• 岡千秋

    「1197」
  • さすらいの途中駅

    さすらいの途中駅

    二人このまま 暮らしたら辛くなるから 街を出た二人このまま 続けたら駄目になるから 街を出た流れ流れて 二度目の雪か夜のホームに ベルが鳴る男さすらい 旅半(なか)ば…野辺に咲いてる 鈴蘭(すずらん)を見ればお前を 想い出す風に鳴いてる 海鳴りを聞けばお前を 想い出す胸に降り積む 未練の破片(かけら)いつになったら 棄...
  • 星空のむこう側

    星空のむこう側

    星を見上げれば 笑顔が見える僕のこの胸を 優しく照らす両手に溢れる この想い消えずに届いて いるだろうか君が君が君が 好きだよ ずっと…星を見上げれば 笑顔が見える街に灯(ひ)がともる 景色を二人時間(とき)を止めたように 見つめていたね「灯りの数だけ 人生があるのね」寄り添い あの日言った君の君の君の 横顔 綺麗…夢...
  • 雪月花

    雪月花

    斬るは人より 己の魂(こころ)斬って次代の 誠を通すなみだ沁み入る だんだら羽織誰が知ろうか 胸のうちああ 月よ 何処(いずこ)へ流れゆく胸に残るは 愛しき女(ひと)の想い徒花(あだばな) 憂いの花よ義理と情けに 気持ちは揺れて武士は日の本 未来(ゆめ)を追うああ 未練洗えよ 京の雨鳥羽の川風 伏見の雲よ散りゆく明日の...
  • ふるさと山河

    ふるさと山河

    花よ 鳥よ 青い空根雪(ねゆき)残した 北の春友よ 友よ… 男なら母の大地の 峠(とうげ)を越えてでっかくなれと 笑って泣いた奥羽山脈(おううさんみゃく) ふるさと山河愚痴(ぐち)も 恋も 泣き言も聞いてくれたよ この山々(やま)が友よ 友よ… ありがとう帰るところが お前にゃあると背中を押して 勇気をくれた奥羽山脈 ...
  • 人生援歌

    人生援歌

    背中向けたら 明日が見えぬ下を向いたら なお見えぬ雨や嵐に 打たれても決めた道なら ひとすじにやがて陽が照る 陽が昇る命燃やして 人生援歌人の器も 心の内も我慢重ねて 広くなる今は泣かない 辛くても嬉し涙の その日まで為せば成る成る 花も咲く意地が支えの 人生援歌人の優しさ 情けの深さ世話になる度 手を合わす肩の荷物は...
  • 笹小舟

    笹小舟

    白いうなじを かたむけて風の行方を みつめる みつめるおまえ時の流れに 身を浮かべふたり漂う 笹小舟この手離すな もがけば沈む痩せた背中は 俺の罪肌を寄せ合い 腕の中悪い夢など 見るなよ 見るんじゃないぜ曲がりくねった 浮世川人の澱(よど)んだ 水面(みなも)行くせめて心は 埃(ほこり)を払い空を仰げば 笑う月死んだ覚...
  • なぁ女将

    なぁ女将

    洒落(しゃれ)た肴(さかな)は なくていい二合徳利で ぐいと呑(や)る路地裏づたいに 水仙の花めげずに今年も 咲いたとかちいさな酒場(みせ)の ちいさな話沁みる 沁みるぜ…… なぁ女将(おかみ)苦労こぼして 何になる酒のしずくに 流し込めほのかな香りの 水仙の花女将に似てると 言い出せず口説(くど)きの下手な 男がひと...
  • 冬運河

    冬運河

    女がひとり 乗る舟は折り紙細工 紙の舟誰か 誰か誰か心に 抱き止めて沈んだならば 身も凍る憂き世と言う名の 冬運河何度か恋の 時化に遭い舳さえ折れた 紙の舟なんで なんでなんで男は 罪つくりなじんだ酒に 酔いしれて今夜も流れる 冬運河女が夢を 載せるにはこれでも足りる 紙の舟誰か 誰か誰か私に 手を貸して二人で漕げば ...
  • 酔い雀

    酔い雀

    匂いだけでも 酔ったのに別れて知った 酒の味肌寂しさに 止まり木で今夜もひとり 酔い雀ああ 帰りたくないあなたの居ない あの部屋は壁の短冊 品書きはあなたの好きな ものばかり男の夢を あれこれと聞かせてくれた 差し向いああ 帰りたくないひとりにゃ広い あの部屋は店が暖簾を 仕舞い込む合図はいつも 終電車木枯らし走る こ...
  • センチメンタル横浜

    センチメンタル横浜

    港灯りが ちらちらひとつ二つと 瞬くにじむ涙を そっと隠すのあなたに 寄りそって歩く幸せが なぜ哀しいのいつか別離(わかれ)が 来るのならセンチメンタル横浜 帰したくない夢はいつでも とぎれてふたり明日(あす)へは 着けない揺れて伊勢佐木(いせざき) 夜が切ない今だけ 今だけでいいの永遠の 愛に酔わせていつか別離が 来...
  • 涙を抱きしめて

    涙を抱きしめて

    つまずいて転ぶたびに 擦りむいた傷あとに沁みる 冷たい夜の風ひとり手探り 夢を追いかけ迷い道溜め息をついて 時にはあきらめて…涙を抱きしめて 歩いて行く明日(あした)はいいことが どこかで待っている振り向けば命かけた 人もいた実らずに終わる 哀しい恋もあるひとり幸せ 探し探して回り道雨はきっと止む 明けない夜はない…涙...
  • 陽炎坂

    陽炎坂

    女に生まれた その意味はあなた あなた あなたに 出逢うため運命(さだめ)につまづく 坂道で倒れても 転げ落ちても またのぼりますつかんだ指から すりぬけた愛がゆらゆら 愛がゆらゆら 陽炎坂儚くきらめく 逃げ水にこの身 この身 投げたら 死ねますか?別れて終わりの 恋じゃない憎んでも 忘れたくても まだ好きなのよ幻みた...
  • ふたりの夜明け

    ふたりの夜明け

    おまえが流した 涙のぶんだけしあわせにならなけりゃいけないよ もう泣かないで過去とゆう名の 改札ぬけてふたり出直す 道の行先(ゆくて)にはきっとくる きっとくる きっとくるふたりの夜明けがあの夜おまえに 出逢えてなければ乱れ酒 あびるよなあのくらし 続けていたよしょせん器用にゃ 生きられないがついてきてくれ この手はな...
  • 命の花道

    命の花道

    渡る世間の 身を切る寒さ弱音吐いたら 苦労が笑う 苦労が笑う夢は夢でも 叶わぬ夢をエンヤコラ ドッコイショ叶えてみせる いつの日か飾る 飾る 命の花を 花道を言葉なくても 目を見りゃ判る惚れりゃ尚更 心が見える 心が見えるあれは祭りの 太鼓の音かエンヤコラ ドッコイショ路地から路地に 鳴り響く続く 続く 命の花が 花道...
  • 母ちゃんの挽歌

    母ちゃんの挽歌

    苦労を数えちゃ いけないといつも母ちゃん 云っていた親子三人 川の字でせんべい布団で 寝てた頃そんなあの日が 笑ってる夕陽の向こうで 笑ってる貧しい暮らしで 教わった生きる辛さも 幸せも月に一度の もつ鍋を囲んだ夕餉(ゆうげ)の 笑い声思い出します あの匂いカタカタやかんの 音がする母ちゃん寒くは ないですか空を見上げ...
  • みどりのケセラセラ

    みどりのケセラセラ

    窓の三毛猫 あくびをすれば見てたこちらもほっこりと ひと休み回り道した分やさしい 人に出逢えるよそやね そやな あくせくしたってしゃあないね風まかせ恋はほんまに 不思議なものね人の心を盗んでも 叱られぬ懲(こ)りてサヨナラしたそばから 胸が会いたがるそやね そやな ジタバタしたってしゃあないねそれが恋丸い心も 拗(す)...
  • 想人~オモイビト~

    想人~オモイビト~

    “眠りなさい”と 囁(ささや)くのは優しい記憶遠い昔の 風の匂いが心呼び覚醒(さ)ます宇宙(そら)より果てしないものがある人は何故に生きてるの命は誰のもの一期一会の愛を知ってあなたを想う乾いた喉が ただ欲しいのは温かな瞳寄せて返すは 波の音か揺らぎの声か道なき道を 辿(たど)り誰もが迷える旅人ひと粒ふた粒と雨が降る人は...
  • カゼノッテケ

    カゼノッテケ

    ハア ハハハ アーァ華の人生 咲かせてみませんか考えたって 始まらない動いてみなけりゃ 生まれないハァー 何もやらずに 後悔するよりやったもん勝ちなんだよヤサエーエン ヤーサーノドッコイショハァ ドッコイショ ドッコイショドッコイショ ドッコイショハァー 咲かせましょう風に向かって ノッて行(ゆ)けやっちまえー イェイ...
  • 伏見十石舟

    伏見十石舟

    乗るか乗らぬか 乗らぬか乗るか知らぬ同士の 東男(おとこ)と京女(おんな)「乗ってみますか 良かったら」「乗ってみまひょか ご一緒に」船頭さんの 空の上ぐるり鳶が 輪を描いて竿でトトンと 岸をつきゃ伏見十石 舟が出る 舟が出る「もしやあなたは 土地のひと」「生まれ育ちも 京都どす」酒蔵 柳 であい橋揺れて触れ合う 肩と...
  • 三つの氷

    三つの氷

    いつもお酒を 飲むときは氷三つと 決めていたそんなあなたの こだわりもとても愛しい日々だった三つの氷が 溶けるころ私はあなたの腕の中 腕の中…今もぬくもり 消えなくてひとり淋しい 想い酒 想い酒ひとつふたつと 積み重ね夢がはじけた 三年目今もあなたの 面影を暮れゆく街に 探してる三つの氷が 溶けるころ私はあなたの腕の中...