• 前田俊明

    「1551」
  • みさお酒

    みさお酒

    あんたの形見の この盃に三日月浮かべて また呑(の)んでますおんな独(ひと)り身 二十年思い切る気は 更(さら)にない誓うなみだの エエンエ…みさお酒あん時甘えて すがっていたら旅などしないで いてくれたろか我慢するんじゃなかったよあれが最後の 夜(よる)ならば……さだめ哀しや エエンエ…みさお酒あの日と同じに 黒髪結...
  • 博多雨

    博多雨

    愛の絆の 結び目そっとあなたほどいて 消えた人待つことだけしか 知らなくてつのる想いが 涙に変わるほろり…泣かせるみれんしぐれか 博多雨他の誰より 幸せそうに影が寄り添う であい橋思い出かさねた この街でいつかはぐれて ひとりのお酒ほろり…こぼれる吐息まじりの 博多雨傘を斜めに 路地裏づたいひとりしぐれて 帰ります夜更...
  • 夢…歌の道

    夢…歌の道

    いちど限りの 人生だから決めたこの道 ひとすじにやる気本気で 愚痴るな泣くな明日を見据えて ひるまず一歩これが私の 夢…歌の道他人(ひと)にゃ見せない 心の中(うち)は意地を貫きゃ 強くなる熱い心は 真実一路滾(たぎ)る思いを しっかと抱いて歩き続ける 夢…歌の道雨にしおれる 路傍の花もきらり陽が射しゃ 凛と咲く根気負...
  • 夢小舟

    夢小舟

    この舟に運命(さだめ)あずけた 恋だからたどり着きたい しあわせ岸に死ぬも生きるも あなたと一緒苦労覚悟の 旅路川愛が積み荷の 夢小舟振り向けば捨てた過去(むかし)が 見え隠れ川の流れに 沈んで消える生まれ変わって あなたのために盡(つ)くす女の きずな川命かさねる 夢小舟岩影にふたつ寄り添う 浮き草はにぎり水でも き...
  • 雨情歌

    雨情歌

    雨がしとしと 降る夜は心の芯まで 濡れてくるあなたの熱い その胸で泣いた日も 泣いた日もそうよあの日も 雨でした軒に吊した 赤ちょうちん今夜もポツンと 闇に浮く別れて遠く 離れても消えもせず 消えもせず今もやさしい ほゝ笑みよ人と別れる 哀しみにこの世の無常を 知りましたお酒に夢を 注ぎたして飲んだ日の 飲んだ日の一期...
  • ふたり花

    ふたり花

    かわす目と目で 話ができるそれが夫婦(めおと)と いうけれど暗い夜道を 手をとりあって越えたなみだの 水溜まりありがとう…おまえは 俺の おれの恋女房好きと好きとが 六畳一間明日(あす)を夢見て 生きてたね苦労ばっかり おまえにかけて折れて消えそな うすい肩ごめんな…おまえは 俺の おれの命だよ長い歳月(としつき) い...
  • 恋桜

    恋桜

    ハァーわたしが一番 綺麗なときにあなたに出逢って いたかったせめて十年 あの頃に桜の花咲く あの春に言ってはいけない 心の裏が倖(しあわ)せならば いいのですさくら さくら ひとりで咲くのあなたの小枝の 恋桜ハァーあなたに抱かれて 悲しくなって逢えなきゃこの胸 痛みだすせめて二晩(ふたばん) 窓を閉め桜の夢見て 過ごし...
  • 信濃路ひとり

    信濃路ひとり

    道づれが あなたとならばこんなに悲しい 旅ではないの愛の終わりの 終着駅がどこにあるのか 教えて欲しい涙ほろほろ ほろほろ涙秋から冬へ 信濃路ひとりこの未練 谺(こだま)になってわたしの心へ 帰っておいで墨絵ぼかしの しぐれの里はふたり旅した 想い出ばかり涙ひたひた ひたひた涙秋から冬へ 信濃路ひとり倖(しあわ)せが ...
  • 紅つばき

    紅つばき

    綺麗でしょうか この髪が似合うでしょうか 口紅が答えてください そばにきて肌があなたを恋しがる川の流れに身を映しゆれて舞い散る 紅つばき愚かでしょうか この私焦がれることも待つことも心をじらして幸せがいつも隣をすり抜ける春に背中を向けながら燃えて舞い散る 紅つばき行けるでしょうか 夢ならばあなたの熱い その胸に憎さと愛...
  • しあわせ回り道

    しあわせ回り道

    背のびしたって なんにも見えぬあなたも 夢も しあわせも寂しいよ 寂しいよ逢うは別れと 云うけれど貸してください その肩を小雨 路地裏 しあわせ回り道いつも私の 手を引きながら離しちゃだめと 云った人切ないよ 切ないよどこにあなたは かくれんぼ雨が骨身に 沁みる日は傘も重たい しあわせ回り道弱音吐いても 愚痴ってみても...
  • 現世の子守唄

    現世の子守唄

    雪が降る カモメに 雨が降る 野の花に山が海が 川が空が 泣き出しそうな浮世に淋しくて 恋しくて 今は遠いあなたに会いたくてねんころり ねんころり淋しさなんかに 負けるなよ思い出は大事に あこがれはひそやかに夢が恋が 人が愛が かすんだよな今の世に歌おうか 心から やさしかったあなたに戻るようにねんころり ねんころり冷...
  • 春よとまれ

    春よとまれ

    春よとまれ この手にとまれ紅をさす手が かじかむよ泣いて泣かされ はぐれた恋は秋と冬との くり返し胸でヒュルヒュル 雪風鳴けばあんたの温みが 恋しいよ春よとまれ この手にとまれ…春よとまれ あんたにとまれ蝶になったら 翔んで来い愛をつらぬく わたしを見つけ俺の花だと 言われたいそうよも一度 逢う日のためにあんたの影抱き...
  • 夢追い草紙

    夢追い草紙

    月のしずくは 涙のしずくつなげば未練の 恋文になるかりそめの 祭ごとなら逢いたくなかった 初めから夢の夢 みんな夢おんな悲しい 夢追い草紙問わず語りに 手鏡のぞき化粧でつくろう 心の辛さ分かるなら 分かるがよろし想いの深さを 淋しさを夢の 夢 みんな夢おんな切ない 夢追い草紙姿隠して 鳴くほととぎすどなたを忍んで 鳴き...
  • 海峡の夜が明ける

    海峡の夜が明ける

    可愛い 顔して なぜ泣くのハンカチさしだす 見知らぬひとよわかれて来たとは 言えない辛さどこへ行く北へ行く 吹雪がしみる女が身をひく わかれ船つくして つくして 不しあわせ男を信じた わたしがばかね残りはいとしい 命がひとつ東京よ遠くなれ ふりむかないわみれんを断ちきる わかれ船かもめよ ここから おかえりよ戻りの潮路...
  • 夜の舟

    夜の舟

    みぞれが頬うつ 衿を刺す凍る指先 ふところへ暖められつ 暖めて闇に包まれ 身をかくすひそかに漕ぎ出す 夜の舟咲いてはいけない 花を知り責めちゃならない 罪を知る二人じゃ乗れぬ 一人舟添えぬさだめに そむいても身を寄せ漕ぎ出す 夜の舟涙を集めた 浮世川渡り切れない 向う岸分け合う愛の 儚さを超えて行きたい 恋ひとつあなた...
  • 人生みちづれ

    人生みちづれ

    うれし涙も この世にあるとはじめてあんたが 教えてくれましたまわり道した 今日までは俺にあずけりゃ いいと言うあゝ決めたのよ… 決めたのよ…人生みちづれ あんたと生きるいつも裏目に 出るまごころに覚えたお酒の せつなさ ほろ苦さリンゴ畑の おふくろに逢いにゆくかと 肩を抱くあゝ決めたのよ… 決めたのよ…故郷(ふるさと)...
  • 雨の酒場町

    雨の酒場町

    色とりどりの 灯りがにじむよ露地裏(ろじうら)に ひっそりと 咲かせた愛の花おまえの喜びが おれの生きがいさそんな気持にさせたのは させたのは水割り 恋唄 雨の酒場町やすらぐ酒で ブルースを踊る揺れながら もたれてる お前がいとおしい甘えていいんだよ 夢をみるがいい夢で女ははばたける はばたける虹色 カクテル 雨の酒場...
  • 泣かせたくない

    泣かせたくない

    ただの遊びの つもりならこんなに早く 帰しはしない唇ツンと 尖らせてそんなに可愛く 拗ねるなよ 拗ねるなよ泣かせたくない おまえのことは失くしたくない この恋だけは男 純情… ホレたぜ胸がこんなに 熱いのは水割よりも おまえのせいさこのまま腕に 抱きしめて朝まで二人で いたいけど いたいけど泣かせたくない おまえのこと...
  • 迷い川

    迷い川

    指折り数え 待ちわびて逢えばひと時 つらい恋離れられない あなたとは噂しぶきに 濡れないように二人流れる 迷い川あなたと暮らす 約束は見てはいけない 夢ですねいいの私は このままでだめと思えば なおさら燃える口紅(べに)が哀しい 迷い川あなたの胸に すがりつく夜にこぼれる 乱れ髪離れたくない もう二度と抱いて下さい 昨...
  • 夢待ち川

    夢待ち川

    あなたの面影 水面(みなも)に浮かべそっと両手で掬(すく)えば 涙がにじむ泣かずに待つわと 決めたのに…きっと逢える いつか逢える 信じていますせせらぎせつない 夢待ち川よあきらめなさいと 囁(ささや)くように川風(かぜ)が冷たく耳もと かすめる日暮れ震えるこの胸 抱きしめる…せめて今夜 夢で今夜 逢いたいあなた灯りが...