秋元康
「3249」東京タワーはどこから見える?
この歩道橋 渡る途中東京タワー見えなかったっけ?あの頃の僕は勘違いしてたよ世界のそのすべて見てると自惚(うぬぼ)れた君が少しだけ前髪を切っても誰より先に僕は気づいた(言い訳みたいに)愛は流されやすく気まぐれで(勝手なもの)寂しさが溢(あふ)れるからそばにいて欲しいよ都合いいかな記憶の断片を真実より美しく補正してそんなこ...夢の階段を上れ!
夢の階段を上れ!その先が見えなくても今の君にできることは汗をかくしかないんだ夢の階段を上れ!どんな孤独感じてもたった一つのゴールまではもう 今を疑わないあの日 客席から我を忘れるほど熱いそのステージ夢中で見入ってしまった優しいあのメンバー怖いあの先輩みんな 本気を出して戦っていた今日まで何をしたか?他人(ひと)より努力...少女には戻れない
螺旋階段が登りにくいのは前が何も見えないからでしょう先行く誰かの背中を頼りに人はみんな進んで行くものだからいい人なのか悪い人なのかと周りに聞いてもデータなし突然 出会ったそのサプライズに少しだけ 理性失ったのかな少女に戻ったようにこの胸キュンとでも純愛はもう 無理一段 登るたび木の床が軋(きし)む疑心暗鬼心が重くなる愛...オレトク
くしゃみをされると好きになるあの娘(こ)にどんどん惹かれてくクシュンと小さな声を出す OH OH仕草がとても可愛くて…どうでもいいそんなことさえこの胸がキュンキュンして来るよOH 恋とは発見なんだ誰も知らない秘めた楽しみそうさ 自分にとって最高 見つけること他の人にはまるで興味ないようなマニアックなことでも僕だけが喜べ...パーティーには行きたくない
お気に入りのあの服見つけられないクローゼット去年からずっと私 着てないのに…クリーニングに出してまだ返っていないなんてマジで最悪よおしゃれ できないじゃない?ママから何かを借りようドレス探したけどスパンコールなんて無理だわやめたパーティーにはもう行きたくない家にいよう彼も来ると言ってたからパスねこんな服で会いたくないの...円を描く
夕暮れ バスターミナルで君のこと 偶然 見かけたんだ部活の帰りに会うなんて神様が時間を調整してくれた気がしているよ声掛けてみたいと思ったけど夏服が眩(まぶ)しすぎて通り過ぎるだけ円を描く君を中心に円を描く僕の恋心円を描く近付けないまま切なくなる思いがもどかしい誰かを好きになることは運命を勝手に感じること自分の意志より確...100年待てば
街を走る路面電車がゆっくりと止まる音が好き急いだってしょうがないよって脱力したその感じ気になってる彼の前では口をすぼめ息を吐いてるの胸に思い溜まりすぎると重くなって来るじゃない?もっと普通の自分でいたいだけよ何も求めていない恋はいつだってなるようにしかならないこのまま100年待てばいいことあるかもね上手く行くかなイェー...奇跡の流星群
少しずつ傾いてく夕焼けに残された自転車まばら右側の5番目はまだ部活 終わらない君の存在がやがて影になる待ってても話しかけられるわけじゃない何も言えなくて空を見上げるよもし君に好きと今 言われたらそれは星の誕生くらいきっと ありえない出来事わかっているんだ恋なんていつだって一方的君が気づいてくれなくても僕は想うだけだ奇跡...自分の棺
偽りだらけのショーウィンドウ嫌いな顔が映ってる本当の愛などあるものか信じた奴が悪いんだそばを過ぎるクラクション無関心な夜の街泣いていないよ自分の棺用意しよう瞼(まぶた)を閉じながら青い月が影を落とし心 少しずつ死んで行く値札を貼られたしあわせがこれみよがしに並んでるこの手でガラスを破りたい傷ついたって構わない反射熱のア...1行だけのエアメール
突然のエアメールどこかの消印君らしい絵葉書海岸のフォトグラフ光が溢(あふ)れる思い出すよね あの頃元気ですか?たった1行端に書かれてるだけで僕たちは通じる大切なメモリーズ色褪せぬように僕宛に届いた若すぎたサヨナラ時代(とき)が流れても変わっていない関係こっちから返事を出さずにそのまま何年も待つんだ僕が答えたら始まってし...沈黙した恋人よ
岬の灯台海原 見下ろしながら眩(まぶ)しい日差しに時折 瞳細める中古のバイクでどれだけ走って来ただろう汗ばむTシャツ 太陽を吸い込んだまた夏がやって来る前に僕らが変わったこと ふと気づかされるこの沈黙君が指差すものを僕は見つけられない同じ青空を見ているのに鳥はどこへ行った?君が大事なものを僕は見過ごしているそばにいるこ...ドラマティック・レイン
今夜のおまえは ふいに長い髪 ほどいて光るアスファルト 二人 佇むああ 都会の夜は ドラマティック車のライトが まるで危険な恋 誘うよもしも このまま 堕ちて行くならああ 男と女 ドラマティックレイン もっと 強く 降り注いでくれ濡れて 二人はレイン もっと 強く 求めてくれ冷えた 躰で雨の音さえ 隠せぬ罪コートの襟を...あの頃の五百円玉
五百円玉が一枚あるだけでどんなものだって買えると思い込んでたあの頃 僕はまだ子どもだった引き出しのその奥に偶然に見つけた遠い昔に婆ちゃんにもらった何かのお駄賃だろう崩しちゃうのがもったいなくて蓋(ふた)が壊れたえんぴつ箱の下に隠してた本当に欲しいものがいつの日かできた時にこれを使おうって思ってたんだ五百円玉は宝物だった...硬い殻のように抱きしめたい
「何だか疲れちゃった」珍しく弱音を言った君らしくない君だから黙って そばにいてあげる何があったかなんて聞いたって何もできない涙を流してくれたら今より君は楽なのに…ああ…気の利いた言葉なんて思いつかないけど僕の腕の中に君を抱いて悲しみから守り抜こう生きてれば色々あるいいことばかりじゃないんだため息ばかりついてたら力が抜け...ごめんね、スムージー
ごめんね スムージーYeah! Yeah!偶然 彼と会って話してたから駅のスタンドで せっかく買ったのに手に持ったまま忘れてた絶対 溶けてるわ今 ストローで確かめてみたけどなんか水っぽくて大失敗誰かのことを好きになるともう他のものなんて目に入らなくなる全部 そつなくこなすのは無理そのうちにどれかを失うのよ愛は犠牲を払っ...