• 長渕剛

    「204」
  • あんたとあたいは数え唄

    あんたとあたいは数え唄

    堕ちてきた 堕ちてきた 背伸びをしているあんたがきれい事 並べた あんたの素顔が落ちてきた木枯らし 吹き抜ける れは寒い夜だったふらりと入った 飲み屋 あんたが一人で飲んでいた五杯目を飲むころにゃ あたいはあんたの肩にもたれ気付いた時にゃ 枕を並べ その日から つまびく数え唄あんたはあたいの躰を求め あたいはあんたの心...
  • 碑(いしぶみ)

    碑(いしぶみ)

    正直者が つえをついているよ遠慮深そうに 裏通り歩いている信じられるものは 影をひそめてるうたがわしい 奴ばかり 表通りさ君は この先 どこへ行くのかあてのない 旅は いつまで続く何かに汗を 流してみても 何かがちがうだからとて 愛に背けば 孤独に堕ちてくいつも心に 激しさ もって動かぬ 碑(いしぶみ) 胸にだきしめ...
  • Welcome To My House

    Welcome To My House

    息をはずませ 約束Saturday Nightおめかしして来る 君はステキだねシャワーをあびたら コロンをちょいとぬりHey Hey welcome to my house俺らの家は ビルの屋上さ東京タワーの先っ端から ひとっ飛び乗ってる車はBMW1979Hey Hey welcome to my houseベルを鳴ら...
  • お家へかえろう

    お家へかえろう

    ささくれだった うす汚ねぇ古畳の上割腹自殺する 夢をみた昼間っからごろごろ ごろつき回りセブンイレブンで臭い女をはじく東の空では若者が 自由と戦っているのに原宿ホコ天通りじゃ 自由をもて遊んでる「これが若者ですか?」と 日の丸をすかしてみりゃしらけたニッポンが ああ アメリカに溶けてゆく一攫千金かっさらおうと 東京めざ...
  • 親知らず

    親知らず

    ペンチで親知らずをひっこぬき そいつをボリボリかじりながら ぼっこりあごがふくれあがった暗く新しい朝に 根っから貧乏症の この俺ときたら黒いコウモリ傘をさして TVを見ている横シマなマスコミは、いつも臭い息を吐き知識と教養をふりかざす 点数稼ぎのバカ野郎共が!はるか地球の上から 人間を見下ろしても 日銭暮らしの俺たちに...
  • 俺たちのキャスティング・ミス

    俺たちのキャスティング・ミス

    お前は身を起こして もつれた髪を二・三度静かに 振り動かした額際から 二つに別れた黒髪を肩に流して 微笑んだDance Dance Dance Again凍てついた 俺の白いベッドで俺はお前の のど元に口唇を這わせお前は 俺の胸に指を熱く這わせたけどFar Away Far Away from me俺たちのキャスティン...
  • 女よ、GOMEN

    女よ、GOMEN

    今にみてろと雨にはじかれながらしょっちゅう伏し目がちの昨日を破りすててきた4、6時中 貧乏ひまなし 頭もはげるほど頑張れば 頑張るほど イラついていたいたずらに女に惚れてきたわけじゃねえ考えてみりゃ女にゃ謝りっぱなしだった煮ても焼いても 食えねえ 俺ら ごろつきにやわらかい肌で 明日をみさせてくれた女よ GOMEN G...
  • 帰り道

    帰り道

    君がのってる最終電車僕はいそいそ停留所まで君をむかえに いつものように心うきうき気はほがらおーい おーいと手をふりながらかけ足3歩で胸の中 さあ帰ろう静まりかえった商店街で君は小脇に買い物袋にんじん玉ねぎじゃがいもたくさん「今夜のお料理何がいい?」なんて「うでをめいっぱいふるってさ うまいやつたのむよ 何でもいいんだ君...
  • 家族

    家族

    ギラギラと焼けつくコールタールの屋根にむせかえる灼熱のあの夏の放課後俺たちはたくさんの自分を閉じ込めてしゃぼん玉を青い空へ飛ばしたよね七色に輝く俺たちの未来は「信じる」とか「信じない」からかけ離れてた何の疑いもなく陽炎といっしょに天空へ確かにはじけず昇ったよねあれは遠い、そう夏の日の午後広い校庭に水をまいた決まって夕立...
  • Come Back To My Heart

    Come Back To My Heart

    昨日買ってきたばかりの ウイスキーの口を開けて気まぐれな彼女の愛に疲れた一杯をいっきに飲みほした恋なんてもう二度とするものか愛してるなんてもう二度と誰が言うものかこわれた愛のかけらをひとつふたつ拾い集めて ほうり投げたため息に君の笑顔がうつっているいいかげんな暮らしの残り火よ 消えうせろ想い出にしがみつくほど 僕は弱虫...
  • 傷まみれの青春

    傷まみれの青春

    三日前から右の奥歯が痛いガリガリ疼くから酒でチラした痛み止めがないから薬局に走る腫れぼったい唇でまた八つ当たりしてる泣けて 泣けて 泣けるんだよどうしようもないから呼べど呼べど答えなし「あんちきしょう」…傷まみれの青春不精ヒゲと髪がやけに気になる鏡に映る俺の顔シャレにならない壊れかけた橋を渡り川伝いに走れば散髪屋の親父...
  • 気張いやんせ

    気張いやんせ

    どげんしてん やらんと いかん事がよ俺にも お前にもひとつくらいあるやっせんぼ やっどんからん よかぶいごろのあげんな 汚っさね 真似やできん前つんのめりで 生きて 行こや誰が悪いち 言うもんか気張れ 気張れ 気張いやんせ一度どまけ死ん限い 気張いやんせ泣こごんなった時や 俺家 来んか!馬鹿された時や お前も向こて行こ...
  • 君は雨の日に

    君は雨の日に

    降りしきる雨の中 君は傘もささずに泣き顔で走り去った 駅に続く道君は僕の胸の中で 震える声で言った「しあわせになってね」と 小さな声で言った最後の汽車が 出て行く前にやさしい言葉も かけてあげられなかった雨よ降れ降れもっと つきさすような雨よ雨よ降れ降れもっと すべてを流してくれ君は僕を愛して 僕は君を愛した君の口づけ...
  • 逆流

    逆流

    僕がここを出て行くわけは誰もが僕の居場所を知ってたからやさしさを敵にまわしてでも生きてる証しが欲しかった竹馬で歩く様に 今はまだぎこちないが先ずはここから足を踏み出し飾り言葉を投げ捨てて「若いくせに!」なんて言わせたくない奴がブーツのボタンをはずしていようと奴が他人(ひと)の生きざま馬鹿にしようとも一歩前のこの道を行か...
  • 恋というもの

    恋というもの

    男は男らしく 女は女らしくうらみつらみも あるでしょうがつらく苦しかったからきっとあの人に 決めたのでしょう男の背中の 重たい「純情」は女の瞳には死ぬまで見えないと誰かが泣くきっとそれは ほんとでしょうまがりなりにも互いに 恋をしたんでしょう「信じる」だとか「信じない」だとかは汚く響くでしょうああ それでもなぜだかああ...
  • THANK YOU WOMAN

    THANK YOU WOMAN

    通りの向こう側に 俺は車停めたCar Radio 消して 15分考えてたワイパー揺れるたび お前の部屋の灯り今日の雨音と重なりあって 泣いて見えるもしも 今ここでドアを叩いても昔に戻れない 揺れない 流れないやがてシグナルが点滅し始め雨粒は雪に変わってたWoh Woh No No No…Woh Woh Woh No N...
  • 昭和

    昭和

    傷つけば傷つくほど優しくなれた貧しさは大きな力になり意気地のなさは勇気に変わるひねた瞳は真実を欲しがる真実はとてつもなく激しかった愛せば愛すほど苦しくなるはかなさが美しいから死にたくてもまた歩いた俺はいま真夜中の湾岸をとばしているカーラジオ消して受話器を耳にかたむける進路は東へとお前の声を聞きながら走るとうとう昭和の歴...
  • しょっぱい三日月の夜

    しょっぱい三日月の夜

    うおう!うおう! うおう!うおう!…逃れようとする この俺と 突っ走る俺が憎みあいながら腹の底でひっくりかえってるひからびた手と手をつなぎあいよくもここまで来たものだうおう!うおう!と負け犬が吠えてるそろりそろりと月が昇るたびにあゝあたりまえの男に会いたくてしかめっ面したしょっぱい三日月の夜うおう!うおう! うおう!う...
  • シリアス

    シリアス

    一心不乱に 身を投げ 人を愛しても何も返って来ないなんて 思わないで口に出せない事がある口に出しちゃいけない事があるシリアスに全てを閉じ込めて踏んばってみても先に進まない事が多いよね愛がこんなにも親切で苦しいものだとは…口に出せない事がある口に出しちゃいけない事がある妻や子供が しょい込む荷物より 重いなら一生 淋しが...
  • ジャック・エンジェル

    ジャック・エンジェル

    ちょいと帽子をよこちょにかぶりポケットに手をつっこみ 背中丸めて歩く姿は まるでどこかのフォークシンガーみたいな気がするけれど笑をうかべ話すときにゃブルックリン訛のいかしたセリフ季節の中に 悲しみ置き去りにして風と旅する ランブリンジャックこんな雨降る 暗い空に君はバッグに アメリカの風をつめてやって来る 僕の家までや...