• 前田俊明

    「1551」
  • 峠越え

    峠越え

    先へ出すぎりゃ 世間が叩く遅れて歩けば 笑われるあとに戻れぬ 人生は苦労がまんの いばら道義理はきっちり 命は熱く夢がささえの 峠越えひとつ違えば 次から次と待ってはくれない 向かい風情(じょう)にほだされ ながされる惚れたはれたは 今はなしつらさこらえて 見上げる空の月も泣いてる 十三夜そこが山なら 山より高く鳥は怖...
  • 南部のふるさと

    南部のふるさと

    よく来てくれたな 南部の故郷(くに)へこんな雪ん子 散らつく頃に炉端かこんで 牛追い唄を聞けばしみじみ 夜がふける人情ぬくもり 里の秋ぐい呑みかわして 南部の訛り可愛い姉っこの お酌もよかろやがて墨絵の 景色になって凍りついたら 小半年あの山この町 夢ん中春には雪解け 北上川の瀬音はやせば 桜を咲かす錦かざりも 欲しが...
  • じょんからしぐれ

    じょんからしぐれ

    山の 山のヨー 山のむこうへ風よ伝えて この想い この想いさだめに裂かれた 別れの峠誓いも哀しい みずならの木よ津軽 お岩木 つのる恋しさに雨がふるふる じょんからしぐれ里は 里はヨー 里はもうすぐ雪にうもれる 長い冬 長い冬便りがみつかり 燃やされたとかせつない噂に 紅葉も散った津軽 お岩木 つのるいとしさに雨がふる...
  • ねばらんか

    ねばらんか

    ネバネバだっちゃ ネバネバだっネバネバだっちゃ ネバネバだっ水戸の納豆がヨ 笑とるぞここで投げたら 母様(かかさ)も嘆くねばらんか ねばらんかもひとつドッコイ ねばらんか泣いて仰げば… 茜空ネバネバだっちゃ ネバネバだっネバネバだっちゃ ネバネバだっ一人暮らしがヨ 淋しかろ生まれふるさと 遠くはないがねばらんか ねばら...
  • 昭和の花

    昭和の花

    夢にはぐれた 時代の川を命つないで 一緒に流されたおまえ おまえが居たから 生きられたおれの心の ほとりに咲いた女 いちりん 昭和の花よ義理が重たい 浮世の坂で意地につまづき ころんだ日もあった酒よ おまえに 何度も叱られた馬鹿な生き方 心の弱さみんな知ってる 昭和の酒よあすの見えない 時代の川で沈むやつらも 溺れるや...
  • さすらいの旅路

    さすらいの旅路

    一途な夢 追いかけながら荒くれた 日々よ愚か だったよ 若気の至り思えば いまでも 恥ずかしいああ さすらいの 旅の空今日も 星が降る振り返れば 幾星霜のさすらいの 旅路恋も 涙も 悔しささえも思えば すべてが 愛おしいああ ほろ酔いの この胸に今日も 風が吹く明日(あした)からも まだまだ続くさすらいの 旅路北へ 南...
  • ひとりの女に

    ひとりの女に

    ひとりの女に 心底惚れて男は生まれ 変わるのさ小鳥のように 胸ふるわせて尽くしてくれた 可愛いおんな俺は鎧を ぬぎ捨てたのさひとりの女に 出逢って惚れて暮らした日々の 愛おしさ季節の花を 部屋に飾って慣れない料理 していた姿俺は本当に 幸せだったひとりの女に 心底惚れてあれから何年 経つだろうかおまえに恥じぬ 俺の生き...
  • のぞみ酒

    のぞみ酒

    恋がからんで なみだからんでおんなの恋路は 一途で本気です夢をだかせて欲しいのよ 欲しいのよ酔えば酔うほど 想い出すお酒 お酒くださいあなたの こころ酒愛がからんで 情がからんでおんなは優しさ 目覚めてくるのですどこにいるのよ帰ってよ 帰ってよいくら好きでも 遠い人お酒 お酒くださいあなたの このみ酒夜がからんで みれ...
  • はぐれ橋

    はぐれ橋

    身のほども知らないで おまえを愛した引き際ぐらいきれいに 別れさせてくれこの手を離すから おまえは走れよあいつのところへ あと振り返らずに慰(なぐさ)めはいらない… ここは はぐれ橋悲しみを背負うよに あの時出逢った互いに望み見つけて 歩き始めたね仄(ほの)かなやすらぎを 愛だと信じた短い月日は 忘れないしあわせ想い出...
  • 砂の像…鳥取砂丘にて

    砂の像…鳥取砂丘にて

    あなたの愛と 魂(こころ)の広さ砂丘(すな)のうねりと 同じです風紋(ふうもん) すりばち 馬の背を越えれば蒼(あお)い日本海鳥取砂丘 あゝ砂の像どこまで続く この砂の波あなたが付けた 足跡(あしあと)が今の私の 道標(みちしるべ)風がヒュルヒュル 哭(な)くのです鳥取砂丘 あゝ砂の像まっ赤な西陽が 二人を染めて長く尾...
  • 平戸雨情

    平戸雨情

    雨にけむった オランダ橋で決めたはずです もう泣かないと遠くはなれて なおさらつのる未練でしょうか 恋ごころ……鐘が鳴る鳴る 平戸の港女泣かせの 雨がふる色はあせても ジャガタラ文(ぶみ)に残る一途な 想いの丈(たけ)よまるで異国の 旅人みたいあてなく辿る 石だたみ……五島列島 平戸の沖に女泣かせの 雨がふる咲いて春呼...
  • いのち草

    いのち草

    ふたりで咲かせた しあわせ蕾(つぼ)み散らす世間の むかい風いいの いいのよ…あなたと あなたとならば涙を笑顔に かえながら生きてゆきます いのち草あなたは無口で 世渡り下手でわたし泣き虫 お人好しいいの いいのよ…倹(つま)しい 倹しい暮らし裏町あかりに 寄り添って耐えてゆくのも 女です冷たい木枯し あなたがいればど...
  • 人世舟

    人世舟

    泣いて覚えた お酒もあるわ花を咲かせた 恋もある浮いては沈んだ この世川風は今夜も 冷たいけれど夢だけは… 捨てないで…ひとり流れる 人世舟惚れたお方の 面影ひとつ落ちる涙に また揺れる逢いたい逢えない 他人川二度と還(かえ)らぬ あのひとだけど想い出を… 抱きしめて…おんな流れる 人世舟人はやさしさ いたわる心母の言...
  • 恋蛍

    恋蛍

    あわく儚く 命び灯し何を求めて 舞う蛍崩れるような 月の影一舞 二舞 恋蛍伝えておくれ あのひとに甘い夜露が 欲しいのと川のせせらぎ 夜更けの蛍追って追われて 流されながら夜空の星を 見るような一舞 二舞 恋蛍短い命 抱きに来て紅が涙で 消えぬうち夢の世界を 見ているような同じ運命の 愛しさ辛さあなたとわたし 結ばれて...
  • 瀬戸の夕暮

    瀬戸の夕暮

    茜色した 夕日を浴びて未練想い出 返す波逢いたくて……あなたを恨む そのうらで熱い想いは 離れないあなた恋しい 瀬戸の海霞む島影 霧笛が鳴いて紅い夕陽に 染まる海愛しくて……断ち切る気持ち できなくて星の滴に 濡れて行くあなた哀(かな)しい 瀬戸の浜波よ伝えて あなたのもとへ偲ぶ涙の 恋運命切なくて……待ちますあなた ...
  • あやめ雨情

    あやめ雨情

    夢で逢いたい 抱かれたいそれを未練と 云うのでしょうか濡れてむらさき あやめの花を見ればなおさら あなたが欲しい雨よ…雨…雨… 降らないであの日の想い出 消さないでいのち尽くして 結ばれたとけて解(ほど)けぬ さだめの糸よ風にむらさき あやめの花に添えぬうらみの ため息ひとつ雨よ…雨…雨… 降らないでひとりじゃ寒くて ...
  • 一声一代

    一声一代

    花の命を 歌ひとすじに咲くも散らすも 根性ひとつやると決めたら どこまでも夢を心に くちびるに…それが私の 人生ならば一声一代 この道を行く天が授(さず)けた 童(わらべ)と知って母は捨て身で 我が子を守る何があっても くじけずに庇(かば)い続けた 歳月(としつき)よ…涙わけあい 嵐を越えて一声一代 また旅をゆく夜風耐...
  • 噂の雨がふる前に

    噂の雨がふる前に

    好き 好き 好きだから遊びで恋など できないくせにふたりはどうして こうなったのよ一途なあなたが これ以上夢中になるのが こわいから……好き 好き 好きだけど お別れしましょうね好き 好き 好きだから 噂の雨がふる前に好き 好き 好きだからミモザの花咲く テラスの窓にいろんな想い出 浮かんでくるわ秘密のお部屋の 合鍵は...
  • スターライト札幌

    スターライト札幌

    スターライト札幌双子座で移り気な 男(ひと)だと知りながら気がつけば来てました あなたの北国へどうして どうして どうして愛してくれないの…ときめく時間を もういちどお願いかえして 時計台札幌 恋の札幌 スターライト札幌スターライト札幌リラ冷えの春の夜 死ぬまで一緒だと耳もとでささやいて くちづけしたくせにどうして ど...
  • おんなの夜明け~第二章~

    おんなの夜明け~第二章~

    寒い 寒いよ ひとりが寒いよ駄目ね 駄目なの ひとりぼっちは駄目なの花の命と 同じよに女の命も 一度だけあんたの愛なくて…生きてゆけない 歩けない夢の中まで ふたりづれ おんなの夜明け嫌よ 嫌だよ 泣かせちゃ嫌だよ何処よ 何処なの 恋のねぐらは何処なの私(あたし)やっぱり 女です時にはわがまま 言いたいの許してくれます...