• 三木たかし

    「751」
  • 北上川

    北上川

    スナックのざわめきのその中でコーヒーの香りなど かぎながらなぜかしらおもい出す北上の川風にゆれていた白い花あれは去年の夏の日のひとり旅路の道すがら……今はまた悲しみにふさぎこみ旅人になりたいと思ってる早口のおしゃべりのくせがつきコーヒーもブラックが好きになり楽しいと思う日がなくなって北上のあの流れ思い出すちょうど去年の...
  • ねえ 卒業したら

    ねえ 卒業したら

    Ah…君は遠い 北国の街にAh…僕はいつも 忘れていないよやっと買った携帯 君の声が距離を縮めて 逢える気がするねえ ヒロシ TOKYOの女の子は誰もが皆綺麗なんでしょう夜も 眠れないほど 心配だけどあの日の 唇 信じているから卒業したら 帰って来てね洗いざらしの 心のままで卒業したら 帰って来てねあなたの 生まれた ...
  • 悲しみの証明

    悲しみの証明

    夜更けの電話 あなたの声も いまは聴きたくないあきらめかけた 私の心 もて遊ばないでちがう誰かに 淋しくされて 懐しいだけなら終ったはずよ 悲しいけれど 昨日にもどれないのもう恋人じゃない 心があなたを好きでも可哀想ね ふたり友だちにも なれないなんてあなたも自由 私も自由追いかけないで これ以上あなたがくれた 手紙と...
  • 時の子守唄

    時の子守唄

    あなたがいつか大人になってこの家を出てゆく そんな日がきても愛する人に めぐり逢ったらその人と離れずに ついてゆくのよあどけない その寝顔どんな夢 見てるのかしら時よ この子を 守って下さいあなたがもしも悲しい愛で傷ついて泣いてたら 帰ってくるのよたとえ遠くで 暮らしていてもこの家はあなたの 生まれたところ頬よせる 手...
  • ときめきをさがしに

    ときめきをさがしに

    ひとに言えない 悩みを抱えてため息ばかり あなたらしくないわ昔のように 自慢の笑顔で悩み事など 吹き飛ばしてよ子供の(子供の)頃に話した夢(あの夢)さがしに行こう(行きましょう) 涙をふいて扉の向こうへ さぁ出かけましょうときめく胸の 指さす方へきっとなくした 夢に出逢える仕方がないと あきらめ続けてまた自分に 嘘をつ...
  • 孤愁人

    孤愁人

    祭りが過ぎたら 町に残るものは 淋しさよ花火が消えたら 空に残るものは 淋しさよ愛は風さ 激しく吹いて何処かへ消えるよだから 人のこころは孤独涙の愁い人花は咲いて 小鳥は啼いてその命 終るのさみんな独り 私も独りこれが生きる さだめときめきうすれた 胸に残るものは 切なさよ信じて 別れた 恋に残るものは 切なさよ愛は星...
  • 火の鳥

    火の鳥

    あたしから 切り出して御破算にしたのにあの女(ひと)と 別れたと噂を聞いて また燃える火の鳥みたいな あなた炎の翼を広げ思い出から 今甦る火の鳥みたいな あなたあたしの心の空を昔みたく 飛び始めたわチャンポンで 飲み続け悪酔いをした日はさみしくて 眠れずに「もしも」ばかりを繰り返す残り火みたいな 未練愛し合ってた日々は...
  • 酔挽歌

    酔挽歌

    泣きたくなったら 泣くだけ泣けばいい心のつっかえ棒 はずしてさ酔いたくなったら 酔うだけ酔えばいい涙をつかまえて 喧嘩して男の胸ん中に 夕陽が沈めばそろり そろそろ 子守唄今夜もどこかで 縄暖簾手酌で 男の名をあげて今夜もどこかで 酔いつぶれ淋しい男の名をあげて抱きたくなったら 抱くだけ抱けばいい心の淋しさが 消えるま...
  • 天国

    天国

    この胸の悲しみを もしも取り出せるならあの人のこと いつまでも 慕い続けはしないこの世から 逃げだして 天国へ行けたなら恨んだことも 雲の上 きっと許せるでしょうそれでも 逢いたくて想い出が 涙を 連れてくる生きてきた中で たったひとつのお守りだったのに…愛されたことだけで 心支えるけれど寂しい晩は この身体 人肌恋し...
  • 愛冠岬

    愛冠岬

    遠く涙の 岬を染めて沈む夕陽に 浜が哭く波のうねりに 浮かんで消える面影ひとつ 夢ひとつああ愛冠の岬よ霧よ晴れて もう一度逢わせてよ海よ風よ 時を私に返しておくれ岬のカムイよせつない祈りをかなえておくれ潮のつぶてに 打たれて耐えていのちを咲かせる むらさきの花に重ねる 女のこころ死ぬことさえも許されぬあゝ愛冠の岬よ北の...
  • 愛舞

    愛舞

    メラメラと吐息乱れて絡(から)み合うかがり火がゆらゆら揺れて燃えてます好きだからあなたのことが好きだから嬉しさに涙が頬を伝いますああーもっと言葉なんかはいらないああーあなたこのまま逃げないでこころゆくまでおんな愛欲(あい)に溺れておんな愛されずにいられない舞い上がれ命終わってしまうまで何度も喜びにふるえ声挙げる満月の光...
  • 京都つれづれ

    京都つれづれ

    春は午後(ひる)ほのかに薫(かおる) 山里(やまざと)の坂路(さか)櫻(はな)びら吹雪く雨あがり東の天(そら)に丸い月涙で霞(かす)む 嵐山夏は夜コンチキチンと祇園囃子(ぎおんばやし)が四条河原(しじょうがわら)にとどろけば祭りが引いて夜が更ける窓辺に見える流れ星秋は夕暮(くれ)紅く色づくカエデの参道(みち)を靴音ひそ...
  • ブーメラン ストリート

    ブーメラン ストリート

    ブーメラン ブーメランブーメラン ブーメランきっとあなたは戻って来るだろうブーメラン ブーメランブーメラン ブーメランきっとあなたは戻って来るだろう銀色のブーツがアスファルトを蹴ってああ あなたが駈けて行くブーメラン ストリート人ごみはジルバを踊っているようでああ あなたをつつみこむブーメラン ストリートカリッと音がす...
  • 女の旅路

    女の旅路

    流れ流れて 明日は浮雲女ひとりが たどりつくのは潮の匂いの 北の酒場か嘘の上手な 男の胸かあゝ 恋の灯りを ともせばあゝ 風が吹き消す何でこの世に 生れてきたの涙似合う 身の上しあわせ探し歩く 北の旅路はどこまで春に桜を 夏にはまなす秋がくるころ この町すてる一夜芝居の 終わりきたなら寒い木枯し また冬がくるあゝ 人が...
  • 盛り場かもめ

    盛り場かもめ

    男の心は通り雨気がつきゃもういないうそとまことの真ん中であ~今夜もひとり寒いよ 寒いよ今じゃすがれる人もないあ~誰かそばに来て盛り場かもめ 私はかもめ赤いネオンが目にしみる街角あたりの占いじゃいいことありそうで忘れましょうか いやなことあ~背中を向けて流れて 流れてどこに流れて行くのやらあ~女がひとり盛り場かもめ 私は...
  • 人生に四季があるなら

    人生に四季があるなら

    人生に 春があるなら私は あなたに咲く 花になりたいひそかに あざやかに 咲きつづけていつも あなたの やすらぎになりたい人生に 夏があるなら私は あなたを呼ぶ 海になりたい漂よい ゆらめき 波をよせていつか あなたの 港になりたい人生に 秋があるなら私は あなたに吹く 風になりたいほほえみ しあわせ 愛を連れていつも...
  • それなりに青い鳥

    それなりに青い鳥

    爪を噛む 女にだけ聴こえる あの歌は裏切りの哀しみか男の呼びかけかひゅる ひゅると鳴るのは真冬のあらしでも泣いたら駄目 死んだら駄目それなりに青い鳥膝かけの 上で読む破れた手紙にはいいころの想い出や未練の数々が哀しげな演歌(はやりうた)遠くで 聴こえても泣いたら駄目 死んだら駄目それなりに青い鳥窓ごしの漁火ははかなく搖...
  • 螢火情話

    螢火情話

    暗い海鳴り 窓の外ため息一つ肩でするあれは螢火 恋の火かいとしい男の腕の中とべない女が 泣いて 泣いて 泣いて身をこがすハァー二度と惚れまい他国の人には海鴎おまえも さみしいか手酌の酒が からになる捨てていきたい いかれないあなたに抱かれた枕唄頬づえついて 波に 波に波にくちづさむ夢であなたが 触れたよで乱れた...
  • 別れ愛

    別れ愛

    こんなに惚れても さよならねあなたが涙に またゆれる別れても 別れても夢見て逢いたい 女でいたい失くしたくない おもいでひとつああ 抱いて泣いてる 女でいたいあなたと離れて これからの明日をどうして 生きてゆくだれよりも だれよりもこの胸寄せたい 女でいたい指でさわれぬ おもかげつれてああ いつも恋する 女でいたいこん...
  • 泣かないで

    泣かないで

    あなたの愛情の深さに溺れたらあしたが見えなくなってしまうからこのままそっと自由に泳がせてあなたは他にも守るものがあるたとえ この恋が哀しく終わっても泣かないでわたしのために男の人が涙をだすなんて泣かないで子供のようにもう あなたのそばにいられないからあなたの懐にとび込む勇気より普通の人生いつか選ぶから想い出だけじゃ若さ...