• 長渕剛

    「204」
  • JEEP

    JEEP

    ワークブーツにはきかえ 赤いジャンパーひっかけ夜明け前の湾岸道路を俺は西へと走らせ背中に東京(まち)が遠ざかり 背中に人間(ひと)が遠ざかり俺の前にはただ風が吹いているフロントガラスの向こうから やっと太陽が昇った俺はできたばかりの唄をカーステレオから流した深く息をすいこみ そいつを吐き出したら昨日までのざわめきが笑い...
  • 素顔

    素顔

    夜の顔を鏡で映せばなんて悲しい顔なの強がりばかりで素直になれないなんて悲しい顔なのこんな私のどこが好きなのなぜに そんなにやさしいの私が かわいそうに見えるからそれとも なつかしく 思えたから気まぐれだったら やめてちょうだい本気で好きになりそうだからあなたの前では きれいでいたいしかわいい女で いたいの厚化粧は嫌いで...
  • 少しだけ ほほえみが

    少しだけ ほほえみが

    すいこみかけた ちっぽけな 僕の夢ひとつねえ 君にも わけてあげようかやっとの想いで ポッケにはいった 夢ひとつ誰にも やりたくないけれど灰皿の中に 投げ込んだ 僕の淋しさよタバコの煙と いっしょにどこか見知らぬ所へでも 飛んでっておくれいつも そう思ってた向かい風に あおられておちこぼれた砂を かじってきたけれどかわ...
  • STAY DREAM

    STAY DREAM

    死んじまいたいほどの苦しみ悲しみそんなもののひとつやふたつ誰もがここあそこにしょい込んでるもの腰をおろし ふさぎ込んでも答えはNothing!ぶっ飛ばしたいほどの怒りや悔しさそんなもののひとつやふたつ殴られた痛みはTRYへのワンステップ尽きせぬ自由は がんじがらめの不自由さの中にあるくよくよするなよ あきらめないで J...
  • SUPER STAR

    SUPER STAR

    裏街の片隅でくの字にぶったおれちまったドラム缶の油の臭い目が覚めれば明日を夢見た高層ビルを見上げあの頃の俺をにらんだ鳥になれないはがゆさだけが胸の奥で涙をみせた笑っちまうぜ足の震えかくしいきがってたティーンエイジ今日でおさらばさI'm a Super Star, I'm a Super Stat誰もがみんなかみしめてい...
  • 東京青春朝焼物語

    東京青春朝焼物語

    両足が鉄の棒のように 痛かったお前と二人で不動産屋を廻ったはり紙を 何度も何度も なぞりながら井の頭線で五つめの駅で降りた愛想の悪い酒屋で 俺は缶ビールを買った植木鉢の下に 鍵を置く事に決めた荷ほどきできない ダンボール箱を背中にして俺たちは えびのように丸くなった今日から俺 東京の人になるのこのこと 来ちまったけど今...
  • 友よ

    友よ

    もしも貴方にしてあげられることといったらいっしょに泣いてあげることくらいそして両手を合わせて祈ることくらいだけど決して私を優しい男だとどうか思わないで欲しいんだ何故ならば人知れず俺だってこっそり泣くのだから友よ その昔 俺たちは汗をかいた友よ その昔 俺たちは西陽を追いかけた友よ その昔 俺たちは土の匂いをしてた友よ ...
  • DON'T CRY MY LOVE

    DON'T CRY MY LOVE

    二人をくるむ しわくちゃのシーツに街はずれの月灯りが 涙をおとしたねえ、今度いつ会える? また私と会ってくれるの?何回聞けば答えてくれるの?今夜のお前 とてもきれいだ だけどたのむから この俺をたしかめないで向こうむきなよ 背中を抱きしめたいから寒いね 寒いね 二人抱き合っていてもきっと同じ人生を 同じ歩幅で歩いてゆけ...
  • 泣いてチンピラ

    泣いてチンピラ

    泣いて 泣いて 泣いて チンピラになりてえ泣いて 泣いて 泣いて チンピラになりてえ明けても暮れても喧嘩でパクられ イキがった花の都に憧れて 飛んで来た逸れ鳥のがれ のがれて 破れた襖にもたれて流す涙をひとつなめたああ友情 愛情 人情 何かが足りねえああ膝を抱え 全てぶっ壊した夜Woo woo woo…ずらかっちまった...
  • 長いのぼり坂

    長いのぼり坂

    長い長いのぼり坂 走ってみても同じことのぼり坂は人生さ くだり坂は落ちるだけ別れ道は 運命さ どの道行こうと 俺たちの行きつく所へまっしぐら 誰の口出しも無用ですあせってみても 始まらぬ人生のんびり 生きてやる後にさがれぬ道ならば 大地を踏みしめ歩きましょう道草ならば冬が良い 浮かれた頭を冷やすのさ恋にやつれたら秋が良...
  • 明け方までにはケリがつく

    明け方までにはケリがつく

    砂嵐の風が吹いてた三日月が高く昇ってた誰もいない工事現場の駐車場に腰を降ろしてた飲んでも飲んでもいくら飲んでも酔えない夜がある流されることなく流れて生きるだけで精一杯ねえ もう少し正直でいいんじゃないかねえ もう少しひたむきでいいんじゃないか明け方になるまでにはきっとケリがつく見失いそうなこの俺の足元を叩かなければもし...
  • 明日

    明日

    病気に孤独に不安に恐れ欲望、鼓動が人間だ生きることのみ好むから誰が死んだのかわからない明日、明日、明日明日、天気になーれ明日、天気になーれいじくり回せば傷もつく開いた心が血に濡れる何故、貴様が罵倒する卑しい目をした黒い影明日、明日、明日明日、天気になーれ明日、天気になーれ心で話をしないから死んでもここから動かない逃げて...
  • 明日の風に身をまかせ

    明日の風に身をまかせ

    銭が欲しいか そらやるぞ銭じゃ買えねえものもある一人になると ちょいと淋しい二人になると もっと淋しいどうせ俺らは 貧乏ひまなし 田舎者(もん)だけど人の道だけは はずれておりませんOh……明日の風に身をまかせごろんと寝っころがりゃ 何とかなるさ明日の風に身をまかせあんたも 腹割って話そうやつらいつらいと二度泣きゃ三度...
  • いかさまだらけのルーレット

    いかさまだらけのルーレット

    春の嵐が吹きぬけるころ 大通りへ出たそこには ほこりにまみれた危険が待ちかまえてたとてもやるせない気持ちで全てゲームにかけたついにその夜 俺らスッパダカにされちまった次の朝 黒装束の女が目の前に立ってたとびきりいかした最後のゲームをしてみませんか? と首を横に振ったら金のナイフ 振りかざし俺の左胸 ひとつき 全てが消え...
  • 一匹の侍

    一匹の侍

    傲慢無礼さになす術もなく大切な男が目の前で死んだとき俺たちはただ黙って指をくわえるだけなのか!己、一匹の侍売られたケンカならば潔く買っちまえ天空へ突き抜ける鉄拳をねじり込め修羅場の向こうの葬式が終わったら、今こそ己、一匹の侍すみません、灯を貸して下さいよ命の滴の流れゆく道を照らすからどうせ貴様も軟弱なアバラ骨に手を当て...
  • いつかの少年

    いつかの少年

    俺にとってKAGOSHIMAはいつも泣いてたひ弱で不親切で 邪険な街だった親父とお袋は泥にまみれ銭をうらやみそのド真中で俺は打ち震えていたごうごうと不安が立ち昇る棲み家を凍える風が暮らしをすりぬけていった雨どいを伝う雫を見るのがたまらなく嫌だった逃げ出したくて想いをかきむしるだけだった俺の人生はどこから始まりいったいど...
  • WAKE-UP! IT'S MORNING

    WAKE-UP! IT'S MORNING

    Wake Up It's MorningWake Up It's MorningWake Up It's MorningWake Up It's Morning天使の顔したあの娘は 正体不明の重要参考人目覚めはいつものTVのニュースキャスターの声人が殺されたとか 血なま臭い事件ばかりしかめっつらして 世の中憂いて CM...
  • 海

    俺の背中で力果てたお前の指がすべりおちゆっくりとゆっくりとシェードランプに灯をともす白い肌が悲しいほどにシーツに溶けてくお前の顔ひきよせてそっと口づけた俺は今 月が落ちた波打ち際に立ち愛する覚悟を一歩づつふみしめてる「嘘だろう?」ってあの時 聞けなかったのは互いの寂しさをわかってたからだ夜の海に俺の過去を沈めたら明日か...
  • おいで僕のそばに

    おいで僕のそばに

    別れまぎわに君が おとしてきたものは何?涙? それとも いくつかの 傷跡それをひろい集めて 言葉につづるとしたらどんな なぐさめよりも やはり さようなら街はずれの 月夜 今夜どこへ行くの?行く場所が ないんだね 外は冷たい 木枯らしおいで僕のそばに 抱きしめてあげるよおいで僕のそばに あたためてあげるよたとえば遠い昔...
  • 男は女が必要さ

    やさしい口調で語りかける君は南の街からやって来た気さくで 飾り気のない女の子好きだよ とっても君がその頃僕はひとりでいることを何よりも宝にしていたけれど君と言葉をかわすたびに孤独に初めて悲しさを感じた夜のとばりがおりるころ二人で歩いたね 夕暮れの大濠公園あれから夜があけるまで人生論を語りあかしたね何も強がることはないね...