• 後藤次利

    「494」
  • つぎはぎのポートレイト

    つぎはぎのポートレイト

    つぎはぎのポートレイト 猫が倒す痛むような音で 振り返る捨てちゃえって 叱った 友達には嘘ついて 持ってきた一枚どうしても 自分だけは だませなくてどうしても ちぎった 思い出拾っては つないだ朝陽を 浴びて あの日 二人で真新しい 写真を 撮りに行った並んで 防波堤の尖(さき)でセルフタイマー はしゃぎあって写った ...
  • 橋

    確かに 男らしいそこに 魅(ひ)かれていたのよ私よりも 彼女と長い つきあいだなんてバカだね 今日まで気づきも しなかった ナ・ン・テ明日はあした 今日は今日しっかりしてと ひとりつぶやく私は私 君は君綺麗に言えば きっと一瞬だけは愛してた…その先は言わないでごめんと言われても ねェ何て 答えればいい?嫌われたってこと...
  • 象さんのすきゃんてぃ

    象さんのすきゃんてぃ

    昼下がりのまっさおな空 小さな雲がソーダ水の炭酸みたいあなたの腕そっと組んだらまわり気にしながら赤くなって無理にほどいたアララララ…そんな大きな躰で何をあなたは照れているの?今の男女交際これくらいは当たり前よ!かわゆい!AH-象さんのすきゃんてぃはちっちゃいけれどあなたに象さんのすきゃんてぃはほらね お似合い10ヶ月も...
  • 猫舌ごころも恋のうち

    猫舌ごころも恋のうち

    学校なんかじゃとても教えてくれなどしない誰にでもできる“恋のし方”分厚い教科書めくり“ハートのしくみ”のすべて方程式くらいじゃ答え出ないあなたのことを考えるたび切なくなるのよオンリー・マイ・ラヴ!好きなのに猫舌ごころでアッチィチのチッて私猫舌ごころでアッチィチのチッてあなたの写真をそっと見つめながらフーフー恋してたフー...
  • バナナの涙

    バナナの涙

    バナナんボーバナナんボー男の子の気持ちHA・TE・NAわからないの男の子の気持ちHA・TE・NA不思議ね変なの!真赤な夕陽が落ちたら不機嫌ねせっかく2人で渚に来たのにさっきはあんなにはしゃいでいたけど仕方がないわね あまのじゃくなのくるり背中向けて 少年のままで“こんな風に友達でいるのは僕は嫌だよ!”ア然!バナナの涙瞳...
  • あんまりじゃない?―恋なし子―

    あんまりじゃない?―恋なし子―

    ガラスで囲まれてるカフェ木目のテーブルの上にぼんやりと頬づえをついていた通りの向うのデジタルパラパラ数字がめくれて黄昏がハートをノックしてる急に電話で呼んだくせして2時間以上待たせてどういうつもり?あんまりじゃない? (勝手に)あんまりじゃない? (しなさい)理由ありな口ぶりで期待させといてあんまりじゃない?あんまりじ...
  • 好きになってもくれない

    好きになってもくれない

    ナイアガラのような陽射しに腰かけバブルガムで そっとふくらました ”I love you!”知らんぷりねWhy don't you love me?好きになってもくれないWhy don't you kiss me?キスしてさえくれないラグビーボール 追いかけてるいつも グランドの人じれったいちょっと こっちを向いて私 ...
  • 星座占いで瞳を閉じて

    星座占いで瞳を閉じて

    星座占いで瞳を閉じて次のページめくるの本当は知りたいくせに…星座占いで瞳を閉じてだって 恋の未来に女の子 臆病だから…カフェテラスのテーブル開げた雑誌あなたと2人して読んでいたけれど次の次のページはなぜか 恐くてちょっと 飛ばしましょう”そんなの関係ないじゃないか”とあなたは笑っていうけど だめ!占いが悪かったら思わず...
  • 恋模様

    恋模様

    そんな暗い顔で話しかけないでこっちまでも淋しくなるわ何て言えば 少し笑顔見せられる肩を抱いて 悩んでるの彼 いい人でしょ本気で愛したわあぁ 頬を染めてうれしそうに何度でも話してた思い出を振り返り大事にしてもダメとは言わないわけど… 胸がいたいこんなかわいい子を誰が泣かせるの私一人 頭にきてるつい こないだまでは 彼女抱...
  • 愛の漂流者

    愛の漂流者

    人混 ぶつかる肩後ろで 怒鳴る声ふと気づけば あなたのいない都会(まち)は孤独の 波が寄せる海ざわめく うねりの中私は ゆれる箱船(ふね)ヘッドライトの稲妻くらむ夜へさらわれてゆく 果てしなくねぇ あんなに 憎んだのにねぇ なぜ今も いとしさを消せないの心が叫んでるわあふれる 涙こらえこんなに 叫んでるわ暗い 遙かな波...
  • Unbeliever

    Unbeliever

    真っ青な月が 雲間に揺れたら廃屋(はいおく)のバラ 壁に揺れる記憶と希望の 区別ができないこの街は夢 誰も目覚めないバビロンの天使翼を はずしましょう傷ついて 泣くより今は 何も 信じないあやふやな あなたにはもっと 謎を 見せたいの真っ青な月が 磁石を狂わすこの街は もう 誰も 動けないすれちがう顔は 双子の恋人カフ...
  • 月曜日の失踪

    月曜日の失踪

    Bag つめ替えて Trip 出かけるスーツと ダイアリーに サヨナラStep 照り返す Street いつもの駅とは 逆のコース 目指して月曜のニュースを積んだ自転車を 倒して逃げ出すのよ 今すぐにこのままじゃ 生きてゆけないとタイムカードに 赤く書いたせつなげな 覚悟のルージュを友達が 見つける頃ね oh oh f...
  • 瞬間の海

    瞬間の海

    この恋を終わりにしたわけじゃないのよ起こさずに 部屋を出たけど朝焼けが銀貨をまき散らす渚ヘアクセルをふむ ひとりきまずい ゆうべを悔やんでるけど wowこのカーブ 曲がりきれば景色が変わる瞬間 見た 海の青さはせつない心 目覚めさせる瞬間 来た 胸に真実そうよ 気まぐれさえ出来なくなるほどひかれちゃ ダメただ 愛しすぎ...
  • 素直に言って

    素直に言って

    春の日ざしが今 優しく照らしてるいつも ほほえみを たやさないで窓にうつる花も きれいに咲いてるからもう 私のそばに来て ずっとあまえていたい今まで いくつもの日々 送って来たけど貴方の瞳 見てるから 抱きしめて今空にうかぶ 輝きよ ずっと胸にやすらぎをあぁ 星は流れてゆく瞳を閉じたまま 誰を待っているの何度 泣き顔を...
  • 断崖

    断崖

    Crazy ドレスの Crazy 裾さえズタズタにされてCrazy それでも Crazy ハートはからみついてたいひと夜くらい2人 一緒にいてもそれが? それが?ベイ・ブリッジの風が 蒼ざめた頬激しく ゆする昼の光は夜を 永遠(とわ)に知らない安っぽい感傷に Ah 溺れるの私だけいいえ… 束縛はしないつもりだわけれど…...
  • 秋子

    秋子

    パズルゲームのかけらを ポケットに秋の気配を 聞いているさみしがりやの誰かが てれながら誘うことばを そらしているこんな日暮れに 偶然に出会ったことまえに あったから未練だね 未練だね 立ちどまってる未練だね 未練だね 待ちわびている通りすぎてゆく 秋にあぁ ふるえてるとうにすたれた ビーズのクリップに触れるともなく ...
  • 奇跡の肖像

    奇跡の肖像

    グラスにワインを花瓶にスミレを私にあなたの愛を吐息でとかした闇より ひそかにふたりの歯車 回り出す名前さえ 脱ぎ捨てていま出逢う ちがう自分My Virgin Face誰にもまだ 知られてない私を見て女は愛の前で 目覚めるのね奇跡のように 美しく星座は季節を教えて 輝くあなたは 永遠 教えてねベランダに 逃げているその...
  • 証拠をみせて

    証拠をみせて

    曲がりくねったスパイラルの上昇ってく あたしの心登りつめた恋しさだけが踏み迷う さみしさの底ここはどこなの あなた心の中 それとも記憶の中 未来の中手をのべて抱きよせても まだ考えてる何かがわからないの ゴメンまだ わからないの ゴメン聞かせて強い言葉 迷いがとけるわ今 証拠をみせてほしいわ証拠をみせてほしいわ 直接困...
  • パッセージ

    パッセージ

    海岸線 飛ばしてやって来た 2人きりいつものグループ抜け出して…顔馴じみ ダイナー席順も決まってるいつか ふり返るパッセージ風が吹く 海辺夏の日々の話し声砂の上で 踊るの…笑っちゃう きっかけね 思いきり肩を叩いて誰かの名を呼び手をつなぎ横顔を 確かめた時に気づいてごめんと 言った人半年以上だね君のこと 見つめるの恋し...
  • さよなら夏のリセ

    さよなら夏のリセ

    マロンショーの香りがあふれ出した街からあの人の面影と夏の日を追いかけゆっくり輪を描いて海鳥も巣に帰る夕方のかけら落ちた白い海岸ありったけの絵の具を胸の中に散らしてみても移り変る色をなぞる言葉も知らない空と海の色が好きと言ってた子供の頃描いたブルーだけの風景今では屋根裏部屋トランクの中遠い国にいる人何故か今はとても近いの...