• 三木たかし

    「751」
  • 忘れ草

    忘れ草

    消えるはずがない 淋しさ消せるはずがない 昨日心にふりつもる雪過去という名のボタン雪この世にどうして咲こうとするのか宿命(さだめ)知り乍(なが)ら……おれもおまえも どうせ二人は冬の忘れ草みえるはずがない 行く末ともるはずがない あかり春でも凍りつく道つらいこの世のけもの道他人(ひと)にかくれて咲こうとするのか宿命(さ...
  • 倖せになりたいなァ

    倖せになりたいなァ

    倖せになりたいなァ小雨に打たれ 咲く花見ればしみじみと 恋しさつのる 夕暮れよ倖せになりたいなァ泣いて 泣いて 泣き濡れてあのひとを 今日も待つ泣いて 泣いて 泣き濡れて人は皆 恋をするのにあぁ 夏は まぼろし…あのひとに逢いたいなァ飛び立つ鳩を 見上げてひとり淋しさに名前を綴る 砂山よあのひとに逢いたいなァ泣いて 泣...
  • 心の瞳

    心の瞳

    心の瞳で 君を見つめれば愛すること それがどんなことだかわかりかけてきた言葉で言えない 胸の暖かさ遠まわりをしてた 人生だけど君だけが いまでは愛のすべて 時の歩みいつも そばで わかち合えるたとえ あしたが少しずつ 見えてきてもそれは 生きてきた足あとが あるからさいつか 若さを失くしても 心だけは決して 変らない絆...
  • 乱されて

    乱されて

    愛の暮しに疲れた あなたの背中を窓から見送ることが 最後のつとめねいつも二人を映した 化粧鏡はいまではひび割れたままけんかの名残り そのまま乱されて 身も心もやさしすぎた あなたに乱されて 身も心もしあわせに 背をむけて涙みせたらあなたの 荷物になるから心をたち切ることが 女のやくわりいいのわたしのことなら 心配しない...
  • 夢待ち通り

    夢待ち通り

    賑やかだったアーケード歩く人影もまばら昔馴染みの魚屋の大将背中丸めて 雨の中…かける言葉も 見つからないけどせめてこの傘差し出しましょう頑張って ねぇ 頑張って頑張って ねぇ 頑張って想い出ばかり手繰っては無理に笑ってみせるケンカも恋も この町にあちこち染みついてるよ 雨の中…懐かしい あの歌 思い出せないけどせめてこ...
  • おんなの西銀座

    おんなの西銀座

    夜の谷間に いのちを張って生きてる女が 泣かされるたかが一人の 男だと思い切れない 恋無情銀座の隅にああ… 女はしのび泣く夢がなければ どうしてこんな火のようなお酒を 飲むものか誰を うらみもしないのにまたも 泣かせの通り雨銀座の雨はああ… 女の胸に降る紅い灯も泣く やつれた影に非恋を語る 数寄屋橋どこに流れる 流され...
  • 女鳴き砂日本海

    女鳴き砂日本海

    宿の枕が固過ぎて眠りも浅く 夢も見ず遠いあなたを 恋しがるだけつらい 夜でした女ひとりの 旅の朝ふらり歩けば 日本海砂が泣くことを知っていますかキュッキュ キュッキュと 泣くのですあなた恋しと呼ぶのです海に嵐が吹き荒れて季節が冬に 色を変え砂のおもても どこか蒼ざめ寒い 朝でした女ひとりの もの想いこころ揺るがす 日本...
  • 愛の暮色

    愛の暮色

    街は夕闇の中にとけて行く人は賑わいをおいてさって行くあの日の身なりで あの日の心で私はひとりここにここに来ました自分のこの目で 自分のこの手であなたの愛をたしかめに来ました街に思い出の風が吹いている人が悲しみを胸にだいている心は変りやすいものだと聞いてます切れた糸は結べないと私知っています街は夕闇の中にとけて行く人は賑...
  • 昨日までの顔

    昨日までの顔

    風が冷たく吹き抜ける人がまばらに歩いてる赤いレンガ道あの人が好きでしたお別れも愛の形です私の足もとに 少女の抜け殻がポツンとひとつ 転がってます雨がひときわ強くなる街が背中を見せている暗い曲がり角美しい恋でした誇らしく人に話せます私の足もとに 少女の抜け殻が昨日の顔で 転がってます幾日も泣きました今日からは街を歩けます...
  • 忘れないで

    忘れないで

    あなたの愛情の 深さに溺れたらあしたが見えなく なってしまうからこのままそっと 自由に泳がせてあなたは他にも 守るものがあるたとえこの恋が 哀しく終わっても忘れないで わたしのことを時が流れて 誰かに出逢っても忘れないで 心の隅にもう 夢の中しか 逢えないからあなたの懐に とび込む勇気より普通の人生 いつか選ぶから想い...
  • さよならを越えて

    さよならを越えて

    海ぞいの 南の窓で金色の波を見ていたもう あなたと会わないとそれだけを決めた午後夢だといいね 愛した夜も千夜一夜 幻に変えていつも 愛しすぎる女たちなのに 心すれ違うばかり求めあって 生きていたかったさよならを越えてきらめきを忘れられずに流された とまどいの日々呼び続けたひとの名はあなただけと わかって真昼の月が 空を...
  • コーヒーショップで

    コーヒーショップで

    古くから学生の街だった数々の青春を知っていた城跡の石段に腰おろし本を読み涙する人もいたそんな話をしてくれるコーヒーショップのマスターも今はフォークのギターをひいて時の流れを見つめてる服装や髪型が変っても若いこはいつの日もいいものだ人生の悲しみや愛のことうち明けて誰もみな旅立ったそんな話をしてくれるコーヒーショップのマス...
  • おっぱいがいっぱい

    おっぱいがいっぱい

    ぼくがのんで いもうとものんだのにちっちゃくならない ママのおっぱいおふろのなかで さわらせてもらったら空気(くうき)たりない ゴムマリみたいぼくがのんで いもうとものんだからおっぱいがでない ママのおっぱいあまかったのか おもいだせないたくさんのんだはずなのに へんねおっぱいがいっぱい おっぱいがいっぱいおっぱいがい...
  • 悲しみの訪問者

    悲しみの訪問者

    夜更けの電話で 男(あなた)を許してしまう別れを決めてる 心の また裏腹で抱き合う それだけの 淋しいそんなふたりこの世の どこへも行けなくてそばで眠る そのときだけはきっと同じ夢を見て長い夜の どこかの果てで溶けてしまえたならそれでも愛だと それでも幸福(しあわせ)だと胸の中で いいきかせてる涙が好きだから哀しい靴音...
  • 雪割草

    雪割草

    遅い春でも根雪は溶ける冬の寒さに耐えて咲く雪割草は私の花よ暗い谷間のせせらぎを聞いて咲く日を夢にみる梅や桜の派手さはないがそっと咲きたい山の蔭雪割草は私の願い秘めた愛ならあの人に咲いて想いを届けたい春を招いて小さな花を咲かす命の愛らしさ雪割草は私のこころ夢をささやく花びらに愛の運命をたくしたい...
  • 愛の化石

    愛の化石

    「悲しみの涙が あの人の幸せに心をぬらした時それをひとは 愛と呼ぶのでしょうか孤独が 私の胸にあふれた時それをひとは 愛と呼ぶのでしょうかお願い 教えてあなた愛するって 愛するって耐えることなの」夜が燃えて とけるの離さないでこのままで いいのねなぜか こわいの「わずかな時の違いに 逢えなかった夜そんな 間違いでありま...
  • 別れましょう

    別れましょう

    忘れてほしいの 二人のことは愛の夢はいつかさめる時が来るわおさない顔して まどろむあなた鍵をおいて私ひとり部屋を出るわ別れましょう 別れましょう泣かずにあなた別れましょう 別れましょうさよならあなた忘れてほしいの 二人のことは蜜もやがて苦い味に変わるものよはだしで帰るわ ヒールを下げて白い夜明け涙こらえ街を行くわ別れま...
  • 想い出のカフェテラス

    想い出のカフェテラス

    ガラスごしの春の陽が水玉模様映しだすはじめて逢ったカフェテラスあれから季節は流れて追いかけてしまいそうなのあなたをもう一度泣き出してしまいそうなの淋しいこころは今なら素直に好きだと云える私には遅すぎたの恋する気持が想い出いろ白い椅子あなたの言葉風の音ひとりで座るカフェテラスあれから季節は流れて追いかけてしまいそうなのあ...
  • 少女恋唄

    少女恋唄

    きっとあなたに渡そうと白い鈴蘭抱いてますやるせないほど待ちました小さな想いも乱れています頬の紅さえさめました花びらさえも日暮れ色影をふみふみ待ちましたあなたはあなたは来ないのですね泣いたりしないと決めたのに涙ふきますおさげ髪きつくくちびる噛んだけど恋する痛みは消えはしません...
  • ひとりぼっちの誕生日

    ひとりぼっちの誕生日

    わたしの部屋のキャンドルに灯りをつけて待ちましょうあのひとが帰って来そうだから天国のあのひとは小さな胸をたたくけれどもうこれ以上泣かないわひとりぼっちの誕生日グラスもふたつだしました一年前と同じようにあのひとは覚えているのかしらあのひとはお星様遠い国から光りをくれるもうこれ以上泣かないわひとりぼっちの誕生日天国のあのひ...