• 岡千秋

    「1197」
  • おんなの四季

    おんなの四季

    春は薄紅 花吹雪夏は朝顔 露なみだ季節移ろう そのたびに想いの色は 深くなるおとこ次第で おんなは変わるあなたの花に なりたいのおんなですもの 夢に舞いおんなですもの 恋に酔う抱いて抱かれる 幸せが素直にさせて くれるからたった一夜(ひとよ)に おんなは賭けるきれいな蝶で 翔べますか秋は錦の 落葉道(おちばみち)冬は雪...
  • なみだ川

    なみだ川

    北の窓から 見えるのはネオンで変わる 川の色赤い川なら あの人のぬくもりやさしさ 思い出す青い川なら あの夜の別れに泣いた なみだ川冬の風鈴 風に鳴るチリリンチリと 鳴って止むいのち丸ごと 差し出してあなたに預けた 恋でした飲めぬお酒の ちからまで借りては泣いた なみだ川夢を積んでは また崩す子供のような 人でしたおん...
  • 炎の川

    炎の川

    隠れ里… 緋色(べに)が揺れます 京友禅(ゆうぜん)の川面(みず)に運命(さだめ)が 浮き沈みゆらゆらと… 何処へ流れる 炎の川よこの命 欲しいと言えば愛を叶えて くれますかむらさきの… 夜に抱かれて 聞く瀬音ふたり渡れぬ 向う岸あかあかと… 闇を彩る 大文字山(だいもんじ)この縁(えにし) 結んでみても恋は哀しい 迷...
  • 雨女・雨男

    雨女・雨男

    いつも私は 雨おんないいえあなたが 雨男着物に着がえて あなたと逢えば思いがけない 通り雨雨もいゝねと 袖すり坂を相合傘の ふたりでした愛の深さで けんかしておちょこ交して 仲なおりお酒は お酒は 恋する味ねあまさ せつなさ ほろにがさ好きで二年も つき合いながら浮気をされて 別れたのよあなたしのんで さまよえばさくら...
  • 海峡のおんな

    海峡のおんな

    生きるか死ぬかの 恋ひとつあなたはあっさり その恋すてた意地があります わたしにも生きてみせると 笑ったけれど泣きたくなって 船に乗るあまえて暮らして いたころはしあわせだったわ お化粧しても鴎おまえにゃ わからない二年もたない 男と女はかないものです 人生はみれんの断片(かけら)は ハンカチに包んで流そう この海峡に...
  • 風の海峡

    風の海峡

    裾(すそ)にからんだ 小さな砂を払えば未練が こぼれます一日早く 忘れたら一日早く 出直せるああ‥褪(あ)せて淋しい 口紅(べに)の色風の海峡 港町いつも優しい 心の奥に別れを隠して いたあなた幸せですか 今頃は幸せですか あの女(ひと)とああ‥こころせつない 風の音北の海峡 波が舞う命凍(こご)える 片道切符恋しい面...
  • おんなの北港

    おんなの北港

    漁り火が チラチラ揺れて未練深酒(ふかざけ) 心にしみる忘れた つもりでも酔えば 酔えば なおさらに優しさを 優しさを 思い出す女泣かせの 北港 逢いたい…あなたひとすじに 愛してみてもはぐれ鴎か 男の心襟足 ほつれ髪なんで なんで またひとり悔んでも 悔んでも 遅すぎる遠い面影 北港 涙が…凍(こお)る嫌ですと あな...
  • 北浜恋唄

    北浜恋唄

    北浜おんなにゃ 化粧はいらぬ銀のうろこで 肌ひかるべんちゃら言われて 嫁こにきたが漁に出たなら 三月(みつき)はおろか長けりゃ ふた冬 待つ苦労それでも嬉しい 漁師の女房膝っこかかえて ため息ついて他人(ひと)にゃこの態(ざま) 見せられぬ男の生き甲斐 海原千里(うなばらせんり)女の支えは 泣かせる情けひとりじゃ蒲団が...
  • 北前おんな船

    北前おんな船

    紅を落として 涙を捨てて揺れる船縁(ふなべり) 身を寄せる恋はうたかた 夢はまぼろしこれでいいのと 唇噛んでまかせた船は 北廻り舞鶴みなとが 遠ざかる髪のほつれを つくろう指にしみる潮の香 恋路浜男うつり気 女ひとすじ恨み残せば みじめなだけねいのちをかけた 人だもの越後の岬に 日が落ちる夜が明けたら 和服(きもの)を...
  • 大漁華しぶき

    大漁華しぶき

    波をけちらし 港に入る船に五色(ごしき)の 旗が乱れ舞う海の神さま まる一年もわたしの大事な 大事な人を守ってくれて ありがとうエンヤー ヨイショ エンヤー ドッコイ濡れてうれしい 華しぶきはじめ豆粒 近づくたびに船の息吹きが 熱くつたわるよ潮のにおいは あんたのにおい枕をぬらした ぬらした夢に今夜は燃えて 泣いてやる...
  • 緋牡丹慕情

    緋牡丹慕情

    一枚二枚と はじらいながら夢の重ね着 脱ぎ捨てるここまで来たなら 戻れないあなたと墜ちます 罪の渕燃えて乱れて 緋牡丹はいのちを咲かせる おんな花枕のあかりを 吐息で消して閉じた睫毛に やどる露針ふむ思いの しのび宿身も世も失くした 闇の中泣いてすがって 緋牡丹はいのちをいろどる おんな花こがれて待つ夜は 死ぬほど長く...
  • 海山千里の道を行く

    海山千里の道を行く

    悔し涙の 裏側に夢の一文字 隠してる人生一度 命はひとつ今は我慢の 向い風花よ咲け咲け この肩に海山千里の 道を行く恋の盃 干(ほ)せぬまま浮かぶ面影 ひとり酒人生一度 心は熱くからむ未練を 振りほどく涙散れ散れ この胸に海山千里の 道を行く浮き世嵐を 潜(くぐ)り抜けいつかこの手に つかむ夢人生一度 望みはひとつ先を...
  • 命かさねて

    命かさねて

    やけ酒の… グラス優しく 取りあげて男じゃないのと 叱ってくれた奴俺のこころの 雪割り草にやっと逢えたよ 旅路の町で…今日からふたり 人生ふたり命かさねて おまえと生きるかくしても… 白いうなじの か細さがおまえの苦労を しみじみ物語る女ひとりで 東京あとに越えた海峡 さいはて暮らし悲しい過去も 涙の理由(わけ)もなに...
  • 歳月

    歳月

    朝焼けの 光る浜辺に 我立ちて潮騒に胸の高鳴り 聞いた日よ夢遥か 遠きふるさと 振り向けば懐かしき父母(ちちはは)の顔 ふと浮かぶ傷つきながら つまずきながらそれでも独り 歩いた この道…ありがとうの言葉しか 今はないけど雲ひとつない 蒼空(あおぞら)のこころで生きた 我が歳月降りしきる 雪の荒野を さすらって裏切りに...
  • 蜻蛉の恋

    蜻蛉の恋

    この世に生れて この世に生きて女は短い 惜春(はる)に咲くめぐり逢っては いけない人にすべて投げ捨て 尽くしても運命 儚い 蜻蛉(かげろう)の恋愛する深さを 測れるならば心を切り取り 見せるけどふたつ枕に 泪(なみだ)の添い寝乳房(むね)の痛さが 苦しさが逢瀬 儚い 蜻蛉(かげろう)の恋憂(う)き世の河原に 小石を積ん...
  • さいはて慕情

    さいはて慕情

    宗谷岬は 春まだ遠く浜辺に寄せる 流氷の軋む音さえ 心を乱す末枯れた原野 サロベツは夕日に色づき 風の中恋しさ募(つの)る 利尻富士霧にだかれた ノシャップ岬胸を裂くよな 荒波よカモメ泣くよな 波止場の灯り未練の涙 頬伝う別れの明日を 知らないで面影ゆれる 礼文島凍る大地で 添えない人に熱い気持ちを 伝えたい愛するあな...
  • ほっといてんか あんな阿呆

    ほっといてんか あんな阿呆

    ほっといてんか あんな阿呆夢がこの先 持てないと他人になった筈やのに宵から胸がチクチク痛むお初天神 そぼふる雨が惚れたら負けやと この身を責めるほっといてんか あんな阿呆ほっといてんか あんな阿呆オレの命や宝物何んとかよりを 戻したいてなことゆうて しょげてるらしい夜の曽根崎 情にはあつい堪忍したりと 灯りが揺れるほっ...
  • 恋々酒場

    恋々酒場

    差しつ差されつ 寄り添えばときめく心が せつなくて噂に噂に なりたいなあなたと噂に なりたいなシャンシャン シャシャンと お手拍子紅もほんのり 恋々酒場女心も 気付かずにいつでも笑顔の 罪な人きれいにきれいに 咲きたいなあなたと二人で 咲きたいなシャンシャン シャシャンと お手拍子そっとため息 恋々酒場目には見えない ...
  • 東京赤とんぼ

    東京赤とんぼ

    追われるように ふるさとを離れて 東京 浅草ぐらし空に聳(そび)える スカイツリーに負けないように 励ましあって姉さんと 妹と 肩寄せながら涙でかぞえる 東京赤とんぼやさしい町に 背をおされ明るく 笑顔で くらしていても二人やっぱり 思い出すのは祝いの酒と 祭りの太鼓父さんが うたってた 十八番(おはこ)の歌が聞こえて...
  • 帰るのね

    帰るのね

    帰るのね 帰したくない泣くじゃない 泣けちゃうの 帰るのね頬を寄せ合い じっとこの儘…ゆれるキャンドル ビオラが咽ぶあゝ明日を待つなんて とても待てない好きだから 抱きしめて離さない 離れない窓に雨 朝よ来ないで泣くじゃない 泣けちゃうの 帰るのね恋に終りが もしもあるなら…涙お拭きよ 解っているよあゝ幸せ待つなんて ...