• 長渕剛

    「204」
  • 己

    許せることと許せないことがあるそして許しちゃいけないことがある譲れることと譲れないことがあるそして譲っちゃいけないことがあるそれは自分自身ですそれはまぎれもなくこの『俺』です本性はいつの世でも瞳(め)に見えないものだ一番大切なものは私の揺るぎない心ですだからかたがつくまで黙り通してみましょう俺は生まれて初めて本気で怒っ...
  • カントリー・ワルツ

    カントリー・ワルツ

    カントリーシャツの 袖をまくりあげポップコーン 口に ほおばりながら汽車の切符を やぶりすて君と二人で ヒッチハイク夢にまで見た ここが カリフォルニアさまずは ここらで 車をつかまえハイウェイ 進むは サンタクルーズ気分は最高さ聞こえてくるはカントリー・ワルツ カントリー・ワルツ声高らかに yeh……誰も ここじゃ ...
  • ガンジス

    ガンジス

    4本の火柱がめらめらと燃えさかり 煙が立ち昇る俺は今 揺れる小舟の上ガンジス河を下っている細い路地裏には死を待つ老人の群れ座ったまんまで動かないやせこけた右手を道行く人に出し小銭を手のひらを掴む俺は船を降り 3時間近く焼け崩れる真っ黒い人間を見た「神様はどこにいるのか」と尋ねたら老婆は自分の胸を指した笑いながら自分の胸...
  • Captain of the Ship

    Captain of the Ship

    じめじめと暗く腐った憂鬱な人生を 俺は憎んでばかりいた叩かれても突っ伏したまんま ただ頭をひしゃげて生きてきたえげつなさを引っかけられ 横なぐりの雨が頬を突き刺したとき我慢ならねえ たったひとつの俺の純情が激烈な情熱に変わる正義ヅラしたどこかの舌足らずな他人の戯言(たわごと)など叩きつぶしてやれ眉をひそめられ“でしゃば...
  • 逆転ブルース

    逆転ブルース

    ホステスのお前とは ふた月前のアパート腕っぷしだけだった くさい恋物語さ肩で風きりそこねた Dandy!女に生まれてきたお前なのに 指輪もやれなくてみえっぱりきれない 俺のブルースふられっぱなしの 俺のブルース路地裏のバーテンに ひと月前にありついてむかついた客を殴り 生ゴミと一緒に捨てられちまったお前に書いた手紙は ...
  • 銀色の涙とタバコの煙

    銀色の涙とタバコの煙

    いつものように僕は暗いひとりのこの部屋で帰ることない君を待って待ちわびた顔で タバコをふかすガスコンロの上のやかんはシューシュー音を立てて窓ごしの空に 蒸気の粒がまた ひとつひとつ流れて落ちたその日の 夕暮れは とっても悲しくて銀色の涙が こぼれ落ちたそして 陽は沈み 回りの家の窓ガラスに灯がともったそれから 僕は朝を...
  • QUEEN

    QUEEN

    街が燃えてる 夜が吠えてる鳴り響くパトカーのサイレン爆発都市の メインストリート闇にまぎれて かっさらえ(TiririTiri Riri Ti)あの娘はいかしたRock'n'Roll QueenくびれたBody 真紅なLip-stickなまめかしいほどのHip-line激しい 息づかいのあと俺を感じさせてやるぜ(Tir...
  • くそったれの人生

    くそったれの人生

    本当の事を言えばきっと楽になれるさ本当の事を言っちまえばきっと自由になれるさあんちきしょうをぶっ飛ばしとんずらしようかだけど俺はこの街を根城に生きていこうと決めた六畳一間の闇にまぎれ腐った空へ夢を突き上げても呼べど叫べど答なし群れから離れっぱなしずっと離れっぱなし遠回りのくそったれの人生千鳥足でいつもの路地をただ足にま...
  • 暗闇の中の言葉

    暗闇の中の言葉

    近頃とっても くやしい事があったそれは自分に 肩書きがないこと今まで 欲しいなんて一度も 思わなかったけれどあの時ばかりは 震える手を 押さえたすがる想いで あいつのドアをたたいたすがる想いで あいつのドアをたたいただけどもあいつは 頭から下げすんだ目で人を 馬鹿よばわりした何が自由だ 不自由ばかりだ欲深さゆえの がん...
  • 結晶

    結晶

    「抱きあえば 抱きあうほど 涙が出るのは決して悲しいからじゃないよね私を抱いてる その向こう側であなたは何かを探しているんでしょう」「遠くへ行かないで お願いだから私はここにいるのよあなたがみつめてる 私だけを見てどこか知らない場所へ連れてって」『たのむから そんなに苦しまないでくれ一途な願いのまま 時を駆け抜けてゆけ...
  • 訣別

    訣別

    どうしても 話しておきたい事があるやさしさを 受け入れられないんだ心を説き伏せ 鬼にしてさようならと 君に告げたあゝ 午前4時の海は冷たいいっそ このまま 流れに のまれてしまいたい結ばれぬ 二人の悲しみを ここに寄せては返す 波に 捨てちまおう弱い僕は 君の心まで 支えきれない君には 悪いとは思うが さようなら弱い僕...
  • 激愛

    激愛

    舌を噛み切った からみ合う口唇の中二人はよじれ合い 激しく揺れていた震える 流れる 青白い肌ひきよせても ひきよせても 届かない溶けてゆく無数の汗 心と躰を流れてゆけ愛は潜水艇のように 苦しみをもぐり激烈な痛みが こめかみを突きぬけた時は過ぎ 夜を越え凍りつく愛の海 深く深く 沈みゆく堕ちてゆく憎しみに 息が絶えるまで...
  • 交差点

    交差点

    君の胸の痛みが僕にわかるといいね無理に笑顔で別れた涙色の悲しい交差点暮れてく街並の中かけてく うしろ姿をひきとめられもしないでしあわせが またひとつ消えたもう少し この僕に大きな心があれば ただそれでいいんだ行かないで 僕のそばから泣かないで もう離しはしないから輝いてるね 昔がきっとそれは本当だね優しくしてあげたくて...
  • 今宵最後のブルース

    今宵最後のブルース

    世間知らずの 男と女歩き疲れた 満月の夜背中合わせ お前と二人愛を語るには まだ早すぎたママに電話は おやめよひきかえせない 夜だから君のうなじが ほらこんなに ほら 首にからんでくるよ天国行きの 汽車に飛び乗るそんな夢が 脳裏を横切る僕は 君のからだの中で今宵 最後のブルースでもママに電話は おやめよひきかえせない ...
  • 午前0時の向こう側

    午前0時の向こう側

    地下鉄の階段を一人で歩いている深夜喫茶の疲れを吐き出している身も知らぬチンピラになぐられた頬と昨日の君のさよならがみょうに痛いどうしようもない やるせなさと自分自身への愚かさだけがカラカラ笑ってるさよならなんて したくないんだ冷たいアスファルトにひびく靴音誰かこの僕をひろってくれないか何時間もこうして秋風にさされながら...
  • GO STRAIGHT

    GO STRAIGHT

    鼻っ柱が折れた俺は殴りちらした嘘八百で生きて笑うてめえらにはあいそつきたはなっから覚悟がちがう悪いけど腹はきまったあるがままの心で俺は生きてやるGo Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえあざむく人影にふざけた面が並ぶたちうちする...
  • さよなら列車

    さよなら列車

    さよなら あなた 元気でいてねと心つつんだ お守り しのばせるひろげた地図で はかった距離を涙の列車が 明日 走りますつらくなるのなら 見送りはこの部屋 ひとりで手をふるつもりですあゝ ゆらゆらゆれてる想い出みんなおいてきぼりですねあなたの邪魔にならないようにさみしい 汽笛 呼ぶのは あなた耳をふさいで よりそうふたり...
  • 三羽ガラス

    三羽ガラス

    俺だけが黄昏る夕暮れからかっぱらった金色の小石を三羽ガラスがくすねる苛立ちを酒に溺らせて絆ちぎりにゃむごたらしく筋の通らぬ裏切りはめた憎しみドブへ流し受けた恩は食い散らかしごぜん様気取って「今日の仕事は辛かった」と愚劣なカラス弱いフリ我が身よろしくねんころりゲスな女に雨やどりケジメを取れよ 茶・茶オモチャの茶・茶・茶さ...
  • シェリー

    シェリー

    揺れているふたつのからだが海の底深く透きとおる肌のまんまでだまって抱かれてる身を震わして俺を見つめてるどうしてなんだろう なぜにお前はそんなに切なく微笑む今夜俺はお前のためだけに生きているんだ悩まされた過去から逃げて来いおゝシェリー 俺は砂丘に立ち真夜中を照らす白い月を見ているおゝシェリー 砂煙が舞い海が吠えてる 今お...
  • 賞金めあての宝さがし

    賞金めあての宝さがし

    あれは 去年の年も おしせまったころだったぜ俺のうちの 回りで 誰かが やけに 騒いでる何かと思い 窓ごしに 階下を みおろせば何とか雑誌の 首が並んでた一瞬たじろぎ 俺は 果たして 悪者なのかやましい事でも この俺 やらかしちまったのかと想いめぐらし 考える ひまもなかったぜ次の朝にゃ ごらんの とおりさ人の心に 土...