• なかにし礼

    「636」
  • 大阪ブルース

    大阪ブルース

    あなた一人を信じてた 私がバカね女心に火をつけて 帰らぬあなた大阪の夜は 更けてうるむネオンの 宗右衛門町初恋ゆえに 泣きました夢に見ていた恋なのに はかなく消えた生きているのが苦しいの 死にたいほどに大阪の たそがれに二人初めて 逢ったのは並木がゆれる 御堂筋二度と帰らぬ恋ならば 道頓堀の水に流して忘れましょう 悲し...
  • 傷心(いたみ)

    傷心(いたみ)

    あなたにもらった 手紙をあつめて紐でむすんで 石をつないでみずうみに すてました逢ってさよならしたかった一緒に泣いて ほしかったそんな気持ちで すてました手紙を出しても 帰って来ましたなのにあなたの 愛を信じてひたすらに 待ちましたきっと迎えに来てくれるあなたにかぎって ウソはないそんな気持ちで 待ちましたあなたと遊ん...
  • 雨がやんだら

    雨がやんだら

    雨がやんだら お別れなのね二人の思い出 水に流して二度と開けない 南の窓にブルーのカーテン 引きましょう濡れたコートで 濡れた体であなたは あなたは誰に 誰に 逢いに行くのかしら雨が止んだら 私はひとりドアにもたれて 涙にむせぶ雨が止んだら 出て行くあなた冷たい靴音 耳に残してあなたがつくった インクのしみを花瓶をづら...
  • おとなの会話

    おとなの会話

    見知らぬ同志が肩よせ合っておとぎばなしの恋物語男のあなたがきっかけ作り女の私が後を続ける最初はすてきな甘いお話最後は悲しいわかれ話大人同志の会話はいつもうそと涙がつきものなのね見知らぬ同志が手を取り合って同じ絵具で一枚の絵を男のあなたがりんかく書いて女の私が色をつける最初は明るい笑顔の瞳最後はうるんだ涙の瞳大人同志の会...
  • お別れしましょう

    お別れしましょう

    お別れしましょう 契らずに悲しい別れが来るまえに私の耳に触れないで苦しくなるから本当の恋って何よ本当の愛って何よ 何よ 何よおしえてあなた抱かれて心が動くのはみじめでイヤなのお別れしましょう 契らずに互いに秘密を見せないで私のまつげに触れないで涙が出るから女の罪って何よ女の過去って何よ 何よ 何よおしえてあなたいけない...
  • 二十歳の頃

    二十歳の頃

    あれは二十歳の頃さぼくは初めて知った君とめぐり逢って 愛することを君はぼくよりたしか二つ年上だった恋に泣いたことの ある人だった二人で借りた小さなアパート本のほかに何一つ 部屋にはなかったね朝の光の中で ぼくはまどろみながら君に甘えたくて 泣いていたよあれは二十歳の頃さぼくは初めて知った愛を失くす時の 心の痛みほんの小...
  • 私の胸をノックして

    私の胸をノックして

    もしも いつかあなたが私を好きになったら小さなこの胸を ノックしてちょうだい私の胸の お部屋には花が咲いてる 愛の花がいつも 胸をはずませあなたの来るのを 私は待っているの何故か 涙あふれて一人淋しい時はやさしくこの胸を ノックしてちょうだいあなたの胸を あたためる恋のだんろが もえている私の胸の 部屋はあなたの お部...
  • 別れるなら今

    別れるなら今

    別れるなら今 さよならを言おう互いの名前も 知らないうちに別れるなら今 この恋を忘れよう愛していると 気がつく前に明日また逢って逢って抱きあってもやがて離れる日はかならず来るそんなわかりきったことはよそうよ別れるなら今 他人になろう君とぼくの身体が はなれる時に―別れるなら今 さよならを言おう愛の奇跡は 起きやしないさ...
  • 石狩挽歌

    石狩挽歌

    海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると赤い筒袖(つっぽ)の ヤン衆がさわぐ雪に埋もれた 番屋の隅でわたしゃ夜通し 飯を炊くあれからニシンは どこへ行ったやら破れた網は 問い刺し網か今じゃ浜辺で オンボロロ オンボロボロロー沖を通るは 笠戸丸(かさとまる)わたしゃ涙で ニシン曇りの 空を見る燃えろ篝火(かがりび) 朝里(...
  • 京のにわか雨

    京のにわか雨

    雨だれが ひとつぶ頬に見上げれば お寺の屋根や細い道ぬらして にわか雨がふるわたしには傘もない抱きよせる人もないひとりぼっち 泣きながらさがす京都の町にあの人の面影誰もいない心に にわか雨がふる日が暮れて カラスが帰る人はみな 家路を急ぐ河岸をぬらして にわか雨がふる雨の日も鐘は鳴るむせぶよに鐘は鳴る指を折って かぞえ...
  • 恋の奴隷

    恋の奴隷

    あなたと逢った その日から恋の奴隷に なりましたあなたの膝に からみつく小犬のようにだからいつもそばにおいてね邪魔しないから悪い時はどうぞブッテねあなた好みの あなた好みの女になりたいあなたを知った その日から恋の奴隷に なりました右と言われりゃ 右むいてとても幸せ影のようについてゆくわ気にしないでね好きな時に思い出し...
  • 夕月

    夕月

    おしえてほしいの 涙のわけを見るもののすべてが 悲しく見えるの夕月うたう 恋の終わりを今でもあなたを 愛しているのにおしえてほしいの 私の罪を許されるものなら あやまりたいの夕月さえて 心はいたむあまりにいちずに 愛しすぎたのねおしえてほしいの 忘れるすべをつきまとう幻影(まぼろし) あなたの面影夕月だけに 愁いを語る...
  • 天使の誘惑

    天使の誘惑

    好きなのに あの人はいない話相手は 涙だけなの幸せは オレンジ色の雲の流れに 流れて消えた私の唇に 人さし指でくちづけして あきらめた人ゴメンナサイネ あの日のことは恋の意味さえ 知らずにいたの砂浜で 泣きまねするとやさしい声が 流れて来るの思い出は オレンジ色の雲のかなたに 浮んでいるの私の唇に 人さし指でくちづけし...
  • 帆のない小舟

    帆のない小舟

    ゆらゆらゆらゆらゆらりゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらりゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらりゆらゆらゆらゆらゆらゆらゆらりゆらゆら帆のない小舟は行方も知らないまま波間を運命のまにまにたえまなくゆれている何処へいく 何処へいくOh! God! Tell me God!何処へ行く 何処へ行くOh! God! Tell me God!...
  • 愛のさざなみ

    愛のさざなみ

    この世に神様が 本当にいるならあなたに抱かれて 私は死にたいああ湖に 小舟がただひとつやさしくやさしく くちづけしてねくり返すくり返す さざ波のようにあなたが私を きらいになったら静かに静かに いなくなってほしいああ湖に 小舟がただひとつ別れを思うと 涙があふれるくり返すくり返す さざ波のようにどんなに遠くに 離れてい...
  • 天使の誘惑

    天使の誘惑

    好きなのに あの人はいない話相手は 涙だけなの幸せは オレンジ色の雲の流れに 流れて消えた私の唇に 人さし指でくちづけして あきらめた人ゴメンナサイネ あの日の事は恋の意味さえ 知らずにいたの砂浜で 泣きまねするとやさしい声が 流れて来るの思い出は オレンジ色の雲のかなたに 浮んでいるの私の唇に 人さし指でくちづけして...
  • 美しき愛の掟

    美しき愛の掟

    ぼくは君のために 重い罪をおかし鎖につながれても かまいはしない青い空に舞う 白い君の手とバラの髪かざり ぼくを悩ませるぼくは君のために 人のそしり受けて牢屋で死んでも かまいはしない赤い太陽に 光る砂よりも唄いギターより ぼくは燃えている君が死んだ時は 君の白い頬にくちびる重ねて ぼくも眠ろう星が消えはてて 花がこぼ...
  • わが人生のハーフウェイ

    わが人生のハーフウェイ

    気がついたら中年 人生の半ば髪に白髪もチラホラ お腹も出てきたよ妻は勿論一人 子供は二人人並みに幸せな 暮らしをしてるつもりだよたまにはおもてで 恋などするけど決して気まずい 事件にならない臆病だからじゃ ないんだよ妻や子供を 愛しているからなんだよハーフウェイ ハーフウェイわが人生のハーフウェイ毎朝 鏡で見る俺の顔ち...
  • 海鳴りがよんでいる

    海鳴りがよんでいる

    海鳴りがよんでる心を残したまゝ別れ告げ消えゆく人を責めるように人知れず一粒の涙をこぼすだろう果しない悲しみなおますその面影 愛してる今でも 君の 何もかも帰っておいで 僕のとこへ帰っておいで 僕の胸に海鳴りが よんでる海鳴りが よんでる...
  • 赤と黒

    赤と黒

    あー 赤と黒みたいな あー恋をしていますあー 赤と黒みたいな あーしのび逢いです窓に小石を投げて そっと口笛を吹くうしみつ時の あなたの合図窓を静かに開けて 細いロープをたらしあなたを部屋へ 迎えます 私恋は 秘密めいた方が素敵恋は 闇の中が美しいのあせればあせるほどに 時間がムダに過ぎるくちづけ くちづけ くちづけし...