• 前田俊明

    「1551」
  • 美子のデカンショ節

    美子のデカンショ節

    デカンショ デカンショで 半年ァ暮らす (ヨイヨイ)後の半年ァ 寝て暮らすヨーイヨーイ デッカンショやっておいでよ 気のすむように向かう嵐に 眉上げて止めて止まらぬ 男(ひと)だから天下取るまで 待ってるよ…今が出番の 人生勝負おとこ花道 まっしぐらヨーイヨーイ デッカンショ夢は東京(みやこ)の あの花舞台名残り惜しい...
  • こんな女でよかったら

    こんな女でよかったら

    駄目ね、とうとう 負けたのねそう、あなたの 殉情(じゅんじょう)に…酒と若さの 見間違い嗤(わら)っては 来たけれどこんな女で よかったら何を惜しむことなく 欲しいならば命も捧(あ)げたいわ好きと嫌いの 真ん中で強がるしか なかったの…ばかなからだの 淋しさにし続けた 回り道こんな女に なぜ惚れた懺悔(ざんげ)なんかし...
  • 北斗岬

    北斗岬

    夜行列車おりて ただひとり夜明け真近の オホーツクこんな別離(わかれ)を するためにおまえ愛した わけじゃない…風の風の風の 風の北斗岬へ一生一度の 恋を恋を 捨てに来た赤く錆びた錨 その陰に咲いた夕顔 見て想うあんなせつない 瞳(め)をしてたおまえ残して 来たけれど…風の風の風の 風の北斗岬に一生消せない 恋が恋が ...
  • お吉情話

    お吉情話

    下田港の 寝姿山(ねすがたやま)はまるで鶴さん 寝ているようね沖の黒船 おぼろ月そうよわたしは 一夜妻(いちやづま)ひとは指さす ラシャメンとお吉はお吉は 哀しゅうございます鶴さんは腕の立つ船大工鶴さんの造った船で 祝言をあげたかったお吉は それが夢でしたいまでも そうさ いまでもさ……ひとの噂は 七十五日いいえ五年 ...
  • 祇園のおんな

    祇園のおんな

    柳芽をふく 石畳花見小路に 灯がともる髪をおふくに 襟足しろく心ばかりの おもてなし京都祇園の おんなは身をこがす夏は宵山 大文字惚れた弱みの 夕涼みもやい恋です かなわぬ願い涙かくして おもてなし京都祇園の おんなは深情け霧にかすんだ 花灯路いまも面影 また浮かぶ強く生きなきゃ この花街で笑顔はんなり おもてなし京都...
  • 愛の橋

    愛の橋

    あの町を 捨てたからもう戻れない ふたりです世間の人には 見えない橋を手を取り渡る ふたりです愛されているのが わかるから愛しているのが 愛しているのがわかりますあなたとわたしの 愛の橋寄り添える うれしさはなぜさびしさと 裏表露草ばかりが 見上げる橋を夜明けに渡る ふたりです求めあうこころが わかるからいのちのふるえ...
  • 明日は明日

    明日は明日

    肩に冷たい 北風が優しくなる頃 春が来るいつかは咲かせる 夢の花口に出さない 泣き事は明日は明日 なんとかなるさいつも笑顔で元気良く 頑張りましょう助けられたり 助けたり世間の情けの あたたかさ一人じゃ何(なんに)も 出来なくて感謝してます いつだって明日は明日 なんとかなるさ後ろ向かずに 元気良く 頑張りましょう夢が...
  • さよなら港

    さよなら港

    別れ汽笛が ひと声泣けばがまんできずに 涙がポロリきっと帰るの 約束を女は信じて 待ってるだけね船が行く 船が行く さよなら港髪の長さも 口紅さえもいいのこのまま 変えたりしないどうせ止めても 行くのなら女は手を振り 見送るだけね泣かないわ 泣かないわ さよなら港海がしぐれて 眠れぬ夜は胸に抱きます あなたの笑顔たとえ...
  • 砂の花

    砂の花

    さらさらと 指をこぼれてく想い出を かき集め涙で濡らし つくるのはかなしい 砂の花しあわせなんて いらない崩れそうで こわいからどうか 不幸にしてほしいあなたの背中で もっと 泣きたいのさよならを 何度決めたって終われない この恋は散ることさえも 出来ないのかなしい 砂の花やさしさなんて いらない崩れそうで こわいから...
  • 月見草

    月見草

    月に抱かれて 匂いたち一夜だけ咲く 月見草そんな儚い そんな儚い恋のつもりで いましたごめんなさい 愛しすぎましたごめんなさい 憎みすぎました あぁ…この夢が覚める前に色褪せてく前に愛の重さで 私を押し花にして欲しい甘い香りに 身をゆだねうす紅になる 月見草吐息ひとひら 吐息ひとひらまるで花びら みたいにごめんなさい ...
  • 雨の酒

    雨の酒

    忘れられない あの人を忘れたふりして 生きている今夜だけ 飲ませて下さい もう少しひとつため息 つくたびに心痩せます 雨の酒愛が覚めたと 言われたら身を引くだけです つらくても幸せを 返して下さい もう一度白い指輪の 夢の跡なんで憎めぬ 雨の酒ひとり手枕 淋しくて部屋の明りを つけて寝る今夜だけ 酔わせて下さい もう少...
  • 石蕗の花

    石蕗の花

    葉陰にそっと 身を寄せて咲いて淋しい 花ひとつ人に言えない 恋をして今日もあなたを 待ちわびるいいの時々 逢えたらいいの露地に咲きます 石蕗(つわぶき)の花迷惑だけは かけないと決めていました はじめからつらい思いを させるねと言ったあなたを 信じたいいいの嘘なら 嘘でもいいの雨に濡れます 石蕗の花あなたの腕の あたた...
  • 京都で出逢って京都で別れて

    京都で出逢って京都で別れて

    祇園夜桜 一目で惚れて八坂 木屋町 恋の町燃えてくらくら 大文字そして…こうして…こうなって…女ごころは 嵐山(あらしやま)ほんに本気よ 先斗町(ぽんとちょう)京都で出逢って 京都で別れてもうこれっきり これっきり サヨウナラ抱いて三条 焦がれて四条肩を寄せ合う ねねの道想いゆらゆら 高瀬川そして…こうして…こうなって...
  • 素敵な関係

    素敵な関係

    お酒飲みたく なったなら小さな酒場で 肩よせる洒落(しゃれ)たジョークに 酔ったなら一夜(ひとよ)のときめき 夢ゲーム遊びならいいわ 遊びならいいよ傷つけ合うのは いやじゃない追わない 聞かない 恨(うら)まない泣かない 妬(や)かない すがらない恋は魚ごころ 水ごころ 素敵な 素敵な 素敵な関係不良っぽいのが たまら...
  • 女のきもち

    女のきもち

    お料理つくって あなたのお帰りを待っているのが すきなのよ古い女と いわれてもバカな女と いわれても― それは、私の勝手でしょうしあわせいろいろ あなたの女です夕子と親から もらった本名で呼んでください 今夜からキモイ女と いわれてもバカな女と いわれても― それは、私の勝手でしょうしあわせいろいろ あなたの女です一生...
  • 夕子のお店

    夕子のお店

    拝啓一筆 夕子は門前仲町(もんなか)にこの度小さな お店を出しました別れてずいぶん たつけれど偶然うわさを 聞いたのわたしあなたが元気で 暮らしていることを…ダークの背広が 大人に見えました父親早くに 失くしたわたしにはネオンの谷間に 咲いた花悲しい涙も ながしたけれどあなたに想い出 いっぱいもらったわ男の名前で 差し...
  • 明石海峡

    明石海峡

    明石海峡 今日も日が暮れてはぐれ鴎が ピヨロと啼いた俺を待つなと 言うのならなんで教えた この胸の切なさ消せない 舞子のおんな何も言わずに 二人聞いていた遠い潮騒 淡路の島よもしも翼が あったなら飛んで行きたい 須磨の浦あなたに逢いたい 舞子のおんな恨むそばから あなた恋しくて肩がぬくもり おぼえているの流す涙も 涸れ...
  • 出雲雨情

    出雲雨情

    あなたと決めた 別れ旅なのになんでこの手が 離せない出雲斐伊川(いずもひいがわ) 二人の明日はどこまで行っても 幻だからあなたお願い 引き止めないで…肩をぬらす雨 雨 なみだ雨運命はいつも すれ違うばかりなんで縁が 結べない出雲神在月(いずもかみあり) 昨夜の夢が切なく体に 残っているわあなた教えて 忘れるすべをしのび...
  • 桜橋

    桜橋

    桜舞い散る この橋を誰が名づけた 桜橋幸せ薄い わたしにも春の知らせが 肩に舞う明日に希望(のぞみ)の 夢桜決めた人です この人と生きる会えてよかった この人に胸に陽だまり くれましたふたりの春は 遠いけど冬の寒さに 耐えてこそ枝はきれいな 花咲かす決めた人です この人と生きる雨が上がれば 降り止めば桜橋(はし)の向こ...
  • ふたりの夢港

    ふたりの夢港

    夜の瀬戸内 高松港泣いているよな 港灯(ひ)がともるふたり降り立つ 桟橋は愛の… 愛の… 始発駅今日からは ふたりだよこころはひとつおまえだけ あなただけ ふたりの港町寒い北風 凍てつく道を駆けて来たよな 細い肩ここで生きると 決めました夢を… 夢を… 重ねあいこの港町(まち)で 出直そうあしたを信じおまえだけ あなた...