにでも なれるわ恋をする 女がなるのは 勿論 悪魔さ「このまま…とめないで…」青い海を見に 行きま...
  • この愛を永遠に

    この愛を永遠に

    広いこの世の中でめぐり逢えたの あなたの愛に花のつぼみが はじけるように結ばれた 愛の中でもう泣かない 悲しくても肌を寄せてそっと待ちましょう アーやわらかな光をどんな小さなことも隠しはしない あなたの前で時を数える 振り子のようにゆれながら 愛に抱かれもういいのね ここにいても瞳閉じてじっと聞きましょう アーあなたか...
  • TOKYOワルツ

    TOKYOワルツ

    脱いだヒールを両手にさげて裸足で街を 歩きます赤や青 むらさきのネオン地獄に のみこまれ迷子になって しまいたい愛しても 愛しても 不幸ばっかり続くなら女なんか やめたい男が悪い 東京が悪い負ける女が なお悪い三拍子そろった 東京ワルツ三拍子そろった 東京ワルツ仲間はずれに された気分で知らない店で のんでます左手に ...
  • 愛のさざなみ

    愛のさざなみ

    この世に神様が 本当にいるならあなたに抱かれて 私は死にたいああ湖に 小舟がただひとつやさしくやさしく くちづけしてねくり返すくり返す さざ波のようにあなたが私を きらいになったら静かに静かに いなくなってほしいああ湖に 小舟がただひとつ別れを思うと 涙があふれるくり返すくり返す さざ波のようにどんなに遠くに 離れてい...
  • 終りなき旅

    終りなき旅

    めざめたら私は 横になっていた歩きつかれて 傷ついたらしい長い時間を 眠っていたようだいのちが ふたたび よみがえって来たありがとう 私を 見守ってくれた人一夜の宿を 与えてくれた人今また新しく 私は旅立つうずく傷を抱いて 私はまた歌う顔に笑みをうかべて 苦しくとも 悲しくとも終りなきこの旅を 歌で つらぬかん神様が私...