木下龍太郎
「337」忘れな草をあなたに
別れても 別れても 心の奥にいつまでも いつまでも憶えておいて ほしいから幸せ祈る 言葉にかえて忘れな草を あなたに あなたにいつの世も いつの世も 別れる人と会う人の 会う人の運命(さだめ)は常に あるものをただ泣きぬれて 浜辺につんだ忘れな草を あなたに あなたに喜びの 喜びの 涙にくれて抱(いだ)き合う 抱き合う...恋の続きをもういちど
側のしあわせ 何故か見えなくて無駄な道草 していたみたいやっと気づいた 失くした後で捨てちゃいけない 大事なものにもう 離れない もう 離さないふたたび出逢った アカシアの北の街から 今夜から恋の続きを もういちど思い切る気で 恋もしたけれど愛せなかった 貴方のように男ごころを 支えるものは他になかった 貴女をおいても...忠臣蔵・片岡源五右衛門
春に背いて 散り急ぐ花は赤穂の 若桜殿の無念を 知りながら尽くす手立ても ないままに送るつらさに 送るつらさに男・源五の 口惜し泣き「片岡源五右衛門 お側にお仕えしながら何も出来ずに腹を召される殿を送らねばならぬとは…ああ 情けなや。殿! 最後に言って下され 源五 余は無念じゃったとそこから一言 殿!」抜いちゃならない...