なかにし礼
「636」海辺の石段
海辺の 小さな石段消した恋の夢を胸に秘めたたずむ月影 輝く海辺よ青い光をあびて音もなく寄せる波過ぎた思い出は 二人のものいつの日か よみがえる ああ…今宵も ひとりでたたずみ遠い海を見ては 君を待つ石段海辺の 小さな石段やがて君の眠る花園に続く道幻 ただよう波間に白い花を投げて永遠の愛ささげる過ぎた思い出は 二人のもの...別れの朝
別れの朝 ふたりはさめた紅茶 のみほしさようならの くちづけわらいながら 交わした別れの朝 ふたりは白いドアを 開いて駅につづく 小怪を何も言わず 歩いた言わないで なぐさめは涙をさそうから触れないで この指に心が乱れるからやがて汽車は 出てゆき一人残る 私はちぎれるほど 手をふるあなたの目を見ていた言わないで なぐさ...