• 三木たかし

    「751」
  • 豊後水道

    豊後水道

    背のびした 恋破れなぐさめる人もなく信じていたのにあなたはもう来ないやせた女の旅路にはやさし過ぎるわ 春の海こぼれ散る紅椿流れにひきこんで何を急ぐか 豊後水道この海が 銀河なら逢(お)う瀬もあるけれど近くて遥かねあなたと私には岬巡れば また入江ひとの情(なさけ)に出会えそう辛口の地の酒を海辺の宿で飲み何を歌うか 豊後水...
  • 風の盆恋歌

    風の盆恋歌

    蚊帳の中から 花を見る咲いてはかない 酔芙蓉若い日の 美しい私を抱いて ほしかったしのび逢う恋 風の盆私あなたの 腕の中跳ねてはじけて 鮎になるこの命 ほしいならいつでも死んで みせますわ夜に泣いてる 三味の音生きて添えない 二人なら旅に出ましょう 幻の遅すぎた 恋だから命をかけて くつがえすおわら恋唄 道連れに...
  • 心の瞳

    心の瞳

    心の瞳で 君を見つめれば愛すること それがどんな事だか わかりかけてきた言葉で言えない 胸の暖かさ遠まわりをしてた 人生だけど君だけが いまでは愛のすべて 時の歩みいつもそばで わかち合えるたとえ あしたが少しずつ見えてきてもそれは生きてきた足あとがあるからさいつか若さを失しても 心だけは決して変わらない 絆で結ばれて...
  • 昭和たずねびと

    昭和たずねびと

    男と女の つきあいは燃えたら終りが 直ぐに来るひと晩かぎりで 灰になり風に消えるも いいだろう…あゝ あいつ昭和のたずねびと男と酒場の つきあいは昨日とあしたの 曲り角夢追う季節は 酔いしれて枯れる季節は 酔いどれる…あゝ おれも昭和のたずねびとおとことおとこの つきあいは学生時代の ままで行く未果てぬ望みに 胸こがす...
  • 別れの予感

    別れの予感

    泣き出してしまいそう 痛いほど好きだからどこへも行かないで 息を止めてそばにいて身体からこの心 取り出してくれるならあなたに見せたいの この胸の想いを教えて 悲しくなるその理由(わけ)あなたに触れていても信じること それだけだから海よりもまだ深く 空よりもまだ青くあなたをこれ以上 愛するなんてわたしには 出来ないもう少...
  • 時の流れに身をまかせ

    時の流れに身をまかせ

    もしも あなたと逢えずにいたらわたしは何を してたでしょうか平凡だけど 誰かを愛し普通の暮し してたでしょうか時の流れに 身をまかせあなたの色に 染められ一度の人生それさえ捨てることもかまわないだから お願い そばに置いてねいまは あなたしか 愛せないもしも あなたに嫌われたなら明日(あした)という日 失くしてしまうわ...
  • 別れの予感

    別れの予感

    泣き出してしまいそう 痛いほど好きだからどこへも行かないで 息を止めてそばにいて身体からこの心 取り出してくれるならあなたに見せたいの この胸の想いを教えて悲しくなる その理由あなたに触れていても信じること それだけだから海よりもまだ深く空よりもまだ青くあなたをこれ以上 愛するなんてわたしには出来ないもう少し綺麗なら ...
  • 私の翼

    私の翼

    夜明けの鳥たちが今 朝日を迎えに行く翼を大きく広げてうたう歌はmy song for life誰にも悲しみがあり あふれる涙がある他人(ひと)には言えない傷あと癒やす歌はmy song, my song for lifeなぜ人間は生きていくのでしょうかなわぬ望みを抱えながら…ちからをください!人生に勝つためのちからを!...
  • 思秋期

    思秋期

    足音もなく 行き過ぎた 季節をひとり 見送ってはらはら涙 あふれる 私十八無口だけれど あたたかい 心を持った あのひとの別れの言葉 抱きしめ やがて十九に心ゆれる 秋になって 涙もろい 私青春は こわれもの 愛しても 傷つき青春は 忘れもの 過ぎてから 気がつくふとしたことで はじめての くちづけをした あのひとはご...
  • さよなら前夜

    さよなら前夜

    恋に終わりを告げる言葉は数えりゃきりがないのに夕立ちを見る君の背中にひとつも言えない「ねえ 悩まないでね あなたねえ どこかの本の男が女棄てる科白(せりふ)を想い出して言えばいいじゃないの」さよなら前夜 君を抱くのも今日で最後だねほくにかくれて拭いた涙が小指に光っているよ二年続いた恋のかげりは誰も消せないさ「ねえ 悩ま...
  • 想いで迷子

    想いで迷子

    愛に溺れて あなたに疲れ生きることにも ため息ついてひとり口紅 ふきとるだけの生き方だけなら 淋しいこんな夜には 少しお酒で涙の相手しましょうそしてぬけがらパジャマあなたのかわりに時はあしたを連れてくるけど過去のどこかで迷子になってる夢のつづきを 誰かに見ても若くないから あしたが恐い綺麗ごとなら 愛するだけで本当は何...
  • 北の螢

    北の螢

    山が泣く 風が泣く少し遅れて 雪が泣く女いつ泣く 灯影(ほかげ)が揺れて白い躰がとける頃もしも 私が死んだなら胸の乳房をつき破り赤い螢が翔ぶでしょうホーホー 螢 翔んで行け恋しい男の胸へ行けホーホー 螢 翔んで行け怨みを忘れて 燃えて行け雪が舞う 鳥が舞う一つはぐれて 夢が舞う女いつ舞う 思いをとげて赤いいのちがつきる...
  • つぐない

    つぐない

    窓に西陽が あたる部屋はいつもあなたの 匂いがするわひとり暮らせば 想い出すから壁の傷も 残したまま おいてゆくわ愛をつぐなえば 別れになるけどこんな女でも 忘れないでねやさしすぎたの あなた子供みたいな あなたあすは他人同志になるけれど心残りは あなたのこと少し煙草も ひかえめにして過去に縛られ 暮らすことよりわたし...
  • 北の螢

    北の螢

    山が泣く 風が泣く少し遅れて 雪が泣く女いつ泣く 灯影(ほかげ)が揺れて白い躰(からだ)がとける頃もしも 私が死んだなら胸の乳房をつき破り赤い螢が翔(と)ぶでしょうホーホー 螢 翔んで行(ゆ)け恋しい男の 胸へ行(い)けホーホー 螢 翔んで行(ゆ)け怨(うら)みを忘れて 燃えて行(ゆ)け雪が舞う 鳥が舞う一つはぐれて ...
  • 嗚呼

    嗚呼

    風はうたう 遠い夢をいのちかけ 旅の途上倒れた人の心つたう 消えぬ思い形ある 儚さゆえ祈りをそえて嗚呼(ああ) 嗚呼(ああ) 聴こえくるふるえる 指の先から嗚呼(ああ) 嗚呼(ああ) とこしえの涙にかわる砂の道よ 凍てる星よ形あるものを 許せ伝えることを小さきもの 短かきもの取るに足りぬ 一粒の願いのかけら嗚呼(ああ)...
  • 愛人

    愛人

    あなたが好きだから それでいいのよたとえ一緒に街を 歩けなくてもこの部屋にいつも 帰ってくれたらわたしは待つ身の 女でいいの尽くして 泣きぬれて そして愛されて時がふたりを 離さぬように見つめて 寄りそって そして抱きしめてこのまま あなたの胸で暮らしたいめぐり逢い少しだけ 遅いだけなの何も言わずいてね わかっているわ...
  • 悲しみのゆくえ

    悲しみのゆくえ

    愛を投げやりに あなたは何処かへ部屋のかた隅に わたしを残したまままるで飽きられた 人形みたいにほこりにまみれたまま 今では捨てられてこの世に願いが ひとつ叶えば時を止めたままで あなたの胸を返してこの生命 引き換えに したっていいから悲しみはいつか 薄らぐけれども心の傷あと 涙が沁みて痛い鏡のむこうに 閉じこめた日々...
  • 風が吹いてきたら

    風が吹いてきたら

    風が吹いてきたら 歩き始めるわ今は何も言わないで 見ていてちょうだい風が吹いてきたら 歩き始めるわだからあなたの胸で 眠らせてちょうだい私長い間 歩き続けたわ今はただちょっと 休んでるだけなのあなた私のことを凄く強い女だと 思ってるでしょうけど本当は違うのよだから今夜だけは何も言わず 抱きしめてちょうだいきっと元気の出...
  • シャム猫を抱いて

    シャム猫を抱いて

    ララララララララ……バラ色の夜は シャム猫を抱きしめてひとり 待つのねララララララララ……まだ来ないあなた シャム猫に涙ぐむわけを 話すのララララララララ……...
  • アンパンマンのマーチ

    アンパンマンのマーチ

    そうだ うれしいんだ生きる よろこびたとえ 胸の傷がいたんでもなんのために 生まれてなにをして 生きるのかこたえられないなんてそんなのは いやだ!今を生きる ことで熱い こころ 燃えるだから 君は いくんだほほえんでそうだ うれしいんだ生きる よろこびたとえ 胸の傷がいたんでもああ アンパンマンやさしい 君はいけ! み...