• 岡千秋

    「1197」
  • 長良川艶歌

    長良川艶歌

    水にきらめく かがり火は誰に想いを 燃やすやらあなた あなたやさしい 旅の人逢うたひと夜の 情けを乗せてこころまかせの 鵜飼い舟好きと言われた 嬉しさに酔うて私は 燃えたのよあなた あなたすがって みたい人肌を寄せても 明日は別れ窓に夜明けの 風が泣く添えぬさだめと 知りながらいまは他人じゃ ない二人あなた あなた私を...
  • 親父のハガキ

    親父のハガキ

    むかし親父が 戦地で出した金じゃ買えない このハガキ幼い頃の 姉さん宛ての「ゲンキデ アソンデ オリマスカ」わが子を思う 親心俺は初めて 読んだのさ合歓(ねむ)の花の絵 一輪添えて愛を伝えた 牡丹江(ぼたんこう)会いたくなって 抱き上げたくて「シャシンヲ マイニチ ミテイマス」手書きの文字の 懐かしさ雨か涙か 染みた跡...
  • 人生一勝二敗

    人生一勝二敗

    季節はずれの 篠つく雨に耐えて咲いてる 花もある男の生きざま 見るようなこんな景色が 俺は好き勝つも負けるも 浮き世道そうさ人生 一勝二敗で丁度いい若い時には 只がむしゃらに勝ちを見つめて 生きてきた振向きゃあの人 旅の空生きてここまで 来れたのは俺の小さな 勝ち星だそうさ人生 一勝二敗で丁度いい夢で枕を 濡らした夜も...
  • この世は女で廻るのよ

    この世は女で廻るのよ

    この世は女で 廻るのよ女は男に 磨(みが)かれて綺麗(きれい)になるのよ 艶(つや)がでる惚れたら心底(しんそこ) 尽くし抜き可愛(かわい)がられる 花になれこの世は女で 廻るのよ廻るのよ 廻るのよこの世は女で 廻るのよ恋した男は 数知(かずし)れず涙が女の 翳(かげ)になる憂愁(うれ)いを含んだ 眼差(まなざ)しが妙...
  • 海峡挽歌

    海峡挽歌

    夕やけよ…あの人を ここまで連れて来い嘘つき鴎(かもめ)の 馬鹿野郎おんな心の 純情と命の半分 あげたのに海峡渡って 行ったきり 行ったきりあゝ指先に 陽が沈む夕やけよ…泣きだせば 嫌いがまた好きにこのまま逢えなきゃ 死んだ人髪を切っても まだ三ッ月(みつき)身体がぬくもり 恋しがる海峡渡って それっきり それっきりあ...
  • 昭和流れ星

    昭和流れ星

    演歌はいいよなァ ぐらり酒演歌はつらいなァ 泪酒この世とあの世が 通せんぼこんな世間の かた隅で「いいじゃないか…」 俺(おい)らは昭和流れ星昔という奴ァ ささくれて昔という奴ァ 酔いぐれて三途の川より ネオン川月が背中で 笑ってる「いいじゃないか…」 俺らは昭和流れ星生まれてこなけりゃ 故郷(ふるさと)が生まれてきた...
  • アホやなあ

    アホやなあ

    握りしめてる 手の中は別れの手紙と 部屋の鍵アホやなあ アホやなあ ああ アホやなあ夢とあなたを 積み残し夕焼け行きの 汽車が出る指を折っては いい時の想い出いくつも 数えてるアホやなあ アホやなあ ああ アホやなあ笑顔無理して 作るたび涙が映る 汽車の窓遠い知らない 町で降り星降る夜空を 見上げたいアホやなあ アホや...
  • 冬の海峡

    冬の海峡

    今日も来ました あなたに会いたくて風が冷たく 船もないあなた あなた あなたどこに いるの どこに涙ちぎれます雪が混じりますあぁ ひとり 冬の海峡心細さを かくして生きてきた花が岬で 揺れるよにあなた あなた あなた夢が 欲しい 夢が今も恋しくて今も愛しくてあぁ ひとり 冬の海峡きっと会えると 信じて生きてます切っても...
  • 駅あかり

    駅あかり

    噂をきいて たずねて来たよ昔なつかし 湯けむり有馬指輪をすてて 一人になって待つと決めたの ネオン花逢いたいけれど 逢えるといいわいで湯の町に 駅あかり迎えにきたと おまえを抱いてそっといたわり 言うはずだった悔やんでいるの あの日の別れあなた許して くれますか今夜の酒は 想い出しみるいで湯の町に 駅あかり人情(なさ)...
  • 屋形船

    屋形船

    咲かせてみたいよ いつかは夢を実のなる花なら きれいでしょうね明日の約束 出来ないが季節のたびに 逢えるなら信じて生きよう 信じて待ちますしだれ桜の 屋形船あやまらないでと おまえは泣いた何故だかごめんと あなたは言(ゆ)うのすだれ障子の 差しむかい酔うほど愛を 注(つ)ぐお酒優しさあげたい ぬくもり下さい花火夕顔 屋...
  • 裏町のれん酒

    裏町のれん酒

    今日も一日 お疲れさんちょいと寄り道 裏通りいろいろあります 生きてれば アン アン泣いて笑って 笑って泣いて 憂さ晴らし胸にしみます 胸にしみます のれん酒席を互いに 詰め合って肩を並べる 馴染み客ふるさと自慢に 咲いた花 アン アンそっと熱燗 熱燗そっと 注ぎ足して今日の苦労を 今日の苦労を わすれ酒店に飾った 招...
  • 女 いのち川

    女 いのち川

    他人(ひと)の心の 移り気に泣いてせつない この世川思い通りに ならなくて水に流した 夢いくついつの日か たどり着きたい向こう岸女浮草 いのち川恋は泡沫(うたかた) すれ違い逢うも別れも 夢の川好きで別れた あの人の遠い面影 また揺れる悔やんでも 二度と過去(むかし)に戻れない涙浮草 いのち川嘘も真実(まこと)も 何も...
  • そんなに昔のことじゃない

    そんなに昔のことじゃない

    めざす駅まで ひと駅なのにキップ代さえ財布になくて線路を歩いた 唇噛んで先に望みはなかったがそれでも二人は幸せだったそんなに昔のことじゃない遠い昔のサムライみたいいつも片頬ゆるめるだけで素直に好きだと云えない男文句いわずについて来た愛しているから我慢が出来たそんなに昔のことじゃないこんなつもりじゃなかったなんてグチはお...
  • 涙しぐれ

    涙しぐれ

    心の傷あと かぞえて眠るそんな女の 不幸ぐせ涙しぐれが 想い出濡らすわたし 今夜も 傘がないあいたくて あいたくて好きだから あいたくて 泣いてますあなたの両手は 温かかった夢でいいのと 言いました涙しぐれが ぬくもり奪うひとり 生きては ゆけませんさみしくて さみしくて好きだから さみしくて こんな夜は愛する前から ...
  • おまえの子守歌

    おまえの子守歌

    季節にはぐれた 木枯らしを背中で聞いてた 夜の巷(まち)あれはおまえの しのび泣きごめんよ 男は 身勝手で逢いたいんだよ もう一度忘れられない… 逢いたいよぬくもり探して 夢の中やっぱり呼んでる おまえの名今もうらんで いるだろうごめんよ 男は 意気地なし逢いたいんだよ どうしても胸が痛むぜ… 逢いたいよ酔いどれ千鳥の...
  • 港に向いた窓

    港に向いた窓

    ため息まじりの 霧が流れて女は今夜も ほおづえついた煉瓦(レンガ)通りの 向こうがわ港灯りが ぼんやりにじむぽとりと 女は 涙をこぼす淋しいんだろ 淋しいんだろひとりぼっちは…靴音ひびいて 影が過ぎれば古びた木枠(きわく)の 出窓が開く霧がこんなに 濃い夜も船を待つのか 瞳を凝らし汽笛が 女の 心を乱す恋しいんだろ 恋...
  • ドスコイ人生

    ドスコイ人生

    土俵の相手にゃ まけない俺も恋のさばきは 苦手だとぼやけば隅田の 川風笑う図体ばっかし でっかくて手がつけられない 暴れん坊だけど、やっぱり気になる あン畜生!男はドスコイ女もドスコイドスコイ ドスコイ ドスコイ ドスコイおーりゃー!ガチンコ勝負だ ドスコイ人生やる気だせとか 目的もてとかやたら偉そうに 言うやつは黙っ...
  • 忍野八海かくれ里

    忍野八海かくれ里

    初めての旅だから とても嬉しいの一緒にいられる そのことが茅葺(かやぶ)き民家と 鏡のような水面(みなも)に映った 逆さ富士忍野八海…風もやさしい かくれ里悲しみも微笑みも ともに分かちあうあなたの他には 愛せない幼いむかしに 戻ったようにこころが和むわ 水車小屋忍野八海…肩に甘える かくれ里誰からも許されて いつか幸...
  • 花をおまえに

    花をおまえに

    空に浮かんだ 小さな雲は虹を引き寄せ 流れゆく同じ名前(みょうじ)に なれないけれど黙って後から ついて来るやがて大きく 咲かせた花に倖せのせて おまえに送る雨に濡れてる 小さな肩にそっと差し出す 蛇の目傘苦労つづきの 人生だけどいつかは実のなる 時を待つやがて大きく 咲かせた花に倖せのせて おまえに送る冬に押される ...
  • 風未練

    風未練

    風がヒュルヒュル 胸に吹いて人もまばらな 北の駅噂追いかけ ここまで来たどこにいるのよ 今頃あなた心変わりは なぜですか 今すぐ おしえて訳も聞かずに この恋を 終れない涙ゆらゆら こぼれ落ちて文字がにじんだ 時刻表戻る約束 信じたのにもしもあなたが 幸せならばいいの会わずに 帰ります 声さえ かけない何も知らずに こ...