• 三木たかし

    「751」
  • 桜夜

    桜夜

    銀河を砕くように桜散るひとひら盃に浮かばせて映る月日を飲み干すように不意にあなたは去ってゆくしあわせかふしあわせかそれくらいわたしが決めてもいいでしょう花は咲き花は散りいつもいまでもあなたが好きです微かな恋ならば忘れましょう夢ならいつの日か醒めましょうけれどまごころ懸けた愛ゆえ永遠に忘れられないしあわせかふしあわせかそ...
  • 想い出の余白

    想い出の余白

    虹を散りばめる 夕日の色 静かな海凍える指に 息を吹きかけ 見つめているの肩寄せて歩く恋人達 しあわせそう気づかないふり してる私が とても寂しいもう一度だけ あなたの全てを感じていたいの 涙の跡埋ずめて奇蹟のように よみがえらせて想い出の余白 暖めて港を出てゆく外国船 何処へ行くの出来る事なら 私の心 乗せて下さいも...
  • 驛舎

    驛舎

    落葉がホームに音もなく舞い散るまるで私の心のように人影とだえたベンチで過去から逃げだす汽車を待つ愛にそむかれても心だけはあなたの部屋に置いてゆくわあの暮らしも想い出もこの驛舎に残してあの暮らしも想い出もこの驛舎に残してコートの襟たてうつむけば黄昏まるで映画の場面のように小さなトランクひとつがなおさら悲しい旅だけど愛にそ...
  • 道化師

    道化師

    優しい嘘が淋しく胸の中で渦をまいているわ終りの近い恋なら枯れた花のように 捨てて大人同志なら 傷つけあうより切なさの裏側で 許しあえば もう悲しくない涙なんかこぼさないと 心に約束昨日だけに しがみつけば あしたが見えなくなるわピエロよりも おどけてみる ふられ役をして本当は悲しいくせに逃げ足だけの言葉は罪を作るだけと...
  • ワインカラーの記憶

    ワインカラーの記憶

    ワインカラーに染めてる 暮れなずむこの都会(まち)のどこかであなたも住んでいるはず きっと誰かとめぐり逢いそして別れ 涙も枯れたいまは悲しみそれさえ懐かしくなる 愛の面影季節がひとつ変わるたびに 誰かと遊びの恋をしてみるけど わたしはまだ愛してる あなたのことだけをまだ愛してる せつないくらい硝子窓のむこうには しあわ...
  • 恋人たちがいる舗道

    恋人たちがいる舗道

    音もなく風に散る街路樹はしのびよる秋のいろ教えますお茶をのみ手紙書きおもい出すあのひとと散歩したこの道をまた逢いましょう あの日のようにさりげなく そしてうつくしく恋人たちが行きかう舗道私はひとり 見つめてるウィンドウのファッションも入れかわり行き過ぎたあの季節教えますおしゃべりで笑いこけ歩いたこの道を歌もなく行く私ま...
  • ひまわり

    ひまわり

    ひまわりが咲いている 窓の外夏の日がまぶしくて 目に痛い私 あなた 恋をしてなぜか 今は しゃべれない足音もたてないで さようならがしのびよる悲しみに つつまれて愛している 愛している 愛してる愛している 愛してるひまわりが咲いている 別れ道手をつなぎ歩いてる 泣きながら私 あなた 立ちどまり何か もっと 話したいくち...
  • 夕月白く

    夕月白く

    さよならばかりを見つめて来たの悲しみにふるえるうしろ姿を夜明けの橋は別れ橋泣いては駄目だとささやく声をきいた気がするどこか近くで愛したばかりに悲しくなってまごころを傷つけ誰も泣いてるふり向く坂は別れ坂小さなともしびこころにともし生きてほしいとそっとふり向くさびしい思いは誰でも同じうつむいて歩けば先が見えない日ぐれの道は...
  • 想いで迷子

    想いで迷子

    愛に溺れて あなたに疲れ生きることにも ため息ついてひとり口紅 ふきとるだけの生き方だけなら 淋しいこんな夜には少しお酒で泪の相手しましょうそしてぬけがらパジャマあなたのかわりに時はあしたを連れてくるけど過去のどこかで迷子になってる夢のつづきを 誰かに見ても若くないから あしたが恐い綺麗ごとなら 愛するだけで本当は何ん...
  • 破れハートに風が吹く

    破れハートに風が吹く

    とろとろ 夕陽(ゆうひ)がこぼれて落ちる空(むな)しい ひとりのカーニバル踊るリズムは ドラムカン破れハートに風が吹く泣きたい 泣きたい心のままに悲しみ 忘れて眠るまでくらくら 夜空がかたむき落ちるいつまで ひとりで踊るのか足につめたい アスファルト破れハートに風が吹く見えない 見えない心の灯(あか)り夜明けが そこま...
  • エキストラ

    エキストラ

    砕けたグラスが 思い出を消してく終りはいつでも TVドラマのようじゃない始発の電車が動き出す時まであなたが残した匂いに包まれているわ明日めざめたら いつものとうりに駅に向う人の中に埋もれ小さな笑顔で改札を抜けるいつもの私になるせつなせつなに生きてゆくわ いつかあなたは責めたけど遠い明日より悲しみの今日を抱きしめていたい...
  • ミッドナイト急行

    ミッドナイト急行

    カバンをにぎった 指先が白い悔んでるのって 聞いたら君は首を ふっておくれ友達も恋もおいて来た君だ最後に残ったギターもキップ2枚にかえたあゝ 青春は闇のトンネルだ誰でも一度は希望に目かくし明日の光 見失うあゝ そんな時 君はそばにいてくじけちゃだめだと ささえてくれるね走れ ミッドナイト急行口びるが寒い 夜ふけの汽車だ...
  • 待ちくたびれてヨコハマ

    待ちくたびれてヨコハマ

    海の見える丘は風が強くてあなたの胸に頬うずめて泣いたあの日ヨコハマどこにいるのあなた何してますかカモメが見つめてた二人の恋はどこに消えたの待ちくたびれて嫌いになれぬこの想い淋しがり屋に私をさせてそのままでああいますぐああ逢いたい待ちくたびれてそれでもあなた恋しがるせめて声だけでも聴かせてくれたらベルの鳴らぬ電話部屋に残...
  • 大江戸瓦版

    大江戸瓦版

    古今東西 お待ちかね 瓦版だよ 瓦版 古今東西 お待ちかねさあさあ‥‥ 読んでけ 持ってけ かっぱらい‥ってか どーしたい?さて 安政二年は 神無月更けて寒露(かんろ)の 亥(い)の刻(こく)に 本所 深川 八丁堀で天地揺るがす大鯰(おおなまず) グラグラ暴れて一万長屋を エエ…ぶっこわすちょいと妬けるね 甚助(じんす...
  • 車輪 with 井上芳雄

    車輪 with 井上芳雄

    今は 苦しくてそれでもなぜ 生きようとこらえようと するのだろう明日を信じて しまうんだろう咲いては枯れて 朽ちてく花も忘れたころに いつか実をつけるよ時は 止まらない(めぐりめぐる 車輪のよう)まぶしい夢も かなしみも(くり返すよ 幾度となく)めぐりめぐる 車輪にのせて(止まらない)全部 昨日にかえてゆく(round...
  • 届かなかったラヴレター

    届かなかったラヴレター

    あの日とおなじ 空に出会うたび泣きそうになる 私がいるよく晴れた 坂の途中振り向いて 微笑んだ人それは他愛もないくせにかわりのきかない日々でした一粒の勇気 それさえあったらこんなに悔やまないのでしょうごめんなさい ありがとうずっとあなたを 愛していました声を枯らして叫んでももう届かない言葉たちもう届かないラヴレター残さ...
  • 津軽海峡・冬景色

    津軽海峡・冬景色

    上野発の夜行列車 おりた時から青森駅は雪の中北へ帰る人の群れは 誰も無口で海鳴りだけを きいている私もひとり 連絡船に乗りこごえそうな鴎見つめ 泣いていましたああ 津軽海峡 冬景色ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと見知らぬ人が指をさす息でくもる窓のガラス ふいてみたけどはるかにかすみ 見えるだけさよならあなた 私は帰りま...
  • みずいろの手紙

    みずいろの手紙

    “お元気ですか?そして 今でも愛しているといって下さいますか”みずいろは涙いろ そんな便箋に泣きそうな心を たくしますあれこれと楽しげなことを書きならべさびしさをまぎらす私です逢えなくなって二月過ぎてなおさらつのる恋心手紙読んだら少しでいいから私のもとへ来て下さいみずいろは涙いろ それを知りながらあなたへの手紙を 書い...
  • 皿山情話

    皿山情話

    小雪をひとひら この手にのせりゃ短い命が 消える様に私が死んだら 泣いてくれるでしょうか恋しいあの人愛しても 添えぬ人だと 言いきかせ運命(さだめ)を恨(うら)めば 切ないこの世を妬(ねた)めば 悲しいはらはらと降る雪よ なんにも知らないでああ佐々皿山は ああ雪化粧椿のつぼみは 冬でも咲ける冷たくされても 美しく私のこ...
  • ひとひらの雪

    ひとひらの雪

    忘れたい 忘れてた 昔々のことなのに何で声なんか かけてくれたかしら…カクテルの 頼み方 あまり記憶の確かさに用があるように 席を後にしたの…真夜中の鏡台(かがみ) 化粧を 落とせば映るのは もう愛された あの私じゃない好きよ… 好きよ… 好きよ… 好きよ女だけ 変貌(か)えながら 時は無慈悲に過ぎて行く好きよ… 好き...