西條八十
「226」皇太子殿下御生誕奉祝歌
春はあけぼの大八洲(おおやしま)日嗣(ひつぎ)の皇子(みこ)ぞ生(あ)れたもう威武八紘(いぶはっこう)にかがやきて日嗣の皇子ぞ生れたもううれし うれし この日祝え 祝え この佳き日待ちに待たれしこの吉日(よきひ)千代田の松の枝ゆれて空と地(つち)とに民草(たみくさ)の慶びのうたあふれたりうれし うれし この日祝え 祝え...赤いカンナの花咲けば
カンカン カンナの花さけば赤いカンナの花さけば海からそよ風 吹いてくる廻燈籠は くるくるくるりおしゃべり風鈴 ちんちろりんカンカン カンナの花さけば赤いカンナの花さけば空にはぎんぎら 天の川誰か呼んでる お星の中でなんだか 母さん 見たいだなカンカン カンナの花さけば赤いカンナの花さけば知らない港を おもいだす船の汽笛...十九の春
ながす涙も 輝きみちしあわれ十九の 春よ春すみれつみつつ 散る白露に泣きし十九の 春よ春君はやさしく 涙は甘く唄をうたえば 花散りぬ乙女振袖 ゆく白雲もわれを眺めて 流れゆく我世さみしと 嘆くな小鳥春はまたくる 花も咲く愛の光に 夜はほのぼのと明けて十九の 春よ春...