• 岡千秋

    「1197」
  • 俺たちの明日

    俺たちの明日

    何もかも 半端だと涙ぐむ 夕暮れバカ野郎 泣くなよと叱って くれる奴10年目の 再会は Ha Ha Hanあの日と同(おんな)じ 風の中変わらないさ 変われないさ それでいいのさ人生語るには まだ早いから失なった 夢(もの)だけがうしろから 呼んでる道程(みち)ばかり 果てしなく明日(こたえ)は 見えなくて春夏秋 駈け...
  • 夢花火

    夢花火

    一たす一は 二にならぬままにならない この世ですあゝ一夜(ひとよ)の祭りさ 人生はあゝくよくよ泣いてる 暇はない女 女心の 真ん中にどんと一発 ああ…夢花火ひとりじゃ誰も 淋しくてかわす笑顔で 注ぐお酒あゝ最初は他人の あなたでもあゝいつしか大事な 人になる女 女心が ときめいてどんと一発 ああ…夢花火涙の川を 越えて...
  • 泣きむし蛍

    泣きむし蛍

    赤いネオンの 水たまりはぐれ蛍が 目を覚ますきっと嘘つき あの男(ひと)も命燃やして 何になる夜にさすらう 女たちみんな何故だか 似ていますひとりふたりと 肩よせて問わず語りの 涙虫枕濡らして 夢の中母さん 甘えていいですか盆に帰れぬ わるい娘(こ)が遠く手向(たむ)ける 女郎花(おみなえし)にごり水でも 生きられるそ...
  • 情け雨

    情け雨

    後は追わない 約束の小指からめる ひと夜宿一途な目をした この女(ひと)に淡(あわ)い倖せ 何故やれぬばかな男を 責めるよに肩に冷たい 情け雨闇のむこうで 紫陽花が雨に打たれて うなだれる花より儚(はかな)い この女を散らせたくない 夜半(よわ)の風遠く離れて 行く俺の心ひとつを 置いてゆく雨よ思いが あるのなら明日の...
  • おまえが命

    おまえが命

    あの日のままだよ 綺麗だよ瞳(め)を見りゃわかるさ 心の中はひとりが似合いの 女だなんて言わせるものか もう二度と…離しはしない 離さない俺のみちづれ おまえだけ…おまえが命誰かに幸せ 譲るたび身も世も痩せたか 三日月よりも裏切らないのは 酒だけなんて強がる癖を つい叱る…むかしの古傷(こと)は 忘れなよ俺のみちづれ ...
  • 鎌足桜

    鎌足桜

    きれいに咲いて 誰を呼ぶ問えばはじらう 紅ほのか咲くまで待とう 咲いたら逢える今は昔の 春よ恋さくらよさくら くらくらさくら君来ませと 誘うのか 鎌足桜鎌足公(さん)の 置き土産杖に芽生えた 花の縁(えん)歳月重ね 憶いを重ね八重に匂えよ 咲き誇れ観音さまの 姿を抱いて春惜しむや 二度咲きの 鎌足桜桜の花の その下で人...
  • 俺たちの青春

    俺たちの青春

    負けなんて 言葉など俺たちに なかった朝焼けの 高速道路(ハイウェー)東京 めざした日蒼い林檎 噛みながら Ha Ha Hanヒーロー夢見た あの若さ…過ぎてみれば 過ぎてみれば それが青春人生語るには まだ早いけどデカいこと やろうぜと遠吼(とおぼ)えた 星空あの頃は 良かったと酔いどれ ガード下同じ女 好きになり ...
  • 恋慕川

    恋慕川

    私が小さな 川ならばあなたは遥かな 群青(あお)い海そばで一緒に いたいから募る想いは 蝶になる千年を…あぁ…抱きしめてあなたへ流れる 恋慕(こころ)川女の弱さは 捨てました女の涙も 捨てましたきっと必ず 逢えるからそうよ何にも 恐くないこの川を…あぁ…迷わずに信じて流れる 恋慕川春には優しい 桜(はな)になり冬には静...
  • すずめは雀

    すずめは雀

    海鳴りが 聞こえますひとりの港…山の雀が 住む場所(とこ)なんてどこにも無かったあなたと見てた 灯台のあかりが今日も 揺れてるすずめは雀 仕方ないのに涙が溢れて 止まらない口紅は 落としましょうひとりの港…だって綺麗に お化粧したら逢いたくなるから嫌いになると 決めたのに決めたらもっと 恋しいすずめは雀 忘れたいのに泣...
  • 刈干キリキリ

    刈干キリキリ

    枯れすすき 阿蘇(あそ)の山みて今日も高千穂(たかちほ) 幾曲(いくま)がり牛の鈴の音(ね) 聞いちょるだろか刈干(かりぼし)キリキリ 年暮(くれ)には帰る誰も風邪(かぜ)など エ…ひかんよに暮らせ秋祭り 炎(も)えるかがり火笛や太鼓の 夜神楽(よかぐら)もきっと帰りを 待っちょるだろな刈干キリキリ 野山に響く恋しなつ...
  • そして…雪の中

    そして…雪の中

    酔ってあなたに つかまりながら赤い傘さす 雪のなか往(ゆ)くか戻るか 恋路(こいじ)はひとつおちつく宿を さがしましょそしてそして そこから先はわたしにください その命旅の衣(ころも)を いちまい脱げば部屋に綴(つづ)れの 帯(おび)の川いいのこのまま あなたに抱かれたとえば赤い 雪の花そしてそして そこから先は湯(ゆ...
  • 長編歌謡浪曲 嫁ぐ日

    長編歌謡浪曲 嫁ぐ日

    明日は嫁ぐ日 父さんと暮らした家とも 今日限りあんなに反対 するなんて一人泣いた日 あったけど あったけど今ならわかるわ 親ごころまじめで頑固で お人よしいつでも私を 暖かく守ってくれてた あの日々もいつか遠くに なりました なりました父さん許して わがままを「お前はわしのかわいい一人娘や。その相手が髪は茶色でぼさぼさ...
  • 潮来情話

    潮来情話

    年令(とし)の離れた この人について行きます おんな舟噂かなしい さざ波川よ涙こらえて 漕ぎだす男女(ふたり)握る水棹(みざお)が 重くなる咲いてみたって 実のならぬ恋を承知で 流れてく霧が湧くよな 水面のくらさ心細さに 手をとりあって仰ぐ夜空に 天の河背負いきれない 宿命(さだめ)ならいっそ命も 捨てましょか月よ、照...
  • 袖摺坂

    袖摺坂

    言葉はなくても 目と目を見ればいまでは心の 奥まで分かる袖摺坂は 絆坂知らぬ同士が 浮世の露地でめぐり逢っての 縁結び夫婦は他人の 寄り合い所帯月日を重ねて 垣根が取れる袖摺坂は 心坂意地を張り合い 喧嘩をしてもすぐに笑顔の 差し向い貴方が男で 生まれるならば私は女で また生まれたい袖摺坂は 縁坂ここが二人の 始まりな...
  • 時は流れても

    時は流れても

    シベリアおろしの 季節がまた来たね瞼を閉じれば 女の顔があるああ いくら飲んでも酔えない 酔えない ひとり酒これでいいんだ たとえ心が痛んでもお前のせいじゃない真紅な角巻 舞いとぶ雪の華忘れちゃいないさ あの日の北の駅ああ 胸に刺さって消えない 消えない すすり泣きこれでいいんだ ついてきたって迷い道お前のせいじゃない...
  • 紅の舟唄

    紅の舟唄

    この舟が 酒田港に 着くまではわたしはあなたの こころ妻紅花とかした 恋化粧エンヤコラマカセの 舟唄に捨てて涙の 最上川 最上川少しでも 長く一緒に いたいから汽車には乗らずに 川下りあの山向うは 情け宿エンヤコラマカセの 舟唄にせめて濡らすな 別れ風 別れ風泣きません 泣けばあなたを つらくするみちのく短い 春の夜ふ...
  • 桟橋時雨

    桟橋時雨

    辛くなるから 見送らないでなんで言ったか 強がりを出船濡らして… 桟橋時雨宿のあなたに 別れを告げる女ごころの なみだ雨後を引くから 最後の夜は許さなかった 港宿窓にしくしく… 桟橋時雨こんな小さな 海峡だけど越えりゃ他人と 名が変わるどうぞ忘れて 私のことは早く見つけて いい女(ひと)を止んでまた降る… 桟橋時雨船に...
  • 京都の雨

    京都の雨

    あなたの胸に 飛びこめばふたりは今も 続いていたわ傷つくことを 怖(おそ)れてた私が憶病 すぎたのね清水坂(きよみずさか)から 祗園までひとり歩けばにわか雨 にわか雨こころの悲しみ 消えるまで京都の雨に 濡れたいの濡れたいのおんなはそうよ 誰だって愛する男性(ひと)と 結ばれたいの大人の恋愛(こい)と 割り切れず別れた...
  • カトランの薔薇

    カトランの薔薇

    風は木枯らし ニコライ坂を落ち葉集めて 冬仕度 冬仕度今も帰りを 待ちながら愛を忘れた 紅を引く好きなあなたの カトランの真っ赤な薔薇に 似たルージュたった一枚 薔薇の絵残し消えたあのひと 憎らしい 憎らしい鐘が悲しく 鳴り響くあなた逢いたい 今すぐに冬を越すたび カトランの真っ赤な薔薇が 紅を増す鐘が悲しく 鳴り響く...
  • しぐれ橋

    しぐれ橋

    揺れる吊り橋 小走り駅に傘を差す手の 重たさつらさ待てばじらされ 別れは早いひと夜限りの 迎えの汽車はこころ乱れる しぐれ橋昨夜(ゆうべ)夢では 炎と燃えて醒めたふたりを 鏡に映す冷えた指先 あなたの胸にそっとしのばせ 情けをさがす朝はなみだの しぐれ橋あなた似合うと 選んだ紬素肌通せば 愛しさつのる惚れたおんなの 未...