長渕剛
「204」ガンジス
4本の火柱がめらめらと燃えさかり 煙が立ち昇る俺は今 揺れる小舟の上ガンジス河を下っている細い路地裏には死を待つ老人の群れ座ったまんまで動かないやせこけた右手を道行く人に出し小銭を手のひらを掴む俺は船を降り 3時間近く焼け崩れる真っ黒い人間を見た「神様はどこにいるのか」と尋ねたら老婆は自分の胸を指した笑いながら自分の胸...Captain of the Ship
じめじめと暗く腐った憂鬱な人生を 俺は憎んでばかりいた叩かれても突っ伏したまんま ただ頭をひしゃげて生きてきたえげつなさを引っかけられ 横なぐりの雨が頬を突き刺したとき我慢ならねえ たったひとつの俺の純情が激烈な情熱に変わる正義ヅラしたどこかの舌足らずな他人の戯言(たわごと)など叩きつぶしてやれ眉をひそめられ“でしゃば...銀色の涙とタバコの煙
いつものように僕は暗いひとりのこの部屋で帰ることない君を待って待ちわびた顔で タバコをふかすガスコンロの上のやかんはシューシュー音を立てて窓ごしの空に 蒸気の粒がまた ひとつひとつ流れて落ちたその日の 夕暮れは とっても悲しくて銀色の涙が こぼれ落ちたそして 陽は沈み 回りの家の窓ガラスに灯がともったそれから 僕は朝を...くそったれの人生
本当の事を言えばきっと楽になれるさ本当の事を言っちまえばきっと自由になれるさあんちきしょうをぶっ飛ばしとんずらしようかだけど俺はこの街を根城に生きていこうと決めた六畳一間の闇にまぎれ腐った空へ夢を突き上げても呼べど叫べど答なし群れから離れっぱなしずっと離れっぱなし遠回りのくそったれの人生千鳥足でいつもの路地をただ足にま...結晶
「抱きあえば 抱きあうほど 涙が出るのは決して悲しいからじゃないよね私を抱いてる その向こう側であなたは何かを探しているんでしょう」「遠くへ行かないで お願いだから私はここにいるのよあなたがみつめてる 私だけを見てどこか知らない場所へ連れてって」『たのむから そんなに苦しまないでくれ一途な願いのまま 時を駆け抜けてゆけ...激愛
舌を噛み切った からみ合う口唇の中二人はよじれ合い 激しく揺れていた震える 流れる 青白い肌ひきよせても ひきよせても 届かない溶けてゆく無数の汗 心と躰を流れてゆけ愛は潜水艇のように 苦しみをもぐり激烈な痛みが こめかみを突きぬけた時は過ぎ 夜を越え凍りつく愛の海 深く深く 沈みゆく堕ちてゆく憎しみに 息が絶えるまで...GO STRAIGHT
鼻っ柱が折れた俺は殴りちらした嘘八百で生きて笑うてめえらにはあいそつきたはなっから覚悟がちがう悪いけど腹はきまったあるがままの心で俺は生きてやるGo Straight! Go Straight! Go! Go! Go! Go! Go!しょせん俺ら大都会のすれっからしにゃなれねえあざむく人影にふざけた面が並ぶたちうちする...シェリー
揺れているふたつのからだが海の底深く透きとおる肌のまんまでだまって抱かれてる身を震わして俺を見つめてるどうしてなんだろう なぜにお前はそんなに切なく微笑む今夜俺はお前のためだけに生きているんだ悩まされた過去から逃げて来いおゝシェリー 俺は砂丘に立ち真夜中を照らす白い月を見ているおゝシェリー 砂煙が舞い海が吠えてる 今お...賞金めあての宝さがし
あれは 去年の年も おしせまったころだったぜ俺のうちの 回りで 誰かが やけに 騒いでる何かと思い 窓ごしに 階下を みおろせば何とか雑誌の 首が並んでた一瞬たじろぎ 俺は 果たして 悪者なのかやましい事でも この俺 やらかしちまったのかと想いめぐらし 考える ひまもなかったぜ次の朝にゃ ごらんの とおりさ人の心に 土...