• 野口五郎

    「86」
  • 私鉄沿線

    私鉄沿線

    改札口で君のこといつも待ったものでした電車の中から降りて来る君を探すのが好きでした悲しみに心とざしていたら花屋の花も変りました僕の街でもう一度だけ熱いコーヒー飲みませんかあの店で聞かれました君はどうしているのかと伝言板に君のこと僕は書いて帰ります想い出たずねもしかして君がこの街に来るようで僕たちの愛は終りでしょうか季節...
  • 季節風

    季節風

    どんなに愛してみたところで実るあてない恋だからあなたのしあわせ思うならばここで耐えるしかないなぜ出逢ったのだろうもの言わぬ過去の傷にひかれたみたいになぜ暮す世界が違う二人して名乗りあったのか過ぎゆく風 泣いてる日がある並んで歩けば人の目にはたぶん恋人にも見える二人は別れを告げるためにこんな街角にいるもう二度と出来ないさ...
  • きらめき

    きらめき

    ここの街へとあなたと僕はこれまでいく度 訪ねたろう二人店の名も街の角も 今はどれも馴染みなぜにあなたと歩くと 小さな道さえ楽しくなるのだろう愛の未来は誰にも見えないけれどこの愛と僕は生きよう雨の降る日は一つの傘で煙った通りをどこまでも行ったビルの空いつか虹が かかっていたあの日なぜにあなたといる時 この世のすべては輝き...
  • 針葉樹

    針葉樹

    あなたのかなしみは 雪で出来ている僕を凍らせる 白いためいきだまっすぐ行くがいい 街はきょうまでのふたりの足あとを うずめてくれるだろう男のいのちのかぎりを尽くし愛したつもりだ 悔いなどないさ冬が来ても あなたよ枯れるな木枯しに耐える 針葉樹のりりしさのようにくちびるふとゆがみ なにか言いたげなあなたおねがいだ 背中む...
  • 19:00の街

    19:00の街

    霧雨降る ガラス越しに 19:00(じゅうくじ)の街低い雲 たち込めて 摩天楼包んで都会は海 人は砂漠 愛は蜃気楼ためらいも 戸惑いも 捨てて来たのにああ時間ばかりついやしてたイタズラにあなたの心の中に傷ひとつも残せないで愛と呼べるはずもない絡んだ運命(さだめ)の絆光と影 線を描き 車が過ぎるうつむいて二本目の煙草に火...
  • Smoke Gets In Your Eyes

    They asked me how I knewMy true love was trueI of course repliedSomething here inside,Cannot be denied.They said someday you'll find,All who love are blind,When...