西條八十
「226」女子挺身隊の歌(輝く黒髪)
なびく黒髪 きりりと結び今朝もほがらに 朝露踏んで行けば迎える 友の歌ああ愛国の 陽は燃えるわれら乙女の 挺身隊撃てど払えど 数増す敵機北も南も 無念の歯がみ勇士想えば 胸痛むああ愛国の 陽は燃えるわれら乙女の 挺身隊可愛い工具に 頬すり寄せて花の命も 姿も要らぬ早く翼が 送りたいああ愛国の 陽は燃えるわれら乙女の 挺...荒鷲慕いて
若き乙女の あこがれは雲にはばたく 銀の翼眉うつくしき ますらおが正義に勇む 飛行帽雄々し荒鷲 乙女の夢よ十字砲火も なんのその今日も敵地へ 翔りゆく勇士が胸に 抱けるはやさしき母の 肌守り雄々し荒鷲 乙女の夢よ凱歌揚がりて 月出でぬ散りし我が戦友 いまいずこ英霊永久に 安かれと名残りを惜しむ 低飛行雄々し荒鷲 乙女の...こんな私じゃなかったに
ひろい世界に ただひとりなぜにあなたが こう可愛い君の寝顔に 頬あてて女ごころの 忍び泣きこんな私じゃ なかったにひとり寝る夜の 夢でさえ君と逢う日の ことばかり熱い両手で 抱きしめる紅の小夜着が 恥ずかしいこんな私じゃなかったにやっと別れて 小半丁ゆけばあふれる この涙逢瀬かぞえる 指さきもぬれてやつれて 春が逝くこ...だから今夜は酔わせてネ
逢ったばかりで しみじみとなぜか情が 身に沁みる兄さんのよな 気がするのあなたがやさしい からなのよそうよ だから今夜は酔わせてネ想い出したか ないけれど想い出させる お酒なの純な昔に 泣けてくるあなたがつぐから わるいのよそうよ だから今夜は酔わせてネ逢うと逢わぬは ときの縁今日は仲よく 飲んでても明日は逢えるか 逢...